わふくジェネ/音楽ジェネラティブについて
こんにちは!
わふくジェネで音楽ジェネラティブを担当する、作編曲家のyokodoriです。
本記事を通して伝えたいこと
わふくジェネが「10000点のユニークな音楽つき」であることは、現存の他PJとも差別化できる魅力のひとつだと考えています。
しかし現状の自身の手ごたえとして、イマイチ魅力として伝えきれていないもどかしさがあります。
そこで今回、よりくわしく説明を加えるとともに、自身が感じた音楽ジェネラティブの面白さや、そこにこめた思いをお伝えすることで、より「わふくジェネ」に魅力を感じていただけたらと思っています。
※
なお、「ジェネラティブ」の定義はざっくり「創作過程にプログラムを取りいれることで、意図的に偶発性を生み出すもの」としてお話します。
今回のジェネラティブの濃度でいえば、そこまで色濃いものではないかもしれません。
あくまでも以下でお話するような役割や目的を達成する手段として取り入れたものですので、ご理解いただければ幸いです。
わふくジェネの音楽について(情報整理)
大きくは4テーマ × 2500パターン = 10000点の音楽ジェネラティブ
完全に重複する音楽はなく、それぞれが異なる構成要素をもつ
メロディーや伴奏・エフェクトなどに細かく変化を与えている
インストゥルメンタル(歌なし)
Future Bassというジャンルを意識した可愛い~クールなサウンド
30-40秒のループ仕様
(全体としての長さは検討中。音源内で1ループさせるかも)WAFUKUっ娘のイラストから感じられる情緒を、より深める役割
どのへんがジェネラティブなの?
さて、「音楽ジェネラティブ」一口に言っても、
・どのへんがジェネラティブなの?
・ふつうの音楽となにが違うの?
といったように、具体的にイメージしにくいのではないでしょうか。
実際のところ、NFTでいえば世界的にもまだ事例が少なく、それらのなかでも大きく雰囲気が異なります。パッと想像できないのも無理はありません。
どこをジェネラティブしたか説明していきます。
まず、ポップスの楽曲をすこし俯瞰して見てみると、「章(イントロ/Aメロ/・・・)」「小節」「拍」といった単位で細かいブロックに分けることができ、それらが連結することで成り立っていることがわかります。
(ヨコの連結)
また、それらブロックの中身は、ドラム・ベース・伴奏・メロディーなど、いくつかの音のレイヤーが重なりあうことによって成り立っています。
(タテの連結)
このうち、今回ジェネラティブを採用したのは、前者のヨコの連結です。
後者のタテの連結は、通常の作曲と同じように、ソフト上でおこなっています。
したがって、
「Aのブロックを演奏したあと、BとCのどちらの展開に進むか?(以降、同様に繰り返し)」をプログラムに委ねてパターン生成。<ここがジェネラティブ>
各ブロックで演奏されるメロディーや伴奏には人力で変化を与えた、ということです。
ちなみに、このブロックをどの程度細かい単位で分けたかについては、テーマによってそれぞれです。
幸いにも、連結のためのプログラムは、いろんな方が近いアイディアをネット上で共有してくれていたこともあり、独学で用意することができました。
(…とはいえ必死でコード書きましたが)
今回実現したかったこと/こだわり
自分がジェネラティブを実現するうえで、絶対に譲れないなと考えていたのは、
「メロディーがあり、かつそれらが違和感なく流れる音楽であること」
でした。
まず、自分が音楽ジェネラティブと聞いて浮かべるものは、ランダム性が強いノイズミュージックのような、比較的ニッチな音楽でした。
しかしこういった音楽は、WAFUKUさんのイラストとはイメージが結びつかず、自分がやりたい・または得意とする分野でもありません。
音楽を聴いたり作ったりするうえでも「メロディーの流れ」はすごく大事にしてきたので、ジェネラティブといえど、そこをないがしろにはしたくないと考えていました。
そこで、プログラムを利用して組み合わせていくなかでも、明らかに違和感がある流れは生まれないようにメロディーを工夫したり、完成品として選びとる対象から外したりということをしています。
(もちろんジェネラティブの良さである偶発性は残しつつ…。ここのバランスはやや難しいところでした)
「音楽的に破綻したものがあふれるなかから、心地良く聴ける"アタリ"を探す」という体験ではなく、
「心地よく聴けるのは前提で、そのなかから好みのメロディーの流れや組み合わせを探す」という体験を提供したいという思いが強くありました。
(……これだけの「やりたい」を尊重してくれているソロさんには感謝しかありません)
制作過程で感じた「ならではの面白さ」
ジェネラティブ音楽を制作しているなかで発見した面白さがあります。
それは、「ふだんは作る側で完結させている作編曲のプロセスを共有できるかもしれない」という点です。
音楽をやっていると、よくこんな会話に出くわします。
「今のパターンと前のパターン、どっちがいい?」
「ここってこっちのコードのほうが気持ちよくない?」
「このエフェクトってやりすぎだと思う?そうでもない?」
…
どっちも良さがあるから悩むね。とか、
俄然今のパターンでしょ。とか、
やりすぎ感あるけどそれが面白い、とか。
そんなふうに展開していきます。
ひとりで曲を作っているときも、アレンジを考えているときも、
脳内では常にこんな会話が繰り広げられていることでしょう。
ふつうであれば、完成品として発表する音源は、こういった選択の連続がギューーッと詰め込まれた、たった1パターンです。
(なんだかありがたみが増してきます)
しかし、ジェネラティブでは、あえて複数のパターンを提供することで「自分はこっちが好き」という悩ましい選択を疑似体験してもらえる気がしています。
これを通して、
「Aも良いけど、Bも良いよね」
「自分は絶対こっちの流れが好き!」
「これとこれは音源が近い雰囲気だけど、WAFUKUっ娘が違うから、また全然違った景色が浮かぶなぁ~」
…
こんなコミュニケーションや体験が生まれたら、この上ない喜びを感じます。
リリースされた際は、ぜひこんな視点からも楽しんでいただけたらうれしく思います。
おわりに
余談ですが、
ソロさんからお声がけいただいた当初、まさかここまで大きく展開するつもりとは知らず、
「多くて100パターンくらいかな?それならどうにかなるかな」なんて思っていました。
のちのち聴いた数字は、ゼロがふたつ多かったので、ひっくり返りました。
(実現できそうでよかった……)
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こだわりや思い、いくらか伝わりましたでしょうか?
引き続きTwitterやDiscordチャンネル等を活用しながら、魅力をお伝えしていけたらと思っています。
リリース日の8/28をぜひお楽しみに!✨
長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。
関連リンク
👘 わふくジェネのDiscord
https://discord.com/invite/wafuku
👘 WAFUKUさん(ファウンダー/イラストレーター)のnote
https://note.com/wafuku
👘 ソロさん(マーケティング担当)のnote
https://note.com/solo_eth