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興津から掛川まで歩く 旧東海道 静岡 GRⅢ

10月の終わりに、また月曜日に休みを入れて三連休を取り、旧東海道徒歩旅の続きに行ってきた。三日休みを取って歩くのは早いものでもう三回目だ。

計画

10月の終わり、月曜に休みを入れてまた三連休を取って、旧東海道歩きの続きを計画した。静岡県の興津まで行けたので、興津から西、できれば浜松まで行きたいけど時間的に厳しいかな?掛川まで行ければいいかな、というイメージである。
前回はホテルの価格の問題で車中泊をして歩いたが、やはりホテルに泊まりたい。車中泊も悪くはないけれども、ホテル泊の方がひとつながり感あるし、宿に泊まると旅してる感が増す。道の駅で車中泊をすると周りの風景は、当然、駐車場である。道の駅の売店は営業時間外だし、辺鄙な場所にあるので周りに店なんてない。真っ暗で、旅情もなにもあったものではない。場所にもよるとは思うのだけど、ホテルというのはたいていは街中にあり、周囲の散策をするのはけっこう楽しいし、ビジネスホテルの朝食バイキングも楽しい。
というわけで検索するも、どうもいまいち決めきれない。近すぎたり、遠すぎたり、高すぎたり、そもそも埋まっていたりと今回は絶妙に合わない。調べていくうちに、以前、小田原で泊まった東横インは公式サイトから無料の会員登録して予約すればポータルサイトよりも若干安く予約できることを知って、静岡駅近くの東横インをチェック。幸い、一部屋だけ開いていた。価格も許容範囲。住所や電話番号、カード番号などなどを入れ、いざ予約と思ってクリック。が、反応しない。これはもしかしたら、ほぼ同じタイミングでどこかの誰かが予約してしまったのでは…。何それひどい、せっかく面倒な入力をしたのに。予約が遅かった自分が悪いのだ、ということはわかってはいるのだが、心は正直だ。その後は探す気が一切失せてしまって、これも縁かなと開き直って今回も車中泊で突っ込むことに決めた。

カメラ

今回、カメラは久々にGRⅢだけを使った。X-T50も持っていったのだけど、前回の旅で、この種の旅の写真は徐々に撮れ高というより旅の記録を写すものとなりつつあり、ならば一眼でなくてもよいのではと感じていたこと、それになによりも雨予報だった。片手でも撮れるGR3を使うことにした。GR3だけを持って歩くのは久々でちょっとわくわくする。

初日 興津駅から安倍川駅

興津駅のコインパーキングからスタート。今回はちょっと遅めで到着したのが11:00前になってしまった。車のシガーソケットが使えなくなってポータブル電源が充電できなくなるトラブルがあって、調べるのに時間がかかって遅れてしまった(解決せず)。夜にガジェット類を充電できるバッテリー残量はあったので別に困りはしなかったのだけど。
また来た。よろしくおねがいします。
今日はあまり映えるポイントはなさそう? とりあえず目についたお店を撮りながら歩く。
清水駅の駅前商店街。ここは旧東海道ではないのだけど、レトロな佇まいがいい雰囲気な気がしたので寄り道してみる。正解でした。
静岡は全体的にサッカー推し。清水といえばエスパルス(とちびまるこちゃん)。だいぶ色あせてるけど?
自分が写ってたりする。わりといいお値段では。
刃物屋。インバウンドの観光客が店内にいた。英語の案内もある。意外にも、この商店街は訪日客も少なくないらしい。
プラモ屋。角にあるからカドヤ。であってほしい。
名前とフォントもいいと思う。
トイレに立ち寄った公園にとても大きな木があった。GRⅢなら余裕で撮れる。やっぱり28mmの画角が好きだ。
15時頃、静岡駅に到着した。当初考えていたゴール地点だったけれども。
静岡市美術館で「写真をめぐる100年のものがたり」という展覧会が開催されていたので立ち寄った。機材の発展に伴い、写真表現が変わっていく様子がわかる。最初は絵画に似た静物、建物の写真、肖像写真(機材が重く、大きく、山や森など野外には持ち出せなかった)で始まり、持ち運べるようになると当時の印象派の影響を受けた自然の写真が撮れるようになり、さらに小型化されるとアート表現だけでなく報道にも使われるようになる。絵画から離れ写真独自の表現の模索へ。写真家の、その時代時代の技術を生かそうとした写真表現へのまなざしが伝わってくる。
日が落ちるまでまだ時間があるので静岡より先に進む。
安倍川は干上がっていた。ダムで水量を調整しているのだろうか。
17:26、安倍川駅に到着。今日はここまで。
安倍川駅から興津駅に戻る。たくさん歩いたのに30分で戻ってしまう。電車すごい。
夕食にグーグルマップで評価がよさそうな食堂に立ち寄った。
エビフライ&刺身定食。エビフライが美味しい。
静岡の有名サウナ「サウナしきじ」へ。コロナ前に一度行ったことがあるのだけど、相変わらず薬草サウナとフィンランドサウナの二つのサウナと天然水の水風呂の質がすごい。このあと、道の駅玉露の里で車中泊した。

二日目 安倍川駅から金谷駅

昨晩は道の駅玉露の里で宿泊。朝食は車内で軽く済ます。プロテイン、コーンスープ、サンドイッチ。
安倍川駅のコインパーキングに停めてスタート。
鞠子宿の名物とろろ汁の店。江戸時代の人は、数里ごとにあるこうした食堂や茶店で栄養を補給しながら歩いていたようだ。
この辺りの旧東海道は静清(せいしん)バイパス沿いの側道だ。バイパスは交通量多い。
静清バイパスの宇津ノ谷トンネルの上に、宇津ノ谷峠があり、峠手前には「間の宿」がある。丸子(鞠子)宿から次の岡部宿の間にあった休憩ポイントで、ここで一息ついて峠を登ったようだ。
山道になっている。歴史的に交通の要衝だったようだが、現在はトンネルに代替されており、歩く人はあまりいないようだ。
小田原征伐で豊臣方が宇津ノ谷峠を通ったようだが、台風などの天災のため当時とは道がかわっている。今は静かな山道だ。
岡部宿に入る。
本陣(大名が泊まる宿)がある大きな宿場だったようだ。
旧東海道を離れて、焼津へ向かう。理由はお魚が食べたいから!
焼津さかなセンターに行こうと思ってたが、その手前に、福一焼津流通センターという店があって、同じ港で取れた魚だしいいかなと思って入店。
左のバチ鮪を選ぶ。バチもトンボもなんなのかは知らない。
この店の欠点はイートインスペースも外のベンチもないこと。徒歩旅行者には厳しい。近くの公園まで15分くらい歩いてから食べた。徒歩で来る人はほぼいないと思うので仕方ないのだろうけど。美味しかったが、他のネタも欲しかったというのが正直なところ。
藤枝の先のあたりで雨。
雨が降っているし、道も代わり映えせず、音楽にも飽きた頃、ふと、本当にふと、唐突に走ろうかなと思った。車中泊の旅による軽い荷物と、GRⅢだからこそ走る気になったわけで、X-T50を持っていたらそうは思わなかったはずだ。最初は恐る恐る、1キロ走って、1キロ歩いて。次に2キロ走って1キロ歩いて。次に3キロ走って。走ると言っても、心拍上がりすぎないようのんびりだけれども。
島田宿に入る。
いい雰囲気。和装のコスプレイヤーの女の子たちが自撮りしたり、高そう&大きなズームレンズの一眼のカメラで写真を撮りあったりして楽しそうにしていた。新しい文化だと思う。彼女らをよく見たかったけど、汗だくおじさんがじっくり見るのも迷惑かなと思って、横目で見るに留めた。
江戸時代の役所が人形で再現されている。
妙に迫力がある二人。
大井川
金谷駅手前の上り。あとちょっと。
金谷駅
東海道線で安倍川駅へ戻る
今日の温泉は島田蓬莱の湯。サウナがよかった。地元の方々に混じって、旅人である自分も蒸される。
蓬莱の湯の食堂のナポリタン。美味い。サプライズ。このあと、道の駅掛川へ向かった。

三日目 金谷駅から掛川駅

道の駅掛川で車中泊。雨が降ったり止んだり。
ここは交通量の多い大きな街道添いにある道の駅で、人気もあるようで、深夜でも訪れる車が途絶えないなかなか騒がしい道の駅だった。日曜の夜だというのに車中泊している車も少なくなかった。道の駅はある意味、現代の宿場ですね。
金谷駅まで戻ってからスタート。
このあたりは石畳が残る。
箱根、三島の石畳と違い、大ぶりのつるっとした石が敷かれている。雨で滑りやすい。特に下りは慎重に歩かねば転んでしまいそう。
石畳区間が終わる。昨日、ちょっと走って楽しかったので、とりあえず5キロ走ろうと今日も走ってみるが、このあとすぐに激登りとなりちょっと後悔する。でも走る。
このあたりは茶畑がある。静岡はそういえばお茶の名産地だ。
霧と雨も悪くない。
掛川に入る頃には晴れ間も出てきた。
掛川の商店街のシャッターは閉まりがち。国道一号線沿いは大型店舗が並んでいるのだが。
掛川城に立ち寄る。
掛川城。小田原城に比べるとコンパクト。
天守閣から。そろそろ今回の旅も終わりでちょっと寂しい。
静岡といえばさわやか。BOOKOFFの存在感多めの看板。25分待ちでした。掛川駅から少し離れているのだけど、げんこつハンバーグ食べたさにがんばって来てみた。
げんこつハンバーグと店員さんによる執刀の儀式
見た目より数倍肉肉しい。思い残すことはない。
掛川駅でゴール。

旅の感想

徒歩とジョギング

今回の旅は一日目が25キロ、二日目が40キロ、三日目が23キロと約88キロ歩いた。そのうち、14キロは軽いジョギングだった。
あれほど暑かった気温もようやく下がり、曇りと雨だったこともあって初日は体力的に楽に感じた。こんな徒歩旅行も3回目で、歩行力が付いてきたのだと思う。
二日目、調子に乗って走ってみたが、走ったあと、徒歩では感じなかった疲労感を感じて、改めて徒歩と走るのはぜんぜん違うんだな、と当たり前といえば当たり前のことを感じた。でもよく考えてみると、自分の普段の生活で、10キロジョギングすることはあっても、10キロ歩くことはないのでやってみないとわからなかったことではあったかも。
逆に徒歩というのは慣れるとほんと疲れないんだなとしみじみ思う。最近、ネットでこんな記事を見かけたのだが、普段長距離歩いている人にとっては、この記事にある女性で一日30キロ歩いていた、というのは無理のない数字であることがわかる。朝から夕方まで休憩を挟んで歩けば、のんびりでも自然と30キロになるのだ。

食事

今回は意図的に食事にはお金をかけてみた。初日は夕食に1,700円、二日目は昼に寿司860円、三日目はさわやかのハンバーグに1,750円。美味しかったけど、貧乏性の性なのか、あれは1,700円の味だったかなあ、なんて考えてしまう。つまり、ちょっと使いすぎた感。次は普通の食事でいいかも。余談だが、実はハンバーグは苦手である。今回の旅で一番美味しく感じたのは二日目のスーパー銭湯で食べたナポリタン(750円)だった。

再びカメラ

久々にメインで使用したGRⅢは改めて便利なカメラだった。コンパクトで軽く、写りもいい。撮りたい時にささっと取り出して、スナップできる。軽いので走ることだってできた。
ただ、カメラの要素は軽さや扱いやすさだけではなくて、ファインダーを覗いて構図を考えて、ダイヤルを操作して、絞りやシャッタースピードを考えて...というような手順が楽しいのではないかとも思う。GRⅢはスナップシューターで、そういった手間を省けるカメラであるわけだけど、操作してる感はやっぱり一眼に比べると少なくて、ちょっと寂しい。それと、画質について、富士フイルムの色のほうが好きだ。GRⅢも、この写真はGRで撮ったんだろうなとすぐわかる画質と色で好きだが、さすがに画質の差は価格差分あると思う。
次回の旅はX-T50を使おうと思うのだけも、でもまあ、複数台のカメラを気分や状況で使い分けるのも悪くはないと思う。なんにせよ写真を撮るのは楽しいし、いい写真は必ずしもカメラによらない。どんなカメラでも、上手い人はとても印象的な写真を撮る。自分もそれぞれのカメラの特徴を生かして、もうちょっと上手く撮れるようになりたいなあ。

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