横浜から箱根まで歩く①
先日の三連休(正確に言えば前日にも有給を取ったので四連休)、横浜から東海道を箱根まで二泊かけて歩いた。
連休はカメラと一緒に東北か北アルプス方面の山に行こうと考えていたのだけれども、事前に調べた天気予報は悲惨なもので、かろうじて初日のみ晴れであとは全部雨。
そこで思いついたのが、以前からあたためていた横浜から東海道を西へ歩く計画だった。ビジネスホテルで適当に宿を取ってただ歩くというもの。日帰りで歩くことは多々あるけれども、泊まりで歩いたことはなかった。山の雨は勘弁してほしいけれども、舗装路なら傘を差してれば問題ないのではないか? 思いついたが吉日。カメラを買った時と同様に衝動的に平塚と小田原に宿を取った。もう一日、宿は取れるけど雨の様子をみてからにしよう。
このひらすら街を歩くという単純な行為をするようになったきっかけは今年の2月に、3ヶ月待ちで手に入れたカメラ、リコーGR3だ。
これまでカメラというのは何かのついでに持っていくもので、写真を撮る目的で出かけることは殆どなかったけれど、せっかく買ったのだからと山だけでなく都内に写真を撮りに出かけたらこれがまた楽しい。はじめは川崎あたりの臨海工業地帯や、蒲田、皇居、銀座、汐留など、自分がこれまで行ったこともないし行くこの先わざわざ行かなそうなところ中心にカメラ片手に歩いた。単純によく知らないところを歩くのは発見があって楽しいし、スマホで撮る写真よりもきれいに、稚拙ながらも個性が出せる写真を撮る行為も楽しくて仕方なかった。
歩き慣れてくると、自然と遠くへ行きたくなった。どうせなら、一筆書き的に、足跡を繋げてみたい。前回、歩き終えたところからスタートしてまた歩く。足跡は横浜方面へ伸び、寄り道しながら歩いた。当然、日帰りには限界があって、ぼんやりと泊まりがけで歩いてみたいなあと感じ始めていた。行き先は知らないところならどこでもよいのだけど何か目安や指標があったほうがいい。江戸時代の五街道の一つ、東海道を選んだのはそんな理由からだった。昔の人が徒歩で歩いたという道。東京日本橋から京都までつながっている。今のところ自分が京都まで行くとは思えないけど、とりあえず行けるところまで行ってみて、続けるかはそれから決めればよい。
初日は夏の最後の断末魔みたいな猛暑で、日傘片手に横浜から平塚まで歩いた。
予想はしていたけれども、現代の東海道、すなわち現国道1号線とその側道は歩行者にとっては非常に退屈だ。道というのは時代に合わせた利便性と経済合理性で作られている。車のない時代は徒歩や馬に合わせたものだったはずだが、現代の道はほとんど車のためにある。歌川広重の東海道五十三次にあるような風光明媚な景色は消え失せ、あるのは車道、ガードレール、全国チェーンのコンビニ、ファミレス、ファーストフード店、規格化された住宅、道路看板だ。歩いても、歩いても同じような風景が続く。
カメラ目的の徒歩旅行者にとっては正直、面白い写真が撮れるわけではなく、カメラを構える頻度も減っていった。
ただ、それは自分のエゴな気もするし、道が悪いわけではない。風景は変わらないけど、足跡は残る。さほどシャッターチャンスがあるわけではないけど、歩く行為自体は不思議と飽きなかった。風景には飽きたけど。
夕食のやよい軒でテーブルフォトでも...と思ってたが、やよい軒のさんま定食でテーブルフォトというのもねえ、と思い直して撮らなかった。
二日目、三日目はまた後日。お読みいただきありがとうございました。
カメラとレンズは最後(GR3)以外はX-T50とXF35mm f1.4 rです。Lightroomで少し明るくしてます。
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