見出し画像

日米首脳会談目前!“礼儀”か“へりくだり”か?政治家の所作が外交に与える影響

8日未明に予定されている日米首脳会談では、石破首相とトランプ大統領の相性や交渉の行方にに注目が集まっています。政治家の立ち居振る舞いは、交渉力や国の威信にも影響を与える重要な要素です。

日本では、礼儀を重んじ、形式を大切にする文化があります。しかし、国際社会ではこうした所作が必ずしも意図した通りに伝わるとは限りません。とりわけ、首相や外務大臣などの要職にある人物が過度に形式を重視しすぎると、意図せぬ印象を与えることがあります

たとえば、外国の要人との対面で、何度も深々とお辞儀をする、小走りで駆け寄る、両手で手を握りしめるといった振る舞いは、日本では丁寧な態度とされることがあります。しかし、国際的な場では「過度なへりくだり」と受け取られ、政治的な力関係において自らを低い立場に置く印象を与えかねません。


「力」と「礼儀」のバランスを考える

礼儀の示し方は、文化や立場によって意味が異なります。影響力があるリーダーほど、過度にへりくだることなく、落ち着いた振る舞いをする傾向があります。これは、その人物の力量や立場の確かさを示すものとして振る舞いが解釈されることがあるためでしょう。

たとえば、遅れを取り戻そうと小走りで駆け寄る姿(過去に安倍元首相がプーチン大統領に見せたしぐさ)は、誠意の表れと見る向きもありますが、リーダーとしての威厳を損なう恐れもあります。一方、欧米のリーダーは、遅れて到着しても慌てることなく、落ち着いた足取りで堂々と歩き、余裕を持って握手を交わします。こうした所作が「自信」と「安定感」を伝える無意識の戦略となるのです。

また、国内の選挙活動中によく見られる「両手で包み込む握手」も、国際社会では慎重に使うべきジェスチャーのひとつです。特に、外交関係が緊張している国の要人に対して行うと、「懇願している」「必要以上にへりくだっている」と誤解されかねません。一方で、信頼されるリーダーは、相手の目をしっかりと見据え、片手で力強く握手を交わすことで対等な立場を示します


「堂々とした振る舞い」が信頼を生む

国際的な舞台では、「堂々とした落ち着き」を示すことが最も重要です

  • お辞儀は深々と繰り返さず、視線をしっかりと相手に向けながら簡潔に行う

  • 握手は片手でしっかりと交わし、相手の目を見ながら行うことで信頼感を高める

  • 落ち着いた足取りで歩み寄ることで、余裕と自信を演出する

  • 言葉は端的に、回りくどい表現や過剰なへりくだりを避け、明確に伝える

こうした細やかな振る舞いが、相手に与える印象を大きく左右します


「礼儀正しさ」と「威厳」を両立させるために

過剰な礼儀作法は、「本当に対等な立場なのか?」という疑問を抱かせることがあります。型にはまった作法にとらわれるのではなく、日本人ならではの品格を保ちつつ、自信に満ちた姿勢で世界と向き合うことこそ、政治的リーダーに求められるのではないでしょうか

いいなと思ったら応援しよう!