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わたしの恋人は、人間ではなさそうだ。
書く書く詐欺師であることを自白させていただいた前回投稿。
カクサギ(「書く書く詐欺師」が長いので短縮)であると認めたら、なんだか心が楽になった。そうだね。「苦手なことは苦手」と言ってしまった方がいい。ノンストップ・コロナだし。2021年も下半期だし。アラサーも終盤を迎えてるし。見栄をはってる余裕はない。自分にやさしくいこう。
まあ、こんな最下位の余談はさておいて。
本題のような、引きつづき余談のような近況報告。
最近、私の彼氏になかなか人には言えない衝撃事実が発覚したので、そのことについて。
スーパー共感型の彼女に向かって
ミラクル解決志向型の彼は言い放った
お家の中でひとり大興奮したオリンピックが終わると、猛烈なあしたのジョー感に襲われた。
サーファー カノアの波乗りは、当分日本では見られない。
わたしの彼氏の帰国日も、決まりそうで決まらない。
コロナはアホかっちゅうくらい、元気ふりまきやがってる。
そしてわたしの今後のキャリアプランも、雲がかっててよく見えない。
なのに、時計の針は止まらねえ。
不安だ。
悲しい。
ムカつく。
イライラする。
そう。
気づいたらパラリンピックより一足お先に、わたしの生理が開幕していた。
仏様フェーズ、しばし卒業
夜、寝る前に電話をするのがわたしと彼の日課。お姉ちゃんからは「よくそんなに話すことあるね」と驚かれるが、私たちにとってはいたって普通。デフォルトで1時間以上話している。
韓国ドラマ1話分の長さなんて、余裕のよっちゃんだ。
こちらのトークにも、しっかりと「癒し」「笑い」「キュン」あらゆるカテゴリーが詰まっている。まさに、リアル・エンタメ・ストリーミングだ。まあ、そんな例え話はどうでもよくて、毎週気軽に会えないわたしたちにとって、電話は大事なライフラインなのだ。
そんなこんなで、いつもは半身浴みたいに心があたたまる電話タイムなのだが、生理のお力添えもいただき、その日のわたしは、仏様タイムを断絶させていただいた。
手元には、言いたいことをまとめておいた小さなノート。(議論ポイントがずれなくなるのでオススメ)仕事よりも、文字に熱がこもっている。
突然声のトーンを変えたわたし。
「…ちょっといいかな?」
落ち着いたトーンでこのフレーズを言ったら、「朝まで生テレビ」はじまりの合図。彼も、既に何回かこの討論会の強制参加を経験しているので、すぐに流れを察知したようだった。
そっからは、田原総一郎バリの鋭い口調…と言うわけにはいかないが、真剣に思いのたけをスマホの向こう側の彼に向けてぶつけていく。
<討論内容>
・「海外に住む」「海外で仕事をする」ための準備を少しずつ始めているけど、最近は1人でいっぱいいっぱいになっている。
・↑を実現するって、簡単じゃない。ふたりの未来のために、一生懸命実頑張ってる私の気持ちにもう少し寄り添ってほしい。
つまり…
(ここからが、私の一番の心の雄叫び)
あなたはスーパーミラクル素敵で、話もちゃんと聞いてくれる、最高の彼氏だけど、今は解決策を聞きたいんじゃないねん。共感して欲しいねん。
心のこもった「うんうん、大変だよね。不安だよね。」を言って欲しいねん。だって、2人のことなんだから。
言葉を選びながら、慎重に本日の議題を発表し終えた私。
言い過ぎたかな?と不安になりつつも、彼の反応を待つ。
ふたり「………」
わたし「……どう思う?」
彼「……うん。そうだね。……言われて、初めて今気づいたんだけど…
僕…《共感》っていうことをこれまで全くしたことがないかもしれない。
仕事でも、どんな人との付き合いでも、相談とか悩みごとを打ち明けられたら、相手にとってベストな解決策を考えて伝えることしかしてこなかったんだよね。
そう考えるとさ。
僕って、ロボットなのかなあ?」
ん?
言葉のパンチ力が強すぎる。完全なる肩透かしだ。むしろ「?」ってなんだ?わたしに、その答えはない。
驚きを抑えつつ、「共感とは何か」という道徳の授業みたいな会話をして、討論会は穏やかに終了した。
電話を切ってから考えた。
そうか。
人間じゃないのなら、仕方がない。
わたし、月とか宇宙なんて行く予定なかったんだけどな。
まあ、いっか。彼とのお付き合いがとても壮大で光栄なことに感じてきた。これも彼のプログラムの仕業なのか。だとしたらやるな、未来型ロボット。
それにしても、日本語が通じるロボットでよかった。
まだ不明点も多いが、みなさまより一足お先に、人間型ロボットとの恋愛をすすめさせていただこう。