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The Story of One Sky ① ディマシュ:MV時系列・前編、解説&妄想考察
Part.1-前編:MVストーリーの時系列
(Dimash 09)
(11,672文字)
(第1稿:2022年10月7日)
動画:『Dimash - The Story of One Sky』 by Dimash Qudaibergen(公式)2022/09/25
【前書き】
まあとにかく、この歌はすごい歌だった。
曲だけで10分。
そして、ミュージック・ビデオ(以下MV)も、すごい作品だった。
13分40秒。
これは、この作品の「感想文」だが、長いです、超絶に長いです。
① Part.1「MVストーリー時系列&詳細解説」(前編)と、
② Part.1「MVストーリー時系列&詳細解説」(後編)と、
③ Part.2「MV感想+妄想考察」と、
④ Part.3「Music感想(ひたすら妄想)」と、
⑤ Part.4「総合感想(私個人の感想ですが)」の、
4部構成で全5回。
もうね、自分でもアホかと。
でも、この作品自体が歌もMVもそれぞれに非常に濃い内容を持っているので、この長さでも足りないくらいだ。
なにせご本人様が3年という長い期間を費やして、そのご本人様曰く、「(取り組んでいる間、僕は)苦しんだ」
というような思いで制作した作品なのだ。
聴くほうだって、相当の覚悟と敬意を持って作品に接したいではないか。
超絶に長いですが、これはもう私の特徴なので、そこはあきらめていただいて、お暇な時、もしくは体力がある時にお読みいただきますよう、お願いいたしします。
【歌の発表の経緯】
最初に、この歌が発表された「経緯」を記録しておく。
別に読む必要はないという方は、【MVストーリー、時系列&詳細解説/ 前編】まで飛んで下さい。
**********
2022年9月14日から15日にかけて、カザフスタンの首都アスタナ(当時はヌルスルタン)において、現ローマ教皇を含む世界各国の宗教指導者が一堂に会する『第7回世界伝統宗教者会議』が開かれた。
この会議の前日、9月13日にアスタナ・オペラ劇場で、大会代表団と参加者のための『Unity in Diversity(多様性の中の調和)』と題したコンサートが行われ、ディマシュはここで新曲を披露する。
それが、この大作『The Story of One Sky』が初めて演奏された日時と場所になった。
この時、ローマ教皇と対面したディマシュが教皇から祝福と記念のメダルを授与される写真が、現時点の新曲『OMIR』の動画(2023/05/24発表)に含まれていたのは記憶に新しい。(注1)
それから10日後の9月23日、カザフスタンはアルマトイ市の「セントラル・スタジアム」で、ディマシュのソロ・コンサート『ストレンジャー・アルマトイ・ライブ2022』が開催され、ライブの後半にこの曲が演奏された。
このライブは、その年の大晦日にカザフスタンTVで放映され、明けて元旦にYouTubeのディマシュ公式チャンネルにて、ライブ動画がPart.1~3に分けて投稿された。(注2・動画)
その次の日の9月24日、ディマシュの大規模な「ファンミーティング」の席で、13分40秒に及ぶこの曲の超大作MVが初公開され、同日夜(日本時間25日2時頃)にはYouTubeの公式チャンネルにもそのMV動画が投稿された。
その5日後の9月29日、各プラットフォームでこの曲の音楽のみのバージョンがデジタルリリースされた。
**********
以上、こういう風に発表されたのだが、すごく力が入っているのがわかる経緯だ。
でも、MVを見れば一目瞭然だけど、本当にすごい大作だったのだ。
この1曲で、これまで発表されていた彼の全ての曲が、一瞬にして過去のものになってしまった。
当時まだ他の作品の感想を書いていた私は、どないしょーと思った。
ディマシュさーん、まだ全部の感想書き終えてないんですけどぉー!!?
この曲は、ディマシュの音楽活動にとっての「メルクマール」となった。
【ミュージックビデオの初見理解は、難しい】
この作品は、MVというよりも「ショートムービー」と言ったほうがいいかもしれないが、初見でストーリーの全体像を把握するのは難しかった。
(なんかMV感想のたびに言ってる気もするが)
海外のリアクション動画でも、年配の動画主さん達はわりあい理解が早かったが、若い動画主さんほど見落としが多いとともに、見ているそれが何かを知らないことでストーリーがわからないまま終わってしまう人が非常に多かった。
MVや映画など、映像作品を見ている最中に画面の意図を理解するのは、けっこう難しい。
なぜなら映像も、音楽と同じく、出現した瞬間に消え去っていき、つぎの場面へと次々に移り変わっていくからだ。
見ている側がよほど映像を見慣れていないと、目が見たものを理解する前に画面が変わってしまい、何を見たか意識する前に忘れてしまうのだ。
しかも今回のディマシュのこの作品は、音楽ですらとんでもない出来なのに、音楽に付随する映像までがとんでもない出来なので、この2つを同時に見聞きして、同時に理解するなんて、どうやっても無理ってもんですわ。
というわけで、個人的に映像部分の時系列を詳しく書き出して、MVで何が起こっているのかを検証してみた。
すると、いやーもう、すっごい面白過ぎなんですけど!!!
以下、MVの経過時間の数字のあとが、MVのストーリーの時系列。
一行あけた段落部分が、その箇所の解説など。
また、MVの画面がかなり暗いので、詳細確認のためには、一度モニターのバックライトや明るさを限界まで明るくしてからご覧になることをお勧めする。
では、MV詳細解説、スタート。
【MVストーリー、時系列&詳細解説/前編】
《オープニング》
00:02 クレジット「DIMASHALI CREATIVE CENTER」
00:08 ソナーの音。海の中に沈んでいく少年。
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最初に鳴るソナーの音で、それが「海中」であることが示される。
この場面の次にディマシュの名前が表示されるので、海に沈む少年はディマシュが演じるキャラクターであることが暗示されている。
00:15 クレジット「DIMASH QUDAIBERGEN」
00:20 海の中、溺れて意識を失った主人公が映り、左から別の少年が現れ
て助けようとする。
00:30 クレジット「REQUIEM」
00:37 海でおぼれた主人公を年長の友人が助け、心臓マッサージを試みて
いる。
この友人は、半ばあきらめているのだが、そばで主人公の手を握る
少女の心配そうな顔を見て、彼はその都度マッサージを再開する。
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心臓の音。主人公が息を吹き返し、少女がうれしそうに笑う。
生き返った主人公が、空を見て笑う。
01:20 タイトルクレジット『THE STORY OF ONE SKY』
01:27 砂浜を歩く主人公と少女。
年長の友人が主人公の後ろから近づいて肩を抱く。
3人の子供達のクスクス笑い。
友人は少女にちょっかいを出して走り出し、追いかける少女。
主人公は砂浜の小舟の中から木箱を取り出してふたを開け、その中
からちょっと不思議な形をした金属を取り出す。
この場面で重要な出来事はふたつ。
ひとつは、年長の友人がこの少女に以前から恋をしていること。これは、心臓マッサージをしている時に少女を見つめる彼の表情で察することが出来る。
もうひとつは、少女がそれまでは何とも思っていなかったであろう主人公の少年について、彼が溺れて生き返ったことで、この少年を好きだという自分の気持ちに気がつくこと。
主人公の少年が少女のことをどう思っていたかは、わからない。憎からず思ってはいただろうが、年長の友人と少女の仲の良さをいつも見ていたはずなので、遠慮しているような雰囲気がある。
主人公の心情については、映像としての暗示が薄いので、ここでは考えないこととする。
《 イントロ ~ 第1ヴァース 》
02:01 音楽がスタートすると同時に、この物語の因果が発生する。
年長の友人の愛の告白を、少女が拒む。
年長の友人が少女に向かって彼女の両肩をつかもうとしていることから、彼が少女に愛の告白をしたことが分かる。
彼は、少女の気持ちを汲んで主人公の命を助ける善い行いをした、気分がハイになっている勢いも手伝って、彼女は自分を受け入れてくれるはずだと彼は思ったのだろう。
だが皮肉にも、少女は主人公が溺れて助かったことによって、主人公への自分の気持ちに気がつき、友人の告白を拒む。
主人公が不思議な金属から目を移して見た2人は不穏な空気を漂わせており、友人はがっかりした表情をしながら少女から離れ、少女は主人公のいるほうへ走って行き、砂浜の小舟に乗る。
02:27 主人公はというと、そんなこととはつゆ知らず、自分を助けてくれ
た2人への感謝と友情の証(あかし)として、3つのペンダントを
作り、そのひとつを自分の首にかける。
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このペンダントのもとになった不思議な形の金属は、「グノーモン(または「ノーモン」)」という、海上用の日時計の真ん中に立てる指針なのだそうだ。
金属が入っていた箱の中の機械のようなものが、その日時計と思われる。
この情報は、「ハイデローズ(Heiderose Kober379」」というドイツ在住の、おそらく70歳台の女性が、このMVのリアクション動画に寄せたコメントから判明した。(注3)
ありがとう「ハイデローズ」さん。
彼女自身もこの情報を「Snarky Tart」という別の人のコメントから知ったという。Dearsのグッド・リレーションだ。
「ハイデローズ」氏によると、「この3角形のブレードは日時計に取り付けられ、日時計に影を落とし、開けられたピンホールが太陽のイメージを文字盤に投影する」とのことだ。
02:40 主人公は年長の友人に「グノーモン」のペンダントを渡そうとして
それを見せるが、主人公のせいで失恋した友人は、もちろん受け取
ろうとはせず、手渡されたあとも、それを首にかけることはなかっ
た。
主人公は少女のもとに走り、小舟に乗り込むと、少女の首にペンダ
ントをかける。
うれしそうな表情でペンダントを見つめる少女を見て、主人公の心
に少女への愛が芽生える。
その時、海を見ていた年長の友人は、彼の手の中で「グノーモン」
のペンダントを曲げてしまっていた。
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03:17 場面は変わるが、引き続き、曲げられた「グノーモン」のペンダン
トが壇上に置かれているのが映る。
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次にその人物の右腕の「腕章」が映り、そのシンボルに「グノーモ
ン」が使われていることが示される。
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曲がったペンダントから、この人物が、少年時代に主人公を助けた年長の友人であることがわかる。
だが彼の腕章のシンボルは、ペンダントの「グノーモン」とは違い、真ん中に太陽の光を通す穴が開いておらず、しかもブレードが「下を向いている」。
つまりこの友人は「光の道」を失い、運命的に「落ちて行っている」ことが暗示されている。
以下、この司令官の軍のシンボルを「逆グノーモン」と呼ぶ。
03:21 年長の友人は今では軍の司令官となり、大勢の兵士達の前で「戦争
賛美」の演説を続けている。
《コーラス1》
03:31 激しい戦闘が続く市街地で、片側が開いた廊下のような構造物の暗
がりの中を、アサルトライフルを構え、中腰で歩く兵士が映る。
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この兵士の鼻の形とそのへっぴり腰ぶり(失礼!)から、dearsにはすぐにディマシュだとバレてしまうが、そこはそれとして、へっぴり腰なのはつまり、俳優ではないということの他に、物語上では長期間の軍事訓練を受けた正規の軍の兵士ではないと設定されている可能性がある。
その理由はこの次の場面で判明する。
ちなみにディマシュの名誉のために付け加えておこう。
ディマシュが在籍した大学のアレクサンダー・スミルノフ教授によると、大学での軍事トレーニングで、ディマシュは「消防訓練」「戦術訓練」「軍事地形」「ドリル」「カラシニコフ・アサルトライフルの組み立てと分解」「射撃」において優秀な成績を納めたそうだ。
03:45 暗がりから戦場に出て来たこの兵士は、ナイフを持って自分に向か
ってきた赤い服の兵士を撃ち殺す。
この時、動画をポーズしてよく見ると、赤い服の兵士は先の司令官と同じ「逆グノーモン」の腕章をつけており、殺したほうの兵士の腕章のシンボルがそれとは別の形状をしていることがわかる。
このことから、赤い服の兵士を倒した人物は、先の司令官とは違う組織に属していることが判明する。
03:50 カメラがパンし、別の兵士が撃ち殺され、「逆グノーモン」の兵士
が横の兵士の首をナイフで刺して、建物の柱の陰に隠れる。
04:01 隠れた兵士のうしろを歩く、最初に赤い服の兵士を倒した人物をカ
メラが追い、日の光がその顔を照らすことで、ようやくこの人物が
主人公(ディマシュ)だと判明する。
主人公は、敵の兵士が隠れた建物を、「左側」から回り込んで中に
入り、奥の兵士の前に身をさらしてライフルを撃つが、逆に左腕を
撃たれてしまい、いったん柱の陰に隠れる。
すなわち主人公は、かつて友人だった司令官の軍隊とは敵対していることになる。司令官の演説の内容から(ディマシュ・ジャパンFCが作成した日本語字幕で演説の全文が読める)この戦争は「内戦」という可能性が高く、主人公の装備が「逆グノーモン」の兵士に比べて少し貧弱なことから、主人公は民間のレジスタンス組織の一員、あるいはリーダー格のひとりなのかもしれない。
04:20 主人公が意を決して柱から飛び出し、軍の兵士を撃ち殺す。
主人公は、つい先ほどまで軍の兵士が立っていて、その兵士の血が
飛び散った壁に寄りかかり、撃たれた左腕の痛みと、紙一重で2人
の運命が入れ替わった恐怖、そして自分が人を殺しているショック
に苦しめられている。
建物の外で爆発が起こり、煙が上がる。
この場面については、YouTuberで俳優&フィルム製作者の「セドリック(Cedrick Gegel)」氏が、自身のリアクション動画の中で以下のように解説していた。
敵の兵士が2回目に主人公を撃とうとした時、何らかの理由で兵士の銃がジャムったために銃を撃つことが出来ず、主人公が兵士を撃って生き延びたのはたまたま幸運だっただけ、というエピソードではないかと、セドリック氏は語っていた。
私もなぜ軍の兵士が主人公を撃たないのかが不思議だったのだが、なるほどこういう理由だったのかと納得した。(注4・動画)
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04:33 友人だった司令官の演説が終わり、彼とその後方にいた4人の部下
が、右腕の「逆グノーモン」の腕章に左手を当てて、敬礼を取る。
《第2ヴァース》
04:41 大きな窓のある広い建物の中。
その窓から外を見ている主人公(ディマシュ)と、彼の周りにい
る、おそらくレジスタンス仲間の兵士達。
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主人公がふいに窓の下に身をかがめると、その窓の外を敵の兵士達
が走り去っていった。
主人公は彼らの様子や、向かった方角から、何かに気がついたよう
に顔を上げ、眉をしかめる。
04:46 別の大きな建物の中で、司令官と4人の部下が街の地図を取り出し
て作戦会議を始める。
部下たちの意見を退けると、司令官は地図上の街のある一点、おそ
らく住宅街の一角を指で押さえる。
司令官がいるこの建物は、農場施設のようだ。
主人公のほうは、工業地帯にある工場跡にいるのかもしれない。
また、軍の司令官や部下たちの服や帽子に、階級を示すものが何も取り付けられていないので、これについての具体性はない。
04:53 建物の壁にあいた亀裂から、身重の女性とその娘らしい女の子が映
される。
この時のカメラワークから、司令官が指で示した場所が、この女性のいる建物だとわかる。
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04:56 主人公は、窓の外の様子から嫌な予感を感じていたが、ふと自分の
胸元に目をやる。
女の子とともにいる女性の胸元に「グノーモン」のペンダントがあ
り、主人公と女性が同時に胸のペンダントを手にする。
このことから、このふたりがあの砂浜の少年と少女であり、ふたりが長じて夫婦になったこと、彼女と一緒にいる女の子がふたりの娘であることがわかる。
05:17 主人公はペンダントを握りしめて、目を閉じる。
主人公の脳裏に、かつての友人、今は敵となった司令官の姿が浮か
ぶ。
そして、司令官の意図を察知する。
司令官が、口の端で薄く笑う。
司令官は、かつて友人だった主人公とその妻の住む家を知っており、彼は自分を拒絶して主人公の妻となった少女に、ひいては主人公に復讐するための命令を出したのだ。
窓の外を走り去った兵士達は、司令官の命令に従って、主人公の家がある方角に向かっていたのだった。
《コーラス2》
05:23 主人公は目を見開き、そうはさせるかと決意を固め、家族を助ける
ために建物の出口へと走り出す。
彼に呼応するかのように続く、数人のレジスタンス仲間達。
主人公が決意を固めるまでペンダントを握り締めていたことから、主人公のインスピレーションが「グノーモン」の導きであることが暗示される。
「グノーモン」とは、古代ギリシャ語で「指示する者」「識別する者」などを意味するという。
また、主人公と一緒に窓の下に座っていた仲間の数は、なんと「7人」。
『白雪姫』の小人の数だった。
それとも、黒澤明監督の『七人の侍』か、そのリメイク版の米映画『荒野の七人』か。
05:30 戦場となった工業地帯で、激しく撃ち合う軍とレジスタンス。
その中を懸命に走り、家路を急ぐ主人公。
背後で攻撃ヘリコプター(AH-64Eのように見える)が、おそら
く携帯式防空ミサイルで撃ち落とされている。
(もちろんこれはCG映像)
建物の陰に隠れた主人公を、数人の敵兵がライフルを撃ちながら、
ゆっくりと追って来ている。
05:41 場面が変わり、暗い廊下に立つ老人と、孫らしい少年を抱きしめて
いる老女が映る。
彼らは背後の暗闇に隠れる。
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軍の兵士達がドアを蹴破り、老夫婦が隠れたのと同じ廊下に踏み込
んでくる。
兵士達の銃には、暗がりを照らすライトが取り付けられている。
司令官と4人の部下達が映ることで、この建物が、司令官が指示し
た主人公の住むアパートであることが示される。
05:50 工業地帯の戦場。
主人公がいた建物の出口から、主人公と同じ腕章をつけた兵士達が
7人、外へ出てきた。
はっきり見えるのは6人だが、中央の兵士の後ろでヘルメットのゴーグルが光っているように見えるので、7人だと思われる。
この7人が、主人公と一緒に窓際に座っていた仲間達だ。
彼らは主人公の援護を買って出たのだ。
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05:50 主人公は、彼らレジスタンス仲間のほうを、おそらく感謝を込めて
ふりかえり、再び歩き出す。
主人公の胸元には、揺れる「グノーモン」のペンダント。
その後方では、主人公を追っていた敵兵のひとりが主人公の仲間に
撃たれて倒れ、他の2人の敵兵が後退を余儀なくされている。
05:55 住宅街のアパートでは、廊下を逃げ惑う若い住人達の様子が映る。
左側のドアから、主人公の妻が身重の腹を右手で押さえ、女の子の
手を引いて、廊下に出てくる。
06:01 大きな建物の中をパトロールする屈強な敵兵達。
ここは養豚場だったのかもしれない。
主人公は、パトロール兵から隠れるように低いアスファルトの壁に
もたれて座り込んでいる。
アパートの内部は混乱を極め、主人公に「急げ」と暗に告げてい
る。
06:11 主人公は、撃たれた左腕に巻いた布をきつく締め直すと、敵の陣地
となっている建物を通り抜けるため、アサルトライフルを手に、壁
から離れて進み始める。

主人公が左腕の布を締め直す時、右腕の腕章が大きく見える。
そこに描かれたシンボルは、どうやら手書きらしい。
その形が、(古い)日本人の目には『ウルトラマン(古い方)』に出てくる「ゼットン星人(古い方)」か、または双頭にも見えるので、初代プレイステーション用TVゲーム『FF7』の「イン&ヤン」という非常にキモい敵のようにも見える。(注5)
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この不気味と滑稽が合わさったような腕章の絵の雰囲気は、中国のTV番組か何かで、自分を描いてくださいとリクエストされてディマシュが描いた自分のイラストとよく似ている。(注6:動画)
そのため、このシンボルはディマシュ本人がマジックで描いたのではないかという気がしている。それをワッペンに印刷してレジスタンス仲間の腕に張ったのか、もしや1枚ずつ手書きだったらどうしよう……。
軍のシンボルはミシンによるきれいな刺繍だったので、軍とレジスタンスの資本の差をあらわしている、とか?
ちなみにディマシュは目が悪いので、多分TVゲームやってるなと思っていたが、最近になって「Xbox」の格闘ゲームで友人を負かしている動画がアップされた。その手つきは、プロほどではないにしろ、非常に良い指さばきだった。(ゲームの話が出たので思い出してしまった)
また、プレステ系のコントローラーを持って、弟と遊んでいるところも見かけたので、わりとディープなゲーマーでいらっしゃるようだ。ナカーマ。うれしいな。
閑話休題。
06:19 司令官が住宅街の地図に大きな丸を描き、部下達と敬礼を取る。
アパートの廊下では、軍の兵士の前に、あの女の子がぬいぐるみを
拾おうとして現れる。
拾い上げたぬいぐるみを抱いて、兵士を見つめる女の子の無邪気な
瞳。
彼女の瞳は、何かを問いかけているようだ。
そして、にもかかわらず、無慈悲に響く銃の装填音。

この場面は、撮影中の様子を映した動画によると、主人公の妻が娘である女の子の手を引いて逃げていたのだが、女の子が落としたぬいぐるみを拾おうとしたために離れ離れになってしまったというエピソードが撮影されていたが、カットされたらしい。
ディマシュ・ニュースのストーリー解説によると、妻はこの時ほかの人々によって助けられ、生き延びたとあるので、自分の手から離れた娘を助けるいとまもなく、ほかの人々に連れられて行ったと思われる。(注7・動画)
06:40 農場施設では、住宅街の地図が片付けられ、ライトテーブルの前に
ひとり残る司令官。
(①「Part.1-前編:MVストーリー時系列」、終了)
(②「Part.2-後編:MVストーリー時系列」に続く)
【注解・前編】
(注1) ローマ法王との謁見
ディマシュのインスタグラムより、法王との写真。2022年9月15日付。
(画像は文章内に埋め込み済)
彼が法王に謁見した時に着ていたこのスーツの上着には、逸話がある。
9月16日、次の仕事のために飛んだ先のラスベガスの空港で、ディマシュは彼に会いに来た自閉症の少年に、彼が着ていたこの上着をプレゼントしてしまった。
会いに来た少年は、母親によると発話に問題があるのだが、ある日息子がディマシュの『SOS』を泣きながら歌っているのを発見し、彼女はなんとしてでも息子をディマシュに会わせなければならないと思い立ったそうだ。
ディマシュはよくサングラスを子供のファンにあげているが、この時は、たまたまサングラスを持っていなかったため、とっさに上着を思いついたようだ。
周りのdears達が非常に驚いているが、彼らはもちろん、前日のディマシュのインスタで、その上着が法王に謁見した時にディマシュが着ていたものであることを見て知っていたからだ。
以下がその時の動画。
少年の母や、周りのdears達が撮影した動画をモンタージュしたもの。
動画:『SUB🍀#Димаш Трогательная история / #Dimash touching story / Una historia conmovedora / tocante』(ディマシュの心温まる物語)
By DK Media World 2022/09/18
(注2・動画)アルマトイ・ライブ2022
『Dimash - Almaty Concert | part 3』
by Dimash Qudaibergen(公式) 2023/01/01
・『The Story of One Sky』は、前口上からだと23分18秒から、頭出し。
曲自体は25分43秒から。日本語字幕あり。
(注3)「ハイデローズ」氏の情報
『Dimash Qudaibergen - The Story Of One Sky FIRST REACTION! (GREATEST MV I'VE EVER SEEN!!!)』 by YBPlaysMusic 2022/09/28
・このリアクション動画の「コメント欄」を評価順に並べ替えて、最初のほう(8月20日現在で8番目)に「ハイデローズ(Heiderosekober379)」氏の超絶長いコメントがあり、この中に「グノーモン」についての解説がある。コメント全体が非常に有益な内容なので、翻訳アプリなどを使って一読されることをお勧めする。私のこの解説も、彼女のコメントをかなり参考にしている。
・また、動画主のユーリ氏も毎回非常に誠実で正直な反応をされる方なので、彼のこのリアクション動画もご覧になることをお勧めしたい。
(注4・動画)セドリック氏の解説
『Actor and Filmmaker REACTION and ANALYSIS - DIMASH "THE STORY OF ONE SKY" FILM』 by Cedrick Gegel 2022/09/29
・13分ごろからこの場面が始まり、セドリック氏は途中の独り言ですでに「ああ、銃がジャムった」と話していて、その後MVをポーズして詳細を解説している。その少し前から頭出し。
・このセドリック氏は映像作家なので、カメラワークや画面の色彩構成などについての詳しい解説が多く、ディマシュのどのリアクション動画でも、いつもとても有益な情報を提供してくれる人だ。
(注5)FF7の「イン&ヤン」
解説動画:『【FF7】トラウマモンスター『イン&ヤン』とは?』
by すずめのひみつきち 2019/11/14
・こんな気持ち悪い敵(しかも結構強かった)には二度とお目にかかりたくないと思いつつ、その気持ち悪さが意外と面白くて、プレイ当時は何周してもここを楽しみにしていたものだ(笑)
(注6・動画)ディマシュが描いた自分のイラスト
動画:『Dimash is a child』 by Pear Or No Pear 2020/04/06
・該当場所を頭出し。
・この絵を見ても、ディマシュの「コメディアン体質」がよく分かる。
実は歌手ってコメディアンのほうがやり易いんですよ、その性質上。
(注7・動画)撮影中の様子を映した動画
動画:『Dimash "Story of one sky" BTS』 by Dimash Iran 2022/10/03
・0分42秒あたりから、該当の場面を頭出し。
(【注解・前編】、終了)