SMOKE:音楽のみ by ディマシュ/妄想感想、バックトラック凄い!
(Dimash 52)
(12,068文字)
(第1稿:2024年4月27日)
★音楽のみのYouTubeYouTube動画:
『Smoke』by Dimash Qudaibergen - トピック
2024/04/25 (日本時間の26日0:54ぐらい)
Provided to YouTube by The state51 Conspiracy
【『SMOKE』(音楽のみ)リリース!】
かねてより予告されていたディマシュの新曲『SMOKE』の、音楽のみのバージョンが各プラットフォームでリリースされた。
各国の26日深夜0時とアナウンスされていたので、私、TVにYouTubeを表示させて、正座して(そこまでしてないけどまあ表現としてねw)待っとりましたんですよ。
ところが、待てど暮らせど、音楽が来ない。
あれ~? 日にちの解釈を間違えたのかな~?
もしかして26日の24時ってことなのかな~?と思い、その日の作業などを終えて寝ようとした、深夜1時前。
「『SMOKE』来ましたよ~ん💕 0時54分ですよ~ん🌷」
と、スマホが。
笑っちゃったわ、ギリ、0時ですやん🤣
てことで、この曲はティザー動画のしょっぱなから、笑かしてくれる気満々のようだ。
【歌の歌詞と日本語訳】
作詞:キャンディス・ケリー&ドミトロ・ゴードン
作曲:ディマシュ・クダイベルゲン
(ヴァ―ス1)
Can't stop the heat in my veins,
:血管を走る熱さを止められない
Bad blood is my DNA
:僕のDNAの中にある邪悪な血は
Can't hold me,
:もうおさえられない
Feels like the world is my stage,
:この世界を自分の舞台だと感じるから
And I'm out here making waves for glory.
:栄光の波を起こすためにここにいるから
Run from the rumors ya heard,
:君が聞いた噂からは逃げときな
Don't get too close, baby, you could get burned.
:近づき過ぎると、ベイビー、やけどするからね
Locked, loaded, ready to go-oh-oh-oh-oh.
:ロックして、ロードして、準備完了――――
(コーラス1)
Don't play with the fire, :火遊びはダメだよ
Ready for the smoke. :煙に巻かれる準備をしなよ
Don't play with the fire, :火遊びはダメだよ
Ready for the … :覚悟はいいかい…
(ヴァース2)
I got the ice in my eyes,
:僕には氷みたいに冷たい面があるんだ
'Cause I'm the dangerous kind,
:だって僕は危険なタイプなんだからね
I warned you.
:そう警告したでしょ
My love, it comes with a price,
:愛しい君、そりゃ代償はつきものさ
I am the bullet who'll never miss you.
:僕は君を逃がさない弾丸なんだからね
I love to cross all the lines,
:一線を越えるのが大好きなんだ
Year, that means that I'll double closs you.
:そうさ、つまりいつか君を裏切るってこと
Locked, loaded, ready to go-oh-oh-oh-oh
:ロックして、ロードして、準備完了――――
(コーラス2)
Don't Play with the fire, :火遊びじゃダメなんだよ
Ready for the smoke. :煙に巻かれる準備をするんだ
Don't play with the fire, :火遊びじゃダメだったら
Ready for the … :覚悟はいいかい…
(ブリッジ)
You know I'm not makin' up rules,
:僕がルールを作ったんじゃないんだよね
Because I was born to break them all.
:なぜって僕はそれを全部壊すために生まれたんだからね
It's the only truth that I'll tell you right to your face.
:君に面と向かって言える真実はそれだけなんだよね
Year…
:だろ?
I'm riding out here in these dank streets,
:僕はこのジメジメした街角を走り回って
Robbing you of all your sanity.
:君の正気を全部奪っていくんだ
Revin' up my engine, yeah, 'cause I am ready to go.
:エンジン全開、そうさ、もう準備万端
(コーラス3、3-2)
Don't Play with the fire, :火遊びはダメだって言ったでしょ
Ready for the smoke. :煙に巻かれる覚悟をしなよ
Don't play with the fire, :火遊びはダメだって言ったでしょ
Ready for the … :準備はいいかい…
Don't Play with the fire, :火遊びはダメだって言ったでしょ
Ready for the smoke. :煙に巻かれる覚悟をしなよ
Don't play with the fire, :火遊びはダメだって言ったでしょ
Ready for the … :覚悟はいいかい…
**********
この歌詞は、何が言いたいのか、実はよくわからんのです🤣
この曲は例えるなら、CDに収録された10曲のうち、シングルカットできるほどには一般的ではないけれど、ファンのうち1、2割ぐらいにすごーく偏愛されるタイプかな。
歌詞の内容も、わりと典型的な「ワルぶったキャラ」風なんだけど、それが主題だという気もあまりしない。
それとも単純に、歌詞の中に出てくる「炎」や「煙」を人格化した物語なのかな?
歌詞の中で印象的なのは、 ‟Locked, loaded, ready to go-oh-oh-oh-oh” の部分で、私はこれを「拳銃の安全装置やリロード」ではなく、「PC操作でインターネット接続してる」ってことじゃないかと思ったのだ。
・Locked=Windows Defenderを装ったコンピューター詐欺の常套句
・Loaded=保存されたデータを読み込んで復元すること
なので 、そのへんからの連想として、‟fire" はSNSなどの「炎上」で、‟smoke” は「煙幕=PCのセキュリティ」のことかな、と。
もしかしたら、拳銃とネットのダブルミーニングなのかもしれない。
「炎の物語」だとすると、トリプルミーニングにもなるが。
また、歌詞の中の ‟double closs” という言葉も印象的なのだが、この言葉がティザー動画の中で始まりそうだった「ドンパチ」のイメージを決めたのかもしれない。
この ‟double closs” の ‟closs” という単語にもやはり「裏切る」「騙す」という意味があり、これが「ダブル」なわけだから、2つの敵対するグループに対して、2枚舌を使う「本物の悪人」が両方の陣営に良い話を持ち掛け、両方とも騙して両方から利益を独り占めするという「二重の騙し」のことなのだそうだ。
歌われているのかもしれない「騙し」の内容も、昔からあるコン・ゲーム(信用詐欺)ではなく、悪人がインターネットを駆使して両陣営を騙すような現代的な手口のような気もする。
てことは、ティザー動画でディマシュ演じる赤と白の服を着た2人 (2人いると仮定して) は、どっちも誰かに騙されるのかな?
それともあの素肌に赤いスーツを着たすんごく怪しい風体の男が「2枚舌の悪人」なのか。
てことは、私がすぐに思い描いちゃう20世紀熱血型の「ワル」ではなく、21世紀の、ネットが発達したもっと先の時代にいそうな、ヒンヤリしたサイコパス・タイプの「ワル」を描写してるってことなのかな?
もしかしたら歌詞は、MVの時に重要になるかもしれない。
まあ、MVについては発表を待つことにして。
【バックトラックについて:感想】
さて。
音楽動画がリリースされたのが夜中だったので、TVで見る気はすでになく、お布団のなかにもぐりこみ、自分が持っている中で一番音が良い大昔のイヤホンをスマホに刺して、お知らせからYouTubeの音楽動画に飛んだ。
そして、布団の中でぶっ飛んだ。
うわあっ! これは……
とんでもなく凄いバックトラックだった。
これはまた、ものすごい難しいことをやったもんだ。
以下、そのバックトラックについての感想を述べていこう。
《ヴァース1 ~ コーラス1》
「ヴァース1」ではシンセ・ドラムとシンセ・ベースがまず聴こえてくる。
このあたりまでは普通かな?と思ったし、『ZALYN』みたいな感じかなと思った。
だが、「コーラス1」が始まったあたりで「あれっ?」と思った。
「コーラス1」の最初のあたり、すっごい古ーい感じのキーボードが高音でコードを弾いている。
これがなんとなくだが、1970年代末から1980年代前半あたりに流行った「ポストパンク」や「テクノポップ」の雰囲気に聴こえる。
強いて言えば、トーキングヘッズの『サイコ・キラー』かな?
似てるわけではないけど、この頃のバンドサウンドの作り方を思い出させる感じだ。歌詞の「構成」がちょっと似てたけどね(後で分かります)。
『サイコ・キラー』
トーキング・ヘッズ、1977年の1stアルバム『サイコ・キラー'77』収録曲★YouTube動画:『PSYCHO KILLER - Talking Heads (lyrics & 和訳)トーキングヘッズ「サイコキラー」1977年』 by KTstiletto洋楽和訳 2021/05/18(歌詞ありの動画)
話は『SMOKE』に戻って。
音楽動画の概要欄によると、今回も共同音楽プロデューサーにドミトロ・ゴードンが名を連ねている。前回の『WIGY』でも音楽プロデューサーだった人だ。
この人は、こういう「前世紀の音楽を経験した人間の記憶のフックに音をひっかける」ような音作りが上手いんだなと思う。
これって意外と重要で、でも、決してオタクっぽく「通」ぶっているわけではなくて。
人間は「知っている」と思うと警戒心が薄れて、その情報を取り入れようとして目や耳が開く。なので、割合年配の自分としては、ディマシュのこの曲や、ひとつ前の『WIGY』を、最初から親近感を持って聴くことが出来るわけだ。
ただし、当時の音楽より洗練されていることが前提ではあるけどね。
なので、このあたりで私の耳が「おや?」と思ってしまったのだ。
「コーラス1」の後半、リフレインが始まると、今度はエコーがかかったようなピコピコ音がリフを奏で始めた。
あれー? この感じも凄ーくよく知ってるんだけど、なんだっけ??
ファミコンゲームのチップチューンのようでもあるけど、もっと前に聴いてるような。
もしかして、オーケストラル・マヌーヴァーズ・インザダークの『エノラ・ゲイの悲劇』(1980)かな!??
(←長いバンド名でしょ? でも当時ロックファンはなぜか一瞬で覚えたのよねw 発音したら結構言いやすくてねえ)
★YouTube動画:
『Orchestral Manoeuvres In The Dark - Enola Gay (Official Music Video)』
By Orchestral Manoeuvres In The Dark(公式) 2010/09/21
ただ、当時はこのジャンルの音楽のテンポがものすごく速かったのに比べると、ディマシュのこの『SMOKE』はテンポが遅く、ポップな感じはそれほど強くなく、むしろ前衛音楽のスタイルのようだ。
こういうタイプのバックトラックの制作が難しいのは、各楽器の音が並列に並んでいるからだ。
『WIGY』の時のバックトラックは、ボーカルが主体の曲であるため、各楽器のサウンドのエッジをわざと落としてあったり、いくつかの楽器の音が癒着したような状態になっている。サウンド自体は非常に豪華なのだが、前面に出てくることはなく、はっきりとは聴こえない。「解像度が低い」感じだ。だがそれがボーカルを引き立てているので、聴いている方は楽器の音の状態がさほど気にはならない。
だがこの『SMOKE』は、各楽器の音が独立しており、ともすればボーカルより前面に出て来て存在を主張している。ボーカル自体も楽器と同じ扱いというべきか。ブリッジや最後のコーラス3ー2などは、サウンドの過剰なほどの密度で圧倒される感じだ。
なので、楽器同士の相互関係、各パートの音量や定位の設定などを調整するのは非常に難しかったはずだ。
もしこの曲が普通に4分あったら、ミキシングやマスタリングに2倍以上の時間がかかったかもしれない。(そしてミキサーの気が〇う🤣)
ともかく、さきほど私が思い出した曲のような「過去の残滓」っていうか「過去の音楽的レガシー」の手法を、現在のテクノロジーで再生し、さらに現代的に洗練させて使うことが、ドミトロ氏とディマシュのタッグは上手いんだと思う。
もし私が今若くて、さっき書いたような過去のバンドの音楽を全然知らないでこの曲を聞いたら、単にカッコいい~! ディマシュすげー!と思うだけだったかもしれない。
だが幸か不幸か、私は過去の音楽を結構知ってしまっている。
その私の耳が彼らの作ったこの曲とひとつ前の『WIGY』を聴きながら、過去の音楽のレガシーを連想していると、なんだろうな、過ぎ去った過去の時間と、その中で生き残った人類の遺産としての音楽、そしてそれらを知っている自分の記憶を、彼ら2人からリスペクトされたような感じがして、なんだかとっても温かくて嬉し~い気持ちになるのだ。
《ヴァース2 ~ コーラス2:ドンブラ》
そんな風なことを考えていたら、「ヴァース2」が始まった。そして……
仰天した。
なんと!「ドンブラ」だ!
カザフスタンの伝統的な、リュート系2弦楽器の音だ。
これ弾いてるの、ディマシュでしょ!?
『リバー・オブ・ラブ』の時のドンブラとおんなじ音色だもの!
ドンブラじゃなかったら、ドンブラみたいにボディに大きなサウンドホールのない、「オベーション」などのアコースティックギターだろうか?とも考えた。
でもディマシュは昨年、LAの自宅で、カザフスタンから持ち込んだと思われるドンブラを抱えて写った写真をインスタに投稿したことがある。
これは、あのドンブラの音じゃないかな?と思う。
★kudaibergenov.dimash(公式)のIG、2023年4月1日付
(2ページ目が、ドンブラを抱えたディマシュの写真)
(この2日後には、ドミトロ氏も写っている仲間との集合写真もあった)
「ヴァース2」の最後あたりの、美しい上昇グリッサンド。
そのあとすぐ、タイトルを歌うボーカルのバックで奏でられる、アルペジオのリフ。
超~!カッコいいんですけど!!!!!💖💕🌷🌷🌷
ディマシュのドンブラの音色は、アタックが強くて粒立ちが良く、彼の歌と同様に、意志の強さとイマジネーションの豊かさを感じる音だ。
それを、このドンブラによるアルペジオのリフにも感じる。
この楽器自体が、聴き慣れた6弦のアコースティックギターとは全く違う構造なので、音も奏法も珍しく、見知らぬ世界の音楽を聴いているようだ。
それがこの曲の重要なアクセントになっている。
えー、もっと弾いてほしいな~。
《ブリッジ》
と思ってたら、「ブリッジ」でもチョッパー(スラップ奏法)のベースとユニゾンで、ドンブラがまた演奏し始めた。やったあ💕
ディマシュの演奏、激しいなあ🌷 ウットリ💖
また、「ブリッジ」でのボーカルが、えらい数のオーバーダビング(多重録音)になっている。
しかもシンガーはなんたってディマシュなわけだから、複数の声域のパート、もしかしたら6声(以上の可能性も?)あるのかもしれないが、非常に分厚いコーラスがつけられている。
もう、とーってもゴージャスだ💕
《コーラス3 ~ コーラス3-2 ~ アウトロ》
「コーラス3」の出だしは、あたかもブレイクが入ったかのように、非常に静かに始まる。
実は手前の「ブリッジ」の最後に、悲鳴のような甲高い声でランを歌っている歌声が1声だけある。
凄くうっすらとした小さな声なので、注意して聴いてね。
この「悲鳴」が、一種の句点(「。」)のような役割をしている。
なぜかと言うと、甲高い女性の悲鳴は、世界を一瞬、凍り付かせる効果があるからだ。
曲はここで一瞬凍り付き、ブレイク状態を作ったあと、「コーラス3」はこれまでの曲の盛り上がりを再現し始める。
「拍手」のオーバーダビング、もしくはディレイの数が、コーラスが進むごとに多くなっていて、最後の「コーラス3」ではちょっと人数多くない? 100人ぐらいいなくない? ってぐらいの分量になり、それ自体が「これからクライマックスですよー」と告げている。
しかもシンセ・ベースがすごく小さな音で入ってきて、徐々に大きな音になるので、何かが近づいているような気配も感じる。
さらに後半では、閉じたハイハットを叩いてるのかな?
高くて短い「チッ」という音が各小節の1拍目に加わり、まるで時限爆弾のタイマーが鳴っているかのようだ。
すると、次の「コーラス3-2」で、来た来た来たー!!!
「 アイヤイヤイヤイヤイヤアアア ♪ 」
なんちゅー「合いの手」を(笑)
しかもこんな超絶に難しい、密度の高い前衛的なバックトラックにかぶせて、だよ。
意表を突きまくられて、もう笑うしかなかった🤣
このフレーズも「香港ライブ」の初演では、秘密にしたんだねえ(笑)
この何とも言い難い、お茶目なコントのような「合いの手」の雰囲気が、前半で思い出したトーキングヘッズの曲『サイコ・キラー』の、コーラスで繰り返される歌詞の滑稽さに近くて、そっちでも笑ってしまった。
最後に、まるでオチをつけるかのようなドンブラのリフが、「ハイこれでおしまい!( ‟That's all”)」とつぶやいて、曲が終了した。
てことで、この曲はやはり、笑かす気満々で作られた歌だったようだ。
いえ、これはまあ冗談ですがね(でも意外と本気)🤣
次の項目で、歌を聴きながら妄想した情景や映像を描写してみよう。
【歌を聴いて妄想した映像:炎の物語編】
《ヴァース1》
輪郭の曖昧なシンセ・ベースのボワボワした音が、火事の初期段階、最初の火種がくすぶる様子のようだ。
小さな点のような火が、燃えようか、それともこのまま消えようか、それを逡巡しているかのような、シンセ・ベースのゆるい強弱の揺れが面白い。
《コーラス1》
ここで加わる高音シンセのコード弾きが、燃え易い何かに炎が燃え移ったのかな?と思わせ、薄い煙が立ちのぼる情景を思わせる。
またコーラス1のリフレイン部で聴こえてくるピコピコ音は、小さな火花のはじける音のようだ。
《ヴァース2》
ヴァース2で加わるカザフの民族楽器「ドンブラ」には、大きなサウンドホールがない(切り込みのような小さな穴はある)ので、弦を爪弾く音が、楽器の表板(共鳴板)に直接当たって跳ね返る音を、我々は聴いている。
この「表板から直接跳ね返る音」が、楽器の材料から連想して、木材の表面を舐める小さな炎の細かな揺らめきや、燃える木材から跳ねる火花のようで、とても美しい。
ドンブラの上昇グリッサンドでは、この小さな炎が別の何かに飛び火して、本格的な火事になるだろうと思わせる。
そのすぐあとのドンブラの力強いリフ。
これも、燃え移った炎が勢いよく煙を立ち昇らせる様を見るようだ。
《連想した映画『バックドラフト』》
このあたりで私は、映画『バックドラフト』(米1991年)の中で、主人公の若い消防士と放火犯罪調査官が炎のプロファイリングをする場面を思い出したりした。
映画では、本物の炎を使用して撮影されたため、炎の美しさと恐ろしさが非常によく表現されていた。
あの映画の中で見た、まるで意志を持ったような炎の動きや、渦巻く火焔の妖艶さ、火事がどのように起こり、どのように広がるかといった科学的な知識が、この歌を聴く時のある種の事前情報になっているようだ。
閑話休題。
★YouTube動画:『Backdraft (1991) HD Trailer』
by Filmai 🎬 TV 2024/02/09
《コーラス2》
楽器が増えていき、炎の勢いが増していくように聴こえる。
くすぶる煙は、サウンドの広がりのように、臭いを伴って広がっていっているようだ。
《ブリッジ》
炎の勢いは危険な水準に達しつつある。
煙の量も、そろそろ誰かに気づかれるかもしれない状態だ。
声域のパートが多い分厚いコーラスは、現場のあちらこちらに火花が飛び散って生まれた複数の火種がいっせいに燃え始め、それぞれが自分を主張しているように聴こえる。
女の悲鳴が上がった。
家人の誰かがやっと煙に気づいたようだ。
《コーラス3》
炎は現場の密室の中で酸素を使い切り、いったん下火になる。
しかしその数秒後、どこからか空気が供給された。
(家人がドアを開けたのかもしれない)
パワー全開のサウンドを伴って、炎は再び勢いよく燃え始めた。
あちこちの火種がひとつになり、大きな炎は統一された意志を持って燃え始めた。
《コーラス3-2》
燃える家から避難した家人や近所の人々が、火事に驚いて声を上げる。「アイヤイヤイヤイヤイヤアアア!」
この合いの手が人間の声だとすると、4回出てくるコーラス部で歌われるディマシュの美しいハイトーンヴォカリーズは、もしかしたら炎の意志の声なのだろうか。
最後のコーラス部を聴いていると、徐々に隙間なく詰め込まれていく楽器とヴォーカルと多声コーラスによるサウンド、そして徐々に大きくなっていくサウンド全体の音量によって、まるで真っ黒い煙に巻かれて見当識を失い、そのなかで赤く輝く炎の妖しさに見惚れているような、パニック映画の登場人物になったような錯覚におちいる。
私は、家の外で人々が炎の危険に驚きながら逃げろと叫ぶ声と、家の中で真っ赤な揺らめく炎がここにいてよと誘惑する美しいソプラノの声の、そのどちらを聞くべきか、迷っている。
【クレジット登場】
このあたりまで書いたところで、『Dimash New』がドミトロ氏のインタビューを発表した。
★記事『ドンブラとオペラ・ボーカル - ディマシュの新曲「Smoke」プレミア。音楽プロデューサーのドミトロ・ゴードンへのインタビュー』
by Dimash News
やったー! ホントにドンブラだった💖
記事の最後に記載されていた曲のクレジットが、以下の通り。
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作曲者:ディマシュ・クダイベルゲン
作詞者:キャンディス・ケリー、ドミトロ・ゴードン
プロデューサー:ディマシュ・クダイベルゲン、ドミトロ・ゴードン
ドンブラ:ディマシュ・クダイベルゲン
ミキサー:マイク・ホーナー(Mike Horner)
マスタリング:ディック・ベーサム(Dick Beetham)
制作:ディマシャリ・クリエイティブ・センター LLP
**********
ドンブラ奏者、やっぱりディマシュだった💕
このように、きちんとクレジットが手に入るのは、非常~に嬉しい。
普通、CDであれば制作に関わった人々が山のように記載されているもので、音楽ファン的には、どのCDで誰がギターを弾き、誰がディレクターだったか、スタジオはどこだったのかなどの細かなデータは、アーティストの活動の軌跡を追跡する時に欠かせない情報なのだ。
ディマシュの場合、CDではなく動画やSNSでの音楽リリースなので、クレジットの記載が非常に曖昧でむら気なので、実は非常に困ってしまう。
ホント言うと、もっと詳細なクレジットが欲しいところだが、出してくれないんだから仕方ない。(ギャラの面も関係するので色々めんどくさいのかもしれないのでね)
【ちょっと謎の「パフォーマンス・ビデオ」、リリース】
さらに、なんと!!!
4月27日になって、YouTubeのディマシュ公式に、この曲のダンスビデオがリリースされた。
★YouTube動画:
『Dimash Qudaibergen - 'SMOKE' (PERFORMANCE VIDEO)』
By Dimash Qudaibergen(公式) 2024/04/27
うむ、ディマシュ、ダンスは下手である😂
それなのに、よくがんばった!🌷🌷🌷
1個ぐらい下手なことがあってくれるぐらいがちょうどいいと思うよ😅
ダンスは、真ん中に主役がいて周りをダンサーが取り囲んでいる形式なので、モーリス・ベジャールのボレロをちょっと思い出す。
火種であるディマシュが、周囲で揺らめく焔を煽っている状態を表現した感じかな?
先々月の3月10日~20日という結構長い期間、ディマシュは韓国のソウルにいたので、このダンスの振り付けとビデオの収録を、滞在中だったソウルで行ったのではないかと思う。
でも、ホント言うとディマシュがカッコいいのは、その瞬間にそうしたいからそうするっていう、歌を歌うために自然に出る動きの時なんだけどな。
ただ、人気の拡大ってのは何がきっかけで火がつくか分からないので、何でもやってみるほうが理に適ってはいると思う。
『WIGY』のカウントダウンのあたりから、ディマシュにプロモーション関連の専門家らしい人がついたのかな?とちょっと疑ってるところ。
まだ「入れ知恵」程度ではあるけれど。
で、インスタグラムのほうのディマシュ公式には、以下のようなコメントとともに同じ動画が投稿されていた。
『新曲 “Smoke” のMVのリリース前夜に、ご機嫌なパフォーマンス・ビデオを作ることにしました。みんなが退屈しないように願っています😉』
「退屈しのぎに見てくれ」、と……?
もしかしてディマシュ、自分のダンスについて自覚があって、そのように書いたのかね?
も~う! 可愛いじゃないか(笑)
なので、このパフォーマンス・ビデオの感想は、今回は書かないでおいてあげようと思う。(お察しください🤣)
ディマシュのために弁解すると、過去のNOTE記事『ZHALYN (Flame)』で書いたように、彼の身体は現在主流のR&B系ダンスとは全く違う「ボディ・デザイン」で出来上がっているので、ジャンルが違うだけなのよね😂
【ボーカルについて:書くのを忘れる上手さ】
ディマシュの歌が上手いのはもう周知の事実で、自分的にももう当然のことなので、書くのをついうっかり忘れてしまうところだった😂
この曲も『WIGY』と同様、コーラス部のメロディが非常に頭に残り易い。異常なほどの残り方だ。
それが意外と目立たないのは、ヴァースのメロディも同様に自然で覚えやすく、いわゆる「ポップソング」のようにヴァースが意味不明でコーラスだけすっごい覚えやすいっていう曲ではないからだ。
全体的に非常に自然に各パートに移行するので、それは本当に凄いテクニックなのだが、鳥頭のネット民には、ちぃとばかり難しいのだ😂
もしかしたら今後の曲を、ヴァースを短調で、コーラスを長調で、みたいな「ちぐはぐな構成」にしたら、もっと印象的で吸引力の強い歌になる可能性があるかな?とちょっと思った。
ディマシュの歌声には、そのセンテンスごとの「意味」が隙間なく乗っている。英語は半分くらい聞き取れないが(ディマシュの発音のせいではなく、基本的に誰の歌でも歌詞は聞き取り難い、日本人の日本語の歌も、発音の綺麗なカーペンターズの歌でもだ)、それでも彼が何を表現しようとしているかは、一聴してわかる。
これがまあ、普通では殆ど起きないことなので、ディマシュの歌を聴くのは本当に楽しい。
私がこの曲で一番好きな声の箇所は、歌の最初の1行の最後、‟veins” という単語を歌った時、語尾が高音にひっくり返るところ💖
そしてディマシュの場合、たいていMVよりも曲それ自体の方がクオリティが圧倒的に高い。
今回は特にそれが顕著で、パフォーマンスビデオは3回見て飽きたけど、音楽動画はもうずうーっと聴いている。
それくらい、この曲のバックトラックは凄い。
もちろん歌唱もね🌷
【ディマシュ、4日のブダペスト・ライブ頑張ってね💖】
さあ、5月4日のディマシュの「ブダペスト・ライブ」(in ハンガリー)まで、あとちょっと。
『SMOKE』のMVは、このライブのあとでリリースになるのかな?
「ブダペスト・ライブ」が大成功を収めることをお祈りしています🌷
ライブに参加するdearsの皆さんの旅の安全も、お祈りしています🌷
そんでもって新MVでも、きっちり笑かしてくれることを期待してます、
ディマシュ君💖
(終了)