ディマシュ、子犬をもらい、ジュネーブに旅行するの巻
(Dimash 30)
(6,838文字)
(第1稿:2023年11月7~8日)
【タジー犬、登場】
ディマシュは、カザフスタンのトカエフ大統領から、サイトハウンド系列で狩猟犬種である、カザフスタン原産の「タジー犬」の、白く美しい子犬を贈呈されました。
(Wikipediaでは「タズィ」)
kudaibergenov.dimash(公式)のIGより。現地時間11月5日23時付。
ディマシュの投稿文:
『友達を紹介します。これは僕の新しい友達です。
カシム・ジョマルト・ケメルリー(カザフ大統領)は、この自然の奇跡、グレイハウンドの子犬を僕に与えてくださいました。 @tokayev_online
グレイハウンドは祖先が残した「七つの宝」の一つであり、我が国にとって大切な存在です。
今日、カザフスタンでグレイハウンドの保護と国際レベルでの認知に重点が置かれていることは喜ばしいことです。
なぜなら、このカザフスタンの品種はその自然の美しさ、抑制(控えめさ)によって区別され、僕の意見では、非常に知的だからです。
僕たちの先祖はグレイハウンドを尊敬し、愛していました。
この犬はパオに自由に入ることができたので、パオは清潔だということになります。
「Tazy」という(犬種の)名前はペルシャ語に由来しており、「速い」「器用」を意味します。
このような貴重な贈り物をくださった大統領に感謝します。
僕たちはそのグレイハウンドを「ガリシュカー」(宇宙飛行士)と名付けました。』
(主にGoogle翻訳、インスタグラム翻訳とglosbe translateの翻訳を参考)
子犬をくれたって……
大統領、ディマシュを自分の「孫」と勘違いしとらんか?🤣
【カザフスタンの7つの宝】
ディマシュが投稿文で言及した「7つの宝」について、詳しく解説してくれるdearの投稿がありました。
★dimash_dears_downunderのIGより。11月7日付。
投稿者:
『ディマシュは昨日の彼の美しい新しいTAZYの子犬についての投稿で、この犬種はカザックの祖先の「七つの宝」の一部であることに言及しました。』
若者の勇気、「ジギット」
賢明で高貴な妻
俊足の馬
狩りをするイヌワシ
タジー種の忠実な犬
優れた武器:剣/ライフル
知識を身につけ、賢く冷静な生き方をすること
これが、カザフの「7つの宝」だそうです。
「タジー犬」は明確に、この宝のうちのひとつなのですね。
投稿者:
『カザフの遊牧民の生活は、この7つの宝物で完全で幸せなものになると考えられていました。
さらに、「7」という数字はカザフの民間伝承において大きな意味を持っています。
「7」は幸福と完全性、完全なエネルギー、より高い精神性を表すと考えられていました。
この7つの宝があれば、カザフの若い遊牧民の家族は裕福であり、大きな地位があると考えられていました。それは、一家が充分に養われ(狩猟が盛んで)、家の中は食べ物とごちそうで充分に保たれ、子供たちは家族や伝統を尊重し、家系に名誉をもたらすことを教えられ、一家が守られ繁栄することを意味していました。
このような伝統は、現代でもカザフスタンの生活の至るところに息づいています。家族という単位が尊ばれ、良い扶養と良い教育が重視されます。
多くの点で、これがカザフのコミュニティと国家全体の強みなのです。』
(投稿文、終了)
実は、ディマシュのカバラ数秘術での運命数が「7」です。
「7」は強運を示し、1~9の数字の中で唯一割り切れない数です。
割り切れないから、新たな発見と研究をする旅に出る、そういう数字だそうです。
そして「白い犬」は「神の使い」とも言われ、夢に出て来た場合には、「吉相」となります。
ホントにもうね、ディマシュのまわりにはこういう神秘的な符号がいっぱいです。
【タジー犬とは】
《タジー犬の復元と繁殖》
タジー犬については、「アスタナ・タイムズ」の記事に詳しく載っていたようです。(注:アスタナはカザフスタンの首都)
★dimash_dears_downunderのIGより。11月6日付。
投稿者:
『カザフスタンは13年前、純血種の民族犬タジーの復元、育成、繁殖に乗り出し、ノマド・ナショナル・ハンティング・クラブの設立に至りました。
ノマド・ナショナル・ハンティング・クラブは、公的団体である「国産・希少犬種の復元と繁殖のための連合会」の傘下にあり、2010年11月に活動を開始しました。
1990年代、カザフスタンで伝統的な狩猟用のタジー犬の使用が減少し始め、この犬種の人気と数が減少しました。
1930年代には3,000頭以上いたタジー犬は、2000年には300頭以下にまで減少してしまいます。
これに対してカザフスタンは、志を同じくする人々を集め、純血種のカザフ・タジーの個体数を増やし、悲惨な状況に対する認識を高めるための公的な協会を設立する第一歩を踏み出しました。』
《タジー犬減少の悲しき理由》
タジー犬の急激な減少には、悲しむべき事件があったようです。
狩猟犬として優秀なこの犬種は、かつて飢饉が起こった際には、タジー犬1頭に対して労働用の馬47頭が交換されたという記録が残っているほど貴重な存在でした。
しかし近年になって交通網が発達し、食料の調達が容易になると、狩猟自体が少なくなり、タジー犬の利用価値も下がったため個体数も減少していたようです。
それに追い打ちをかける事件が、1970年台に発生します。
ウィキペディアによると、この頃、「タジー犬がシカやヤマネコを狩り過ぎたせいで、これらを絶滅の危機に追い込んだ」という告発が発生します。
これを受けて、過激な自然保護団体の手によって徹底的なタジー犬排除が行われたそうです。
その中で10軒にも満たない少数の家族がタジー犬を保護して繁殖を行っていたため、種としての命はなんとか存続したそうです。
その数年後、シカやヤマネコの減少は密猟団のしわざで、彼らが使用していた犬種もタジー犬ではなかったことが発覚し、タジー犬の無実が証明されたのでした。
この悲劇のため、この犬種の数はいまだに少なく、「アスタナ・タイムズ」で読んだような手厚い保護によって、やっと頭数が回復しつつあるのだそうです。
また、大統領ご自身が雌のタジー犬を2頭飼っていて、その2頭を連れて朝の散歩をしている写真もあり(注1)、大統領の家で生まれた彼の飼い犬の子犬を人にあげているのだそうです。
大統領は、カザフ国内で絶大な人気を誇るディマシュが飼育することで、このタジー犬が皆に認知され、飼いたいと思う人が増え、結果的にタジー犬の頭数が増えることを望んで、ディマシュに大事な子犬を預けたのでしょう。
(ただしガリシュカー君が大統領の家で生まれた子犬かどうかは不明)
【ディマシュが描いた「マハ犬」】
★dimashofficial_fanclubのIGより。11月6日付。
投稿者
『大統領からの貴重な贈り物、 "宇宙飛行士(ガリシュカー)"タジーによって、ディマシュの描いた "マハ " が現実のものとなりました。』
この「マハ犬」というのは、2018年にディマシュが中国CCTV3の番組にゲスト出演した時、その年が戌年だったので、犬のイラスト描きに挑戦して彼が書いたものです。
そのあまりの「天然な画伯」振りが話題になり、このシュールなイラストの犬は、ディマシュの歌『Give Me love』の原題である『Махаббат бер маған』(マハバット・ビー・マガン)の最初の単語、「愛」をあらわす「マハバット」から「マハ」と名付けられました。
彼のファンであるdears2人の手によって、絵本にもなっています。
ディマシュが新しい「友人」に関する投稿をしたその夜、私、たまたま寝る前に何の気なしにインスタグラムを覗きまして、ディマシュが投稿していたこの白い子犬の写真を見た瞬間、
「なんじゃこのワンコ、生きた『マハ犬』じゃないか!!!」
とびっくり仰天しました。
どうやらみーんな、そう思ったようです(笑)
ディマシュのこの、なんとも嬉しそうな顔。
そして、なんとなく似てるんですよね、このひとりと一匹は。
ウィキペディアによると、タジー犬の性質の特徴は、
「大型犬サイズで、性格は忠実で温和だが少々の自立心があり、主人以外の命令は素直に受け付けない」
この子犬、すでにきちんとした躾を受けていると見受けますが、その行儀の良さの向こう側に、強い自我と自立心、そして血筋がもたらす狩猟犬としての仕事の専門性を感じます。
そういうところが似てると思っちゃうのかな?
【ガリシュカー君のひとりごと。】
(私の完全妄想です、念のため)
こないだ俺んちに、なんか蝋人形みたいな太った眼鏡のおっさんが来て、俺んちの下僕といっしょに俺のこと見ながらなんか話してたのよ。
(以下のIGの4ページ目へGo!)
そしたら、俺だけ急に別のとこに行くことになったらしくてさ。
お別れの時には俺の兄弟がもう泣いて泣いて泣いちゃって、そりゃーもう大変だったの。
俺?
俺は自分がどこに行こうと生きていけるだけの器量を持ってるの、自分で知ってっから大丈夫だけどな。
んで、しばらく自動車に乗せられて、別の家に連れていかれたのな。
車から降りたら、ここどこよ?ってニオイを確かめるヒマもなく家ン中に連れていかれたワケ。
俺が部屋に入ると、中に何人かそこんちの人たちがいてさ。
その中で、一番きれいなガウンを着て、一番若い、ぽよーんとした男が俺のこと見てんの。
俺を連れてきた下僕がそいつのほうに近づくと、その若いぽよーんとした男が椅子からぶわっと立ち上がりやがって。
そいつがまた、俺の想定以上にデカかったワケよ。
こういう、甘やかされてバカでかく育ったガキが、俺たち犬族に何をするか知ってるだろ?
俺はもう、悪い予感で頭がいっぱいになっちまって、要するにビビっちゃったわけ。
わかるだろ? 向こうの手が出るか、足が出るか、みたいな緊張感。
ヤツの気配から俺は足だと思って、ちょっと身構えたのさ。
そしたらそいつ、俺がビビったのに気がついたのかつかなかったのか知らんけど、俺の目の前まで来ると、ひゅんっとしゃがみ込んで、ボソボソ低い声で俺に何か言ったかと思うと、急に、
「握手しよう!」
ってデカい声で言い出して、俺の右の前足を掴みやがったんだ。
俺からしたら、オマエら人間どもの挨拶の風習なんか、知らんっつーの。
でも俺は精一杯平静を装って、ヤツのするままになってたワケさ。
その方が双方にとって何かと安全だからな。
そしたら、そのガキの手が意外と柔らかくてすべすべで、ふーんこいつ、そんなに悪い奴じゃなさそうだな、と思ったのは事実だよ、確かにな。
でも俺にもプライドってもんがあるからさ、無表情をキープして、誇り高き「タジー」の威厳を保ってたんだよ。
でも、俺もちょっと気になってきて、このガキ何考えてるんだろうって、ちらっとそいつの顔を見たワケさ。
すると、そいつの目はそいつの雰囲気とは全然違っていて、なんか歳食って見えたのさ。
あとで聞いたらこいつ29才だっていうから、意外とおっさんだったのな。
で、ヤツの表情を見たら、内心ではあきらかに俺の「タジー」としての威光にメロメロだったけど、態度じたいはしごく平静で、よく人間の女どもがやるように両手を顔の前で組んで「キャー!カワイー!」って悶えるような様子もなく、ちゃんと自制を保ってて、そこはなんかちょっと誇り高きカザフスタンの男同士としてのシンパシーを感じたりしたんだ。
みたいなことを考えていると、ヤツは俺のことを「宇宙飛行士」って呼びやがった。
なんだと!??
ガリシュカーだと!??
俺は宇宙に行く予定も、その気もねえ!
俺はライカじゃねえ!
とかってムカついたけど、ヤツは俺のことずっとそう呼ぶんだ。
さすがにそれが俺の名前だってことにやっと気がついた、その時さ。
ヤツが、ヤツの左手を俺の頭に!
やめろっ!おまえ、殴る気だな俺の頭を!
やめろお、やめ……
ヤツは、殴らなかった。
俺の頭に手を置いただけだった。
けど。
オイコラ、俺の頭を撫でるのやめれ!
(なでなで)
俺は子供じゃない!
こどもじゃ……
(なでなで)
やめろよオイやめ……
(なでなで)
好き🧡
俺はこいつのこと、ちょっと気に入った。
それは確かだ。
だけどな。
こいつ、俺たち犬族の「抱っこ」の仕方、知らねーんじゃねえの?
(冗談ですので許してください、ガリシュカー君)
(ディマシュには謝らないわたくしw)
【ディマシュ、ジュネーブにお出かけ】
このようにして、ディマシュは無事に、このタジー犬、ガリシュカー君の「下僕」になることが出来ましたが、どうやらお出かけのようです。
しばしガリシュカー君とお別れです。
★tanyayang09のIGより。11月6日付。Repost from @berikuali
この写真のディマシュの服装や髪型が、なんとなく仕事関連のための装いのように見えたので、そういう外出かな?と思っておりました。
そして、長距離の外出の間、ディマシュ本人がスマホでガリシュカー君といっしょの写真を見てニタニタしたいがために誰かに撮ってもらったとしか思えない、この3枚の写真(笑)
ついでなのでファンが大アップにした、ディマシュのニタニタ顔の写真集も載せとこう(笑)
★dimash_dears_downunderのIGより。11月6日付。
ディマシュがどこへ行ったかというと、この原稿を楽しく書いていたちょうどその時、ディマシュがインスタグラムに詳細を投稿しました。
ディマシュの投稿文:
『親愛なる友人たち!
昨日の11月6日、僕たちは素晴らしい都市ジュネーブを訪れました。
そこで国連ジュネーブ支部長のタチアナ・ヴァロバヤさんに会いました。
会議の中で、共同プロジェクトの将来について話し合いました。
また、人間の普遍的な価値、平和の思想と相互理解を促進するために、有名なパーソナリティが果たす特別な役割にも留意しました。
僕たちは国家宮殿を訪れ、ジュネーブ図書館と国連公文書館の芸術作品、歴史的文書や品物を知りました。
その後、国連人権高等弁務官事務所と国際移住機関の本部があるウィルソン宮殿で、会議が行われました。
また、ジュネーブの国連のカザフスタン国連代表部を訪問し、スタッフとその家族に面会しました。 イエルラン・アリンバエフ常任代表との会合で、ジュネーブ・プラットフォームでのカザフスタンの優先事項について知りました。』
★YouTube動画:『Dimash's UN visit vlog』 by Dimash Iran 2023/11/08
ジュネーブは、スイスの最西端、レマン湖の南西岸に位置する、チューリッヒに次いで大きなスイス第2の都市です。
ヨーロッパ有数の「世界都市」であり、多数の国際機関がこの地に本部や事務所を置いていて、プライベードバンクの中心地でもあります。
レマン湖を挟んでジュネーブの反対側、湖の最東端には、音楽関連で有名な「モントルー」という都市があります。
ロック・ファン的には、レマン湖と言えば、英ロックバンド、ディープ・パープルの超有名な曲『スモーク・オン・ザ・ウォーター』の歌詞の舞台(実話)になった場所です。
しかもクイーン・ファン的には、この曲の舞台になった燃えたカジノとスタジオがその後「マウンテン・スタジオ」として再建されて一時期クイーンの所有するスタジオになり、レマン湖遊歩道にはフレディの銅像が立っています。
ディマシュ君、クイーン・ファンを自認するならば、もうすぐフレディの命日だし、行っとけ(笑)
ともあれ、6月末のウズベキスタン訪問、今回のスイス訪問と、どうもディマシュは、来年の布石を打っているような雰囲気があります。
そして、ジュネーブ訪問のあとはカザフスタンに帰って、ガリシュカー君と絆を深める時間があるのか、それともこのままLAに帰っちゃうのか、ちょっと気になります。
なにせ現在の全dearsのたったひとつの願いは、
「ディマシュとガリシュカー君が遊んでる『動画』を、はやくアップしてえええええ!」
ですから(笑)
(終了)
【注解】
(注1)トカエフ大統領、犬とお散歩中
以下のIGの写真集の、2枚目がその写真です。
編集の都合上、この投稿の1枚目の写真を該当箇所に持ってくることが出来なかったので、こちらに置いておきます。
またこの投稿文から、カザフスタンにはタジー犬とともにトベットというセントラル・アジア・シェパードに関する保存と繁殖に関する法律があることがわかりました。
(注解、終了)