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【エッセイ】マンションを買えば、愛だけで男が選べる?

「マンションを買えば、愛だけで男が選べる」
20年前に、女性誌・FRaUがマンション購入を取り上げた際のキャッチコピーだ(2005年4月号)。自立志向の女性の間で、当時話題になった。

私は、後輩の女の子に、「どうして家を買おうと思ったのですか?」と聞かれると、半分冗談、半分本気で、このコピーのことを話す。私はこのコピーを見た翌年、小さな中古マンションを買った。

というのも、当時私は、ちょっと変わった人と付き合っていた。年は27歳上。仕事は自営業。出会いはたまたま入ったバーで隣り合わせた。人に説明しにくいバックグラウンドだが、好きだった。親や友達に理解されなくても、一緒にいたいと思っていた。自分の家を持てば、誰に何を言われても、彼と一緒にいられるのではないかと思った。それがマンション購入を後押しした。

マンションを買ってから、私の人生は好転したと思う。
まず、迷いなく仕事に精を出せるようになった。シンプルにローンを返すため、という目的ができたからだと思う。この仕事は本当に自分のやりたいことなのか?自己実現できているのか?などとウジウジしないで、目の前の仕事にまっすぐに取り組めるようになった。結果として、いろいろな面白い仕事ができた。

それから、いろいろとチャレンジできるようになった。もともとは、大学新卒で入社した大企業で定年まで勤めあげようと思っていたが、40代半ばで辞めて、チャレンジングな中小企業に転職した。さらにその数年後にはフリーランスになった。住む家さえあれば、多少収入の増減があっても何とかなると思えた。

当初の目的だった、「愛だけで男を選ぶ」件はどうなったか?
当時の彼と、20年たった今でも一緒にいる。結婚して、子供も生まれた。「マンションを買えば・・・」のコピーは、一面の真理だったと思う。
一方で、女性が経済的に自立すると、未婚率・離婚率が高くなるという話もある。だが私の場合は、そもそもマンション購入を勧めてくれたのが彼だった。私の資産形成、経済的な自立に賛同し、応援してくれた。

今の時代、マンションを買おうとする女性は、20年前よりもずっと増えていると思う。
その場合には、
「女のマンション購入を応援する男が選ばれる」
これも真理なのかもしれない。

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