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VDT症候群に対する理学療法は、伸びしろしかない

パソコン・スマホに向き合う現代人を、ガチで支えたい理学療法士、yokoです。

画面を長時間見ることによって起こる、VDT症候群。

改めて、世の中ではどんな運動指導がなされているのかしら?と論文を検索してみたところ・・・

結論:
日本では、わずか8論文
海外はまだ多いけど、具体的な方法に言及したものは少ない。
内容は筋力強化・ストレッチなどトレーニングに近い。

という結果でございました。

参考にしたのは、こちらの論文


明日 徹 他:産業保健領域で応用できるリハビリテーション技法について: 過去 5 年間(2011 年~2015 年)の文献調査研究,日本職業・災害医学会会誌,2018

オープンソースなので、無料で読める!!

産業医科大学リハビリテーション部の皆さんが行った研究です。
さすが専門大学。

少し前のものですが、過去にどんな方法でVDT症候群についてのリハビリテーション技法における論文があったのかをレビューしてくれている論文です。


検索の結果,日本語 33 件(レビュー 2 件含む),英語 167 件(レビュー 20 件)が抽出された.

日本語論文は抽出論文(全 200 件)の 16.5% で,その多くは,生活習慣病予防に関する論文が多く,産業保健領域で問題となっ ている作業関連性筋骨格障害(腰痛予防含む)に関する 論文は 9% と低い割合であった.
介入研究は全体の 8% で,作業関連性筋骨格障害(腰痛予防含む)に関する論 文は 3% とさらに低い割合であった.


一方,英語論文は 抽出論文の 83.5% で,作業関連性筋骨格障害に関する
(腰痛予防含む)論文は 68.0% と日本語論文と比較して かなり高い割合であった.
介入研究 が全体の 45.5% で,作業関連性筋骨格障害に関する(腰痛予防含む)論文は 36.5% と日本語論文と比較して高い割合であった。
(中略)
介入内容に関して,論文によって負荷量 や頻度の違いはあるが,
筋力トレーニングでは,中等度~ 高強度(1RM の 50~80%)の負荷量で,頻度は 1~2 回/日,2~3 日/週,回数は 10~20 回を 2~3 セットと示 されていた.ただし,ターゲットとする筋で負荷量や頻度が若干異なっていた.
有酸素運動では最大酸素摂取量 の 50~80% までの中等度から高強度の負荷量で,頻度は 2~5 回/週が示されていた
ストレッチでは,10 分~60 分と記載がある程度であった.

通常の理学療法と明記された論文では,具体的な内容まで限局しているものは少なかった

上記論文より引用


ちなみに日本の論文は8本が紹介されていました。

数の多い海外のVDT症候群の運動療法についての論文でさえ、
理学療法となると、どんなことやったか?までは記載してないんですね。

総じて「効果はあった」らしいです。

ちなみに、そこから時間が経った現在でも、具体的な運動方法を明記した論文には早々当たりません。

「体幹筋力強化」「頸部のストレッチ」など、ざっくりした内容が多い。
写真付きの論文にも、まだ出会えていない。

これでは多くの人には広まらないし、具体的な運動を通してでなければ議論に繋がりにくい。
叩くに叩けないですからね。

今、データを集める準備をしているんですが、産業リハのデータって本当集めるのが難しい。
同じ作業している人なんてまずいないから、被験者のマッチングをすることも難しい。
個人差と言われればそれまで。

すごくグレーだけど、それでも、自分なりに答えを出して、具体的な形(すなわち「こんな運動しました」を写真付きで出せるレベル)にしていけば、少なくとも議論にはなります。

広まるきっかけになります。

目の前の職員の反応を見れば
絶対に世に出す必要があるものだと確信しています。

企画書準備
被験者への協力依頼
そして上長の許可

たくさんやることありますが、一歩一歩後悔しないやり方で進めていきたいと思います。

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「✨働く人により良い明日を✨」をテーマに、仕事や身体に関する情報・活動記録を発信をしています。


理学療法士として、エビデンスに基づきながら、私見を作っていくことを大切にしています。


思うところがありましたら、コメントなど頂けると嬉しいです。




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