見出し画像

戦略的に〇〇資本を考える

金木犀が香る10月

10月になりました。あんなに暑かった8月が嘘のように涼しくなりましたね。我が家の庭には金木犀の大木があり、ちょうど満開。近所じゅうに香りのおすそ分けをしています。窓からいい香りがはいってきて、オンラインで働いていてもとても気持ちがいいです。

日本語教師のキャリア資本

さて、キャリアの話です。先週、日本語教師のキャリア資本について、開催中のオンライン講座「新時代を生き抜く 日本語教師のためのキャリアデザイン講座」の中で見えてきた知見をまとめてお伝えしました。

不足する経済資本をどう扱うか

日本語教師の場合、(1)ビジネス資本と(2)社会関係資本は、豊かであることがわかりました。スキル獲得や勉強好きな人が多いですし、日本語教師は女性でパートタイム的な働き方をしている人の割合が高いので、ライフキャリアレインボーを見た場合、仕事に偏重しているというよりも、様々な役割を負っている人が多いと思います。また、日本にいながら様々な国籍の方々、国を超えて勉強や仕事をしたいと希望するモチベーションの高い方々と知り合えるというのも、日本語教師の役得です。そういったことから考えると非常に納得のいく結果でありました。

一方、(3)経済資本の獲得は弱めで、かつ、皆さんそこに不満を持っていました

で、どうするか。

戦略Aは、(3)経済資本の獲得は諦めて、日本語教師の仕事は(1)ビジネス資本と(2)社会関係資本を獲得するものと割り切って、仕事をする。

です。「身も蓋もないよ~💦」 と思われるかもしれませんが、これも立派な戦略であり、無意識でこの戦略をとっている方も実際多い気がします。たとえば、配偶者がいるから経済的に不安定でもやりがいを求めて日本語教師をしているようなケースです。

「いやいや、それは戦略じゃなくて、淘汰の結果だよ」という声も。それも真だと思います。

そうです。戦略Aをよしとする限り、大学の養成講座を終えた若者が日本語教師になる率は高まりません。だって「食べられない職業」だから。

で、どうするか。

戦略Bは、豊かな(1)ビジネス資本と(2)社会関係資本を、(3)経済資本に転換する。

というものです。

どうやって?? それは人ぞれぞれでしょう(そういうことも、オンライン講座では考えていきます)

「なんだよ、それだけかよ」という声が聞こえてきそうですが、こういう戦略を考える余地があるということに気づくこと、それが大事だと思います。

日本語学校というビジネスモデルの危うさ

また、誰からお金をもらうか? について考えることも大事でしょう。

今の日本語学校のビジネスモデルは、主として日本語学校の留学生からお金をもらっていると思いますが、約1000円/時間で28時間/週働く人たちが支払える金額というのは、非常に小さなものであり、人数が少し減っただけで経営の危機に陥ることは、素人でもわかると思います。

そのビジネスモデルに対して、強く文句を言ったところで、待遇改善や(3)経済資本の獲得につながるとも思えません。

業界全体で考えるべきことでもありますが、人生は案外短いので、業界を突っついている間に、私たちはどんどん年を取っていきます。

ステークホルダーを整理して、みなにとってのwinwinが実現できるように、頭を巡らせてみるのも大事なのではないでしょうか。

オンライン講座ではそういうことも皆で話していきたいと思っています。

ではまた来週!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?