第3回:ツアマネの仕事一覧
海外ツアマネの仕事を書き出してみたら、膨大な量になってしまいました。
個別の業務内容について、これから詳しく解説していきたいと思います。
【企画】
①海外公演する演目を決める
②公演時期を決める
③出演者を決める(オーディション等)
※公演団と話し合って決める場合もあれば、公演団の決定に沿って運営のみ任される場合もある。
※①〜③はどれを優先するかによって着手の順序が変わる。
【営業】海外公演に招待されるよう営業する
①営業のための資料を作る(映像編集、リリース等、テクニカルライダー、過去公演のメディア掲載など)
②海外の劇場やフェスティバルなど主催者に営業のアポ入れする
③営業相手に作品を見てもらう
④営業相手と面談して突っ込んだ話をする
※資料は英語で作る
※面談も英語
※英語不可の場合通訳に入ってもらう
【資金調達】
①予算組みをする
②主催者と上演料金額、支払時期他を交渉する
③不足分を資金繰りする(融資、助成金申請、クラウドファンディングなど)
※ツアー実施前に入金される場合もある
【視察】
①会場図面等を取り寄せる
②会場の仕様(舞台寸法、動線等)確認
③会場の防災、衛生基準等の確認
④会場の営業時間を確認
⑤会場へ渡航し視察、打ち合わせ
⑥必要に応じて視察の渡航手配(航空券、宿泊、ビザ等)
【旅の手配】
①航空券購入
②宿泊予約、部屋割など
③日本国内移動手配(全員が同じ地域在住でない場合)
④現地国内移動手配(到着空港と会場の間で陸路移動が必要な場合)
⑤現地市内移動手配(会場⇔ホテル⇔空港)
⑥現地生活情報の調査と対策(ネット環境、電源仕様、治安、水、医療機関、ビジネスアワー、衛生状況、ドレスコード、宗教的タブー等)
⑦旅のしおり作成
【輸送手配】
①装置輸送の制作、梱包
②装置の燻蒸・防炎処理
③装置の国際運送業者への納品、コンテナへ搬入(船便)
④小道具・置き道具・衣装のパッキング、空港への輸送
⑤税関書類(カルネ)の作成
※装置を輸送しない場合は現地の工房などに発注
【演目の準備】
①字幕翻訳手配
②装置を輸送しない場合は現地の工房に発注
③舞台美術デザイナーが作成した装置図面を会場に送る
④装置設営の人員手配
⑤設営での通訳
【ビザ・労働許可】
①招聘状の取り寄せ
②アーティストの経歴などを翻訳・主催者に送付
③ビザ申請書類を書く
④パスポートの回収
⑤日本国内の大使館にビザ申請に行く
⑥日本国内で二国間の社会保障協定適用証明書取得
⑦主催者に労働許可申請を依頼
【契約】
①契約書の締結
②添付書類の作成(テクニカルライダー、図面など)
【広報】
①主催者の広報媒体に掲載用の情報、宣材写真を送付
②公演団のウェブサイト等掲載
③現地取材のアポ入れ(TV、ラジオ、新聞、雑誌、webメディア等)
④取材を受ける
⑤日々SNSで公演準備・当日の様子を発信
⑥掲載記事の収集
⑦場合によってジャーナリストを日本から帯同
⑧取材・記者会見での通訳
【現地運営業務】
①装置の搬入、搬出
②楽屋の運営(ケータリングなど)
③稽古中の食事の調達
④衣装の洗濯、管理
⑤クルーに日当を現地通貨・現金で配る
⑥その他座組のお金の管理
⑦クルーの健康管理
⑧レセプションパーティーの手配
⑨場合によって上演中の字幕オペレーション
⑩台本、DVDなどの物販
※衣装は会場のスタッフが洗濯しておいてくれることもある
※日当は事前にクルー各位に日本円で振り込みしておくことも
【現地での営業】
①来場者(特に現地の業界関係者)への挨拶
②次回公演に向けて商談
③必要に応じて現地文化機関等訪問
④必要に応じて現地日本大使館等訪問
⑤もちろん今回の主催者とも次回また招待してもらえるよう商談
【ツアー終了後】
①装置・大道具の廃棄、保管の手配
②小道具・
③衣装クリーニング
④助成金報告書作成
⑤カルネの返還