駄文
ぶいちゃ民をTwitterで多くフォローしていると、似たような話題がちょくちょくと流れてくることに気がつく。(もっともこれは特定のクラスターによらず発生することだ。)
そのなかでもコミュニケーションについての話題をこの文章のなかでは取り上げる。
ぶいちゃでは多くの種類の人間が活動している。絵を描く者にダンスをする者、音楽に興じる者や動画を撮る者などなど様々な人間が何かしらの表現を行っている。
中には、ぶいちゃをするまではそのような表現をまるでしてこなかった(あるいはできなかった)者が、多様な人間にあてられ驚くような変化を見せる事例も珍しくもなく存在する。
もちろん、ただぶいちゃを楽しむことにおいてそのような表現の術を持つこと、行使することは必須ではないし、表現とは離れた者もたくさんおり各々のやり方でぶいちゃを楽しんでいる。
ところで、ぶいちゃにおけるエンドコンテンツは人だと言う話がある。
なんでもできそうなぶいちゃにおいて、各々の好きなように表現ができる世界であっても、最後にはやはり会話がしたいのだ。
会話はほとんどすべての人間に共通する欲求であり、このために人間は文明を持つに至ったとする話もあるほどだ。
ゆえに先のようにひとまとめにできない人間が集まるぶいちゃでは、コミュニケーションに関する技術を持つ者が明に暗に重宝され、またそのような者になりたいという者も多い。
そのためか、何かの話題のなかでころっとコミュニケーションの話に置き換わり方々に広まることがよくある。
この話題があがるたびに目にする名前がいくつかある。不勉強で申し訳ないが何かの権威だったりするのかもしれない。
ただ自分はそのような者の言葉をあまり信用できずにいる。確かにその話題に関しては同意できる意見も多いにあるのだが、少し遡ってみたりすると本心がどこにあるのか不安のあることもまた多いのだ。
だいたいにおいて、どこの誰とも知らない者の言葉だけに重きを置いてしまうことを賢明とは言い難い。140字の言葉に最適化されたプラットフォーム上であればなおさらだ。
そうは言ってもコミュニケーションに関する技術を磨くには、ではどうすればいいのだろうか。
これはやはり、多くの意見を見聞きし吟味することや、体系的にまとまった資料や長く評価に耐えた言説にあたるといった古今変わらない手法が有効だろうと考えている。
これ以下では私が特に参考になったと思う書籍を紹介する。
なぜ、この人と話をすると楽になるのか
この書籍を含め3冊を紹介するつもりだが、当書をもっとも強くおすすめする。
というのもこういったコミュニケーションについての書籍は山ほどあるが、その多くがビジネスシーンでの活用を想定している。
一方で当書はその先に具体的なメリットが生まれるわけではない、コミュニケーションそのものを目的としてどう考えるべきか動くべきかが書かれている。また、内容は配信で喋っていたものを編集したものとなっており、取っつきやすさの点もあとの二つに比べ高いと思われる。
LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる
当書ではこうしろああしろという直接的な啓発はほとんどなかったかと思う。
ではどのようなことが書いてあるのかといえば、人の話を聴くことでどのような得があったかを様々な人のケースを淡々と紹介している。
紹介する3冊のなかでは正直一番読むのに苦労するかと思う。けれどひたすら様々な事例を紹介することに特化しているため、スキルが磨かれたあとの自分を想像するには優れた導になるだろう。
人を動かす
当書は3冊のなかで一番オーソドックスな啓発本の形態をとっている。
目次を眺めるだけでもどういうことに気を使うべきか確認するにはこと足りるだろう。文体に障るような部分もなく、するすると読めてしまうと思う。
各段では紹介したポイントに気を付けたからこうなった、気を付けられなかったのでこうなったを具体的なケースと共に示している。
様々な場面で活きる技術を網羅的に噛み砕いて示して欲しければ当書は要求に答えるだろう。
以上がこれまで私が読んだ書籍のなかで特におすすめするコミュニケーションに関わる書籍3選だ。
上に挙げた、また挙がらなかったコミュニケーションに関する書籍をまとめるとおおよそ、相手に話させろ、相手に興味を持てという風になる。巷で聞く誰とも知らないアドバイスは、だいたいこれの詳細度を上げ下げしたバラエティに過ぎない。
人の意見に耳を傾けることももちろん大切ではあるが、その善し悪し、自分に合う合わないを判断するための基準をつくるためにもまとまった情報に触れることを強く勧める。
もちろんそれは上で挙げたものでなくとも書籍でなくてもかまわない。
例えば喋りたがりの人もいる、どうしても相手に興味を持てないこともある。そういう場合に上のようなまとめだけを指針とするとうまく合わない。
誰かの結論だけをみていると、では自分にはできない、うまくできないといったことが頻繁に発生する。しかし上で挙げた書籍のなかでは例えば、褒めろ、相手の顔をつぶすな、先入観を味方に付けろなど、こちらが話す場合に役立つ技術にも言及がある。
他人が取捨選択した結論から、自分に真に合う情報がいつも見出だせるとは限らない。あるいは他者の結論から見出だした情報が原典から大きく逸れてしまわないとも限らない。
まずは様々な人の意見に触れて、多くの情報のなかから自分に合うものを身につけてほしいと切に願う。