いつかの初夢
こんな夢を見た。
気がつくと私は友人の家にいた。
この友人というのはなにかあれば会議だと酒をのみ、なにもなくても理由をつけて酒をのむ、今思えばかけがえのない友人だった。
そんなようなのでこの友人の家というのはすっかりなじみの場所だった。
けれどこのときのそこは元来のそれとはまるで違いとても広かった。
私はもう寝ると言ったが、友人はそれを許さず私はそれに従った。部屋の中をざっと見渡すとDJブースを見つけた。私は驚いたが次の瞬間にはその前に立っていた。
よくわからない機械があちこちに並んでいた。しかし電源スイッチが見当たらない。そうこうしていると友人が傍らにやってきて電源はこう入れるのだと何十ものスイッチを押したりひねったりする。
気がつくとあたりは友人の部屋からどこかの町工場に変っていた。
齢は十を越えるかどうかというような子どもが出てきて私に「覚えられそうですか」と問うてきた。私は正直に「難しいですね」と答えた。その子は私の返答に「では出来ませんね」とだけ答えた。
これがこの年の初夢だった。