紐を織る
紐を織っています。まだ拙いですが、紐は紐です。
刺し子した布に合うと思える紐を手芸店で探すのは難しいです。
これもまた私が神経質なのかもしれませんが、ごりごりに手縫いの縫い目が施された布に、機械生産の均一な美しさを持つ紐を巻くと違和感がある。
ならばと革紐を合わせてみると、本当に自分でもどうかと思うんですけど、今度は「農耕with狩猟」というイメージが浮かんできてしまって、革紐にばかり目が行ってしまう。
そんななので、無いなら織ってみようと思い立ち、練習を始めました。織は初めてです。
紐は、腰機(こしばた)という織り方で、たて糸の片方をどこかに(私はテレビ台)固定し、もう片方は自分の腰に巻いた紐に固定して、ぴーんと張って織っています。
織り進める作業以前に、私自身が織機の一部となって糸が張った状態を維持する役割があり、私は道具を使う人であると同時に、道具そのものでもある。今の私は半分織機だと思うと、面倒くさい自分を半分手放しているようでとても良いです。気持ち良いとか心地良いとはちょっと違うんですけれど。続けるうちに合う言葉が見つかるか、もっと違う気持ちになるかもしれません。
腰ひもを外したらあっという間に全部自分に戻るのも良いです。刺し子していた布を机に置いて、すっと別のことをする時と同じ。
「散歩の復路がどこでもドアで一瞬」みたいな感じで。すぐ帰れるから安心して好きにできます。
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