凍結胚移管誓約書。
第一子を授かることのできた病院に一つの凍結胚が眠っている。満を持して迎えに行こう。電話をしてみた。するとお世話になっていた院長は退院し独立開業された、とのこと。しかも藤沢に(現在住んでいるのは横浜。アクセスが良いので藤沢はラッキーな立地)。そして藤沢の病院に電話をかけてみたのでした。早速、数日後に受診の予約を完了。
数年間通っていたIVFの病院。通った場所は武蔵小杉、日本橋、新宿、荻窪と転々としていたけど、通院時はいつもどこかピリついた緊張感と心許無い2つの感情が混在していたなー。そんな懐かしい気持ちを思い起こしながら、藤沢の病院へと向かったのでした。
到着して、お世話になった佐藤先生と久しぶりの再会。開業へのストーリーを聞いたり、子育てと仕事の話を一通りした後、本題へ。
私「わたしは冷たいところで眠っている子を迎えたい一心で。主人は違う見解だったのです(詳しくはこちら)。なのですが、どうにか同意を得ることができて今日に至ります」。
先生「なるほど。海外でもいろんな見解があるんですよ。凍結胚を迎えに行きたいけど、状況的に無理な方は、あえて絶対に着床しないタイミングで戻す方もいらっしゃったり。それが弔いと考える方もいるようです」
ととても興味深い話を教えてくれた。
少し調べてみると、「妊娠しない時期に移植する」「受精卵の供養を行う」「発育を止めた胚を持ち帰る」など、海外含め、凍結卵を廃棄する抵抗感を下げるため「妊娠不可能な時期に移植し、体内でお別れする」「受精卵の供養を行う」「完全に受精卵の発育を止めて自宅に持ち帰る」といった事例もあるとのこと。
(不妊、産む、産まないに向き合うすべての人たちへ。未来をともに育むメディア UMU参照)
私は、受精卵を廃棄することは、絶対にしたくなかったしその選択肢はなかった。ただ、いろんな考え方が存在すると思う。agree or disagreeで多様な意見がいずれも否定されず、否定せずに大切にされるといいなと思う。最近では、「医療や研究開発に役立てる」「受精卵を提供する」という選択肢もあるみたい。なるほどな、と思った。
そんなこんなで、先生との意見交換をして、改めて私は「凍結受精卵を融解し、着床、出産を希望するスタンスである」こと、荻窪の病院にある卵を移管して佐藤先生に戻してもらいたい旨を伝えました。
移管をするのには、卵一つにつき¥11,000かかること、液体窒素を充填することで、マイナス150度以下の極低温状態を保つ特殊な輸送容器で自走移送/移管することも可能(プロにお願いすれば安心安全だが、高価) など具体的な説明をしてもらった。
移管誓約書にサインをして、藤沢から荻窪に送付してもらった。すると、荻窪の病院から連絡があり、一度荻窪の院長と話してもらう必要がある、と。むむむ。一度行って、また移管でも荻窪に行くの、大変にだるいな。丁重に「子供の世話もあるためどうにか郵送で自宅に送ってもらい、どうにか移管時に書類を提出させていただけないだろうか」と懇願。特別に免除いただき、書留着払いで(!!)書類が(無事に?)届いたのでした。(ちょっと「?」もある流れだったけど、ここはスルーしよう)
というわけで、来週、移管を自力でしてこようと思っています。
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トライしてエラーして前進だ。大谷くんおめでとう。ありがとう。