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やめることで、かるくなる

私は今40代前半です。40代、まだまだ迷いは多いですが、すこーしだけ楽になってきました。しかし、振り返ると、私の30代はなかなかに暗黒時代でした。

仕事でも空回りし、会社の人ともうまくいかず、恋愛もさっぱり。 似たような境遇の友達が唯一の心の支えでした。お酒を飲んで、愚痴を言って、傷をなめあって。周囲の人たちは眉をしかめていたかもしれませんが、気の置けない友達との毒はきタイムのおかげで、なんとか生き延びてきました。

体調もひどいものでした。
アトピー持ちの私は、ストレスがたまると右目の周りが真っ赤に腫れ上がりました。首と肩は常にこりこり、足はむくんでぱんぱん。鼻炎もちの頭痛もち。急に高熱を出し倒れる。
改めて思い出すと、不健康の塊ですね。心も体も、ムダなものや汚ないものがずっしり詰まっていたような感じです。そもそも、捨てられない女なのです。

変わり始めのきっかけは、同じくアトピーもちの兄に、脱シャンプーを勧められたことです。
当時兄が読んだ本に、洗剤類は遠ざけるべしと書いてあり、実践してみたとのこと。
脱シャンプーは、髪がベタベタになる地獄の一、二ヶ月を乗り越え、今もまだ継続しています。

それから、当たり前と思っていたいろいろな事をやめ始めました。

ボディーソープ、乳液、オイルクレンジング、パック。体につけるものは最小限に。時折髪と肌に椿油を塗るくらい。

ジェルネイル、まつげエクステ、リップグロス、ほとんどのアクセサリー。特別に装う時だけつけるようになりました。

ブラジャー、ハイヒール、ストッキング。シルクのブラトップ、一度着たらもう戻れません。ハイヒールは客先に行くときだけ。それもかなりのローヒール。

年をとることによる単なるものぐさかもしれません。女子力は確実に下がりました。でも、生命力は上がったと思います。定義のよく分からない女子力より、私は生命力を重要視します。

他にも、会社の人との飲み会を少なくしました。義理の飲み会には行かなくなりました。空気を読んだ残業もやめました。
友達付き合いの頻度も減らし、年賀状の枚数も減らし。
そして、起こるかどうか分からない未来を心配することもやめました。

やめる、というのはクセになります。これまで当たり前にやっていたことをしなくなる。絶対やらなければと強迫観念に駆られていたことが、全くそんなことなかったと気づく。
なんという快感。常識からの脱却。新大陸の発見。ニュータイプの覚醒。

そうして今、かなり軽くなってきました。このままもっと軽くなりたい。そして、どこにもたどり着かなくていいから、高く高く浮かんで、遠くを見てみたい。そんなことを思います。

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