就職か起業か

 梅雨明け目前でしょうか。蝉の声が聞こえる中にも蒸し暑いジメジメした天気。快適さの追求にも磨きがかかるsumidaです。

 さて私、3月に退職し失業給付をうけておりましたが、先週ついにハローワークに開業の意思表示をしました。
 退職したての頃は、キャリアコンサルタントとして組織に所属して経験を積む選択肢も考えたり、さしあたっての収入源を確保するために就業することも考えましたが、キャリアコンサルティングをすることが目的ではなく、看護に携わる人々のwell-beingを実現することが目的なので、そこに照準を合わせて動いていこうと思いました。
 それにしても就職か、起業か…?ここはまずまず悩んだところので、今回はその意思決定過程を綴ろうと思います。


1.既成ではなくオリジナル

 就職か起業か―この意思決定過程で気づいたのが、自分が思いの外「既成」に厳しい基準を持っていたことです。
 例えば、服を買う時は既製品を買いますが、100%自分の思い通りのものと巡りあえることはほとんどありません。どこか妥協し、適応する努力をして使いこなします。自分のこれまでの仕事の仕方もこうでした。
 これもこれで予想外の発見があったりと楽しめる部分もあるのですが、今の自分はそれがネガティブに見えています。妥協したくない。無理して適応したくない。今まで散々そうしてきて感情に蓋をし、自分を好きになれなくなった。また同じことをして後悔したくない、というのが正直な気持ちです。
 したがって、今後の進路は思考ではなく感情で決めようと思いました。思考も感情も多面的でその時々で比重が変わります。でも、感情ほど正直で違和感に気づきやすいものはありません。情報を知った時の感情、話してみた時の感情、考えて想像してみた時の感情…その時々の感情を否定せず、正直に受けとめました。それらを統合した結果、「起業」を選びました。
 もちろん、100%ポジティブな感情でできることばかりではありません。収入の不安、予期せぬ困難に対処することへの不安、事業がターゲットに届けられるかの不安など、細かなことを言いだしたらきりがありません。しかし、それを上回る、看護職みんなで「安心」を創りたい気持ちがあります。  
 看護職に「安心」を創る―これは看護界で23年生きてきて一貫していた願いです。看護の専門化は刻々と進み、壮大な活動やプロとしての質の高さをどんどん求められていますが、看護職自身は日常レベルでも中長期的にも安心ではない状態・状況、いわば足元グラグラ状態で働いている現状が多々あり、自分ももれなくこの中にいました。何とかしたくてもできない歯がゆい経験もたくさんありました。このような経験に動機づけられたからこそ、誰かがやっている既成の事業に沿ってやっていくのではなく、自分の経験に裏打ちされた思いを乗せ、自分軸を曲げずにやっていきたいと思いました。

2.ワーク・ライフ・バランスの制御

 もう1つは、ワーク・ライフ・バランスです。
 自分にとって家族ほど無償で利害関係のない人間関係はなく、家族以外の人間関係にはない特別な感情があります。そういう意味では、家族はものすごく希少価値の高い関係だと思っています。しかし、家族はいつまでも完成形にはならず、現在進行形で変化・成長していくものですし、そうありたいとも思います。したがって自分の役割や意識も変化・成長していけるような自分でいたいし、そこには仕事とのバランスが密接に関係してきます。
 しかし、私はバランスの制御があまり得意ではありません。「自分さえ我慢すればよい」がしぶとく染みついているので、この思考を何とかするよりも、この思考前提でワーク・ライフ・バランスを持続できる道を考えました。それが「起業」です。
 誰かに迷惑や負担をかけるかもしれないと悩むより、全て自分で意思決定し、全ての責任を負う方が自分らしいと感じたのです。

3.終わりに

 まだ開業の意思表示をしただけで、これからやっていくことは山積みです。思考や感情の浮き沈みもきっとあるでしょう。しかし、自分の感情に蓋をせず、正直に進んでいくことがやはり大事だと思います。
納得できる答えは自分の中にある。そう信じています。


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