一期一会の出会い

これは昔から思うことなのですが、家族や旧友、パートナーなど、昔からの付き合いがあり、今後も(恐らく)何度も接するであろう人はいざ知らず、普段ほとんど接触がない人については、一回ごとの対応が大変重みを持ってくる気がします。

普段馴染みのある人であれば、一回ムッとすることがあったり違和感があったりする出来事があっても、今までの長い付き合いで、「いや、それはこういう意味だろう」と分かったり、「たまたま忙しかったからだ」と思えたり、また別の機会に誤解を解くきっかけを得られたりしますが、普段深い付き合いをしない相手ですと、なかなかそれが難しく、一度の配慮を欠いた振る舞いで、その人に対して誤解して勝手に嫌な印象を持つこともあります。

例えば、ぶつかっても謝らなかったり、挨拶しても無視されたり、軽口で暴言を吐いてきたり、言い方が必要以上にキツかったり、SNSやメールで呼び掛けて何の反応もなかったり…

そういうことをされると、そこまで深く根に持つことはなくても、その瞬間はやはり「この人失礼だな」と少なからず感じてしまうのも事実です。

本当は、ただその人は忙しかっただけかもしれない、とても悲しい出来事や辛い出来事があったのかもしれない、具合が悪かったのかもしれない、うっかり忘れていただけかもしれない、もとから無頓着なだけかもしれない…。

でもそれを私は知る術がない。
親しい間柄ならそれを知ることはできますが、ほとんど関わらない相手がどういう状況かは、その人が話してくれない限り知ることは不可能です。

もちろん、絶対に一度限りで、もう二度と会う機会は確実にない、と言いきれれば、それはそれで良いのかもしれませんが、世間は意外と狭いもので、どこかでまた関り合いを持つこともよくあることです。同じコミュニティ内にいれば特に。

人はやはり最終的には、一部の人を除いて感情の生き物だと思いますので、その人に抱く感情の方向性で、「この人だったら少し無理なお願いでも融通を利かせよう」など、対応が違ってくるのは当然だと思います。

ビジネスの場ではそれはできる限り慎むべきではありますが、そうであっても仕方ない面も。

そういう場面で、前に失礼な振る舞いをされていると、何となく、自分の中で「失礼な人」カテゴリーでスタートしてしまうため、うまく関係が築けない可能性もあります。
(もちろん、途中からイメージが変わる可能性も十分にあるのですが…)

そのように考えると、やはりどんな人であっても、その一回一回の関り合いでどのように振る舞うか、どのように接していくか、というのはとても重要になってくると思います。

さらに言えば、先程から「親しい人はいざ知らず」と言っていますが、これも、日頃心を尽くしてお互いに接しているからこそ成り立つものです。
親しいことに甘えて、日頃関係をないがしろにしてしまえば、そのうち積もり積もって関係そのものが解消してしまう可能性も十分にあります。

今の親しい関係性が永遠に続くと言う保証はどこにもないわけですから…。(自分への自戒も込めつつ。)

ですからいずれにしても、どんな人に対しても、一時一時の出会いに感謝して心配りや心尽くしを忘れずに大切にしたいなと、改めて思いました。

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