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市谷の杜 本と活字館、シューティングバー写真まとめ


酒の場とクズリ

あっという間に12月。
今年からぼちぼち始めたnoteも、告知を除いて7記事目。
140文字と4つのメディア投稿に収まらない写真を、ぼちぼち載せてたら今年も終わるのかあ…と思いつついろんなところに行ったなあ~としみじみしている。

今回は、市ヶ谷にある活版印刷の機材や資料を展示している「市谷の杜 本と活字館」にて、館内をのんびりまわりつつ企画展「ようこそ魅惑の書籍用紙の世界」を見学し、
夜はシューティングバー「Shooting Bar EA 吉祥寺」さんにて、ゴールデンカムイに関連したエアガンの射撃を体験してきた。
お店曰く 貴重な資料 二十六年式拳銃の復元説明書ほか、銃剣の現物も見せていただいた。

✨スペシャルサンクス

リキュールがかかったバニラアイスと南部十四年式拳銃

尋さん(@taz_netaba)と一緒に回ってきました!
市ヶ谷のきつい坂道を登ったり、重い銃を持ったりとめちゃくちゃ濃い内容でしたね、いつもありがとうございます🙇‍♂️


市谷の杜 本と活字館 企画展「ようこそ魅惑の書籍用紙の世界」

時計台に降り立つクズリ

大日本印刷株式会社(DNP)の活版印刷から製本にまつわる博物館。
建物は、大正15年にDNPの前身である秀英舎のときに建てられた営業所棟を復元、活用している。
竣工から時計台という愛称で親しまれていたそうだ。

1階は明治から昭和にかけて行われた活版印刷の展示と小さなカフェ、
2階は売店と企画展、印刷体験ができるコーナーがある。
入場は企画展含めすべて無料。

・1階の様子

当時の印刷所の風景を再現しているとのこと
床は当時のタイルデザインの復元版
一部現物のタイルもあった

まず作字するところから始まり、母型をつくったのち鉛の合金で金属の活字をつくる。

手書きで描いたものを最終的に彫刻母型という真鍮の板へおとしこむ。
ずらりと並ぶ活字たち。

その後、この活字たちを1文字ずつ拾い上げ、印刷の形に整える。

植字台。ここで活字を印刷のレイアウトに組み立てていく。
机上の様子。右側にあるのが組み立てた版。字間や行間まですべて金属板で埋め立て、ルビも併せて組み立てたのち、タコ糸で括って固定する。これでようやく1ページ分の版の完成。

空白を埋める金属板は、行間をインテル、字間をクワタというらしい。

平台式活版印刷機。戦前のものとされる

そうしていよいよ印刷にはいる。
版にインクをつけ、圧をかけて印刷する。ここで活字同士で高さが違うなど不揃いが発生すると、薄い紙で嵩を増やしやり直す。気が遠くなりそうな作業だ。

かがり機

無事印刷したものを、かがり機でブロックごとに糸通しし、糸かがり綴じという方法で製本する。やっとこれで本の完成だ。

デジタル印刷が主流な現在も、活版印刷は残っており少々お高めの印刷費がかかる。手をだしてみたいなあ~でもなあ~とのほほんと思っていたが、この工程をみると納得だ。

・2階の様子

エレベーターまたは階段でのぼるとすぐに売店がある。
手軽に箔が押せるキットや、活字の本、綺麗なポストカードなどかなりボリューミーな内容だ。ここでは、限定の本を2冊と同人活動に役立ちそうなキットを購入した。後に掲載する。

隣にはテキンと呼ばれる卓上の活版印刷機でしおりにワンポイントを印刷できる体験コーナーがあった。

テキン

上部の円盤には赤いインクが塗られている。
これを右側のレバーを下げることによって、中央に見えるローラーが円盤の上にあがりインクをとる。
レバーをもどすとローラーが下がって画像からは見えないが機械内部にある版にインクを塗る。再度レバーをしっかり下までさげると、版と黄色の土台に挟んだしおり紙が圧着し印刷される。
小さい機械ではあるが、結構力がいる作業だった。
インクは乾きにくい性質で、完全に乾ききるには3日間かかるそうだ。
出来上がったしおりはビニールの袋にいれてくれるので安心。

さて、今回のメイン目的は企画展!
60種もの紙を触りながら、手に取り見本帳として持ち帰ることができる。
同人活動をする人、それらの本を愛好する人たちにとっては天国のような場所だ。

1種類ずつ紙が積んであり、1枚1枚とっていく。表紙や裏表紙も用意されている。

キンマリやアラベールホワイトなど、どこかで聞いたことのある紙たちがずらっと並んでおり、1枚1枚とるのが少し大変だが触り心地や色味を眺めるうちにだんだん楽しくなってくる。
手に取った紙束は、最終的に天糊製本してもらい完成。
その他にも、紙の種類、縦目横目など解説が掲載されており、これが無料なのか心配になるレベルだった。

・1階カフェ

ひと休憩。
施設内のテラスやロッカーがあるスペースで飲食できる。

それぞれ印刷にちなんだ名前になっており、企画展限定のメニューもあった。

企画展限定ドリンク左から「泡クリームマシュマロ Y目」、「泡クリームミルク T目」。バウムクーヘンとのセットで400円。ものすごくリーズナブル。クズリは食べ物ではありません

私は泡クリームマシュマロ Y目(よこめ)をいただいた。
ホワイトチョコミルクにマシュマロがトッピングされて見た目がかわいい。
味は糖分の暴力の一言。ブラックフライデーセールで買い物にあけくれ睡眠不足でなにも食べてこなかった上に、市ヶ谷のきつい坂を上ってヘトヘトなオタクの脳を直接しばきにくる。疲れてる時に飲むとめちゃくちゃおいしい。

泡クリームミルク T目(たてめ)は、デカフェの甘さ控えめのミルクティー。
バウムクーヘンとあわせるならこれがちょうどいいと思う。
ほかにも、企画展のキャラクターがプリントされたカプチーノや、にかわをイメージしたドリンクなど様々あった。

内容がとにかく濃いので、ロッカー(無料)で荷物を預けてゆっくり回るのがオススメ。ただし数が少ないので平日に来るのがベスト。

ロッカー。大きいサイズもあった

なお、この施設はVRツアーやデジタルライブラリーがあり、いつでも気軽に展示をみることができる。ぜひ覗いてみてほしい。

市ヶ谷のおみやげ

企画展の書籍用紙見本帳、体験で作ったしおり
売店で購入したもの

左から明朝初号活字見本帳、日米会話手帳、編集アシストセット

・明朝初号活字見本帳
昭和初期に発刊された秀英体の見本帳の復刻版。
冊子は施設限定品とのこと、デジタルライブラリーで全文公開されている。

・日米会話手帳
戦後、最初に企画された出版物でありミリオンセラーの復刻版。
玉音放送後、これからは米国人との会話が必要であるとすぐに企画され、翌月には発刊された。英語に近いカタカナ発音で日常会話や道を尋ねるなど様々記載されている。
見ているだけでその当時の力強さを感じ、思わず手に取った。

・編集アシストセット
これ同人作家みんな欲しいやつだこれ。とサッと買ったもの。
カラーチャートやフォントサイズ、解像度別の印刷結果、面付けなどなど詰まった贅沢セット。どこでも購入できるようだが、せっかくなので買ってみた。

Shooting Bar EA 吉祥寺

市ヶ谷で想像以上に濃度の高い展示をみて、施設をでたときには日が傾いていた。
寒さが厳しくなるのを感じつつ次の場所に向かった。
吉祥寺駅から10分弱歩いたところにある、シューティングバー「Shooting Bar EA 吉祥寺」さん。

入口前の看板。階段を上って二階にある。

以前ゴールデンカムイのファンがTwitterで三八撃ってきた!という投稿をよく見かけたが、ついに私も体験するときがきたか〜
シューティングバーなるものが未知の領域であったため、緊張しながら入店。

入店しカウンター席に座ると、一通りメニューの説明をうけたのち、射撃体験の注意事項と記名をした。
ドリンクは銃をイメージしたカクテルがあり、ノンアルコールもあった。
ライフルとハンドガンを1丁ずつの体験とドリンクのセットを注文した。

ナッツと燻製チーズ。味噌をつけて食べる。これがめちゃくちゃクセになる味でおいしかった。
銃をイメージしたカクテル。左がノンアルコール(名前を忘れてしまった…)、右が三八式歩兵銃イメージ。

三八式歩兵銃カクテルは、ヨーグルトリキュールとミルクを炭酸で混ぜた白いドリンクに、明治うまれの赤玉スイートワインをシャーベットにして浮べ、日の丸をイメージしているそう。
とてもすっきりした味で、シャーベットを溶かしながら飲むとシャリシャリしておいしい。何杯でも飲めてしまいそうだった。

店内には大量の銃が飾られ、店員のかたも当然銃の知識が豊富でいろいろと教えてくれる。
射撃体験する銃を選びつつ、ごはんも注文。

ナポリタンとクリームパスタ。バーで鉄板は初めて見た。
クリームパスタはやさしい味とモチモチ食感で食べやすく、逆にナポリタンは味がつよいのをチーズやたまごを絡めて食べるとおいしく、酒が進む味だった。
バーのメニューは軽食が多く、飲み物特化というイメージだったが、ご飯クオリティ高いな…と感心しながらペロっと食べた。

食事を楽しんでいるさなか、どんどんカウンターに銃が置かれていく。

「はい、これどうぞ」とポンポン置かれる銃たち。トリガー以外は触り放題。リボルバーの部分も動かせる

ゴールデンカムイファンの来店も多いのか、使用銃もしっかり把握しており、例えば「月島が尾形からとった銃って…」というと「江渡貝くんのところね」と言って次の瞬間にものが置かれている。

鶴見中尉のポーチャードピストル、土方のウィンチェスターなどなど、どんどん出てくる銃たち。貴重なモデルガンも多いと言っているが回転寿司のような提供速度に目が回りながらとりあえず触っていく。

「はい、これ銃剣。本物です」

本物!?

当時の銃剣を素手で触る時がこようとは。
やっぱり渡し方が回転寿司。たまご一皿もってきたテンションで銃剣を手渡してくる。
もちろん、刀身はおられており鞘が外れないように固定されている。
鞘が緑っぽいのは、これが自衛隊の駐屯地で緑色に塗装されていた状態で見つかったからだそうだ。

実際に手に持ってみないと気付かないギミックや、質感に来てよかった…と噛みしめ、いよいよ射撃体験へ。

三八式歩兵銃のエアガン

カウンターのすぐ後ろにある射撃ルームに案内され、ゴーグルを装着すると撃ち方を丁寧に教えてくれる。
その後スタッフはすぐに退出するので、自分の好きなタイミングで自由に撃つことができる。
持ってみるとズッシリ重く、まず構えるのが難しい。
やっとのことで持ち上げて引き金を引くと、BB弾が射出された音がなるが、7m先の紙のマトにあたったかどうかまったく見えない。あとものすごく跳弾してたまにこちらに向かってくる。
作中と同じようにレバーをガチャガチャ動かしてまた撃つ動作が楽しい。
あっという間に撃ち終わると、席に戻る頃には次の飲み物を用意してくれていた。なにこれすごく楽しい。

鯉登の使用した二十六年式拳銃は、残念ながら試射することはできなかったが、触らせてもらった。

装填するときはこんな感じ

すると、「こっちのがレアかもしれないです」と弾と説明書を出してくれた。
モデルガンのメーカーが、昭和15年に増刷した実物の取扱説明書を復刻して作ったものだそうだ。

二十六年式拳銃とクズリ。ドヤ顔をしている

お次はハンドガンの射撃。
月島の十四年式拳銃(の後継型?)。

「両手で構えて撃つのがスタンダードですけど、半身で撃つのもかっこいいですよ」と店員さんのアドバイスも貰いつつ、やってみると全くマトに当たらない。
思い切って尾形を狙う月島のように連射してみると意外とこちらのほうが安定して当たった。

またもやホクホクと席に戻ると
メニューに載ってない銃もあるんですと裏?メニューを教えてもらい、さっそく注文してみた。

それがこちらの「リアルに近い三八式歩兵銃」

先ほどのエアガンの三八式歩兵銃とは異なり、空砲ではあるが装填が本物同様に体験できる。

弾をセットして親指でグッと押し込める!この動作をやってみたかった

レバーを引く力がエアガン版より強くひかないとうまくいかないし、とにかく重い。試しに尾形と同じような構えをしてみたが、肘がプルプルしてダメだった。

せっかくだからと、ボルトと底板を抜いてみせてくれた。
ワンタッチであっという間に取れてしまい、心配になる手軽さで、抜くときの方法も教えてくれて解像度がより深まった。

着剣もしてみせてくれた。全長167センチ。
月島の身長もだいたいそれくらいだろうか。

後ろのボロボロのマトはNIGHTMAREのNi〜yaが試射したときのものだそう。写ってないけど左上にサインがあった

銃を眺めながら、ショットガンというかっこいいお酒をのみつつ
〆のデザートを注文。

度数がノンアルコールから90%まで幅広い。左がノンアルコールで、右が一番強いスピリタス。炭酸で割り、グラスを叩きつけて飲む作法だそう。実際に叩きつけると泡があふれて机が悲惨なことになったが、とてもおいしかった。
バニラアイスにノンアルまたはアルコールのリキュールをかけて食べる。左がカシスで右がラム。思ったより大きいサイズが出てきて食べ応えがある。

最後に十四年式拳銃と二十六年式拳銃、イヌとクズリを並べてを撮影していると、のんびり一服していた厨房係?のお兄さんが「はじめちゃん!うちのはじめちゃん見てっ」と突然グッズをもって机に並べだした。

ランボーもあるの💚と乙女なお兄さんの月島グッズに囲まれるクズリたち

筋肉が好きで!はじめちゃんをよろしくねえ💚と逆に布教されるオタク。
最後の最後まで楽しめた満足度の高いバーだった。
店名の紹介や写真撮影も快くOKしてくださった。ありがとうございます。

平日に訪れたが、次から次へ人がやってきたので行く際は予約をしっかりとってからが確実かもしれない。
以前ゴールデンカムイファンによる貸し切りもやったことがあるそうなので、オフ会にもよさそう。

ただバーのためタバコの匂いが強く、人が少ない際はカウンターにいる店員さんもまったり一服する。そのゆるさがいいところではあるものの、大丈夫な人は強くオススメしたいお店。


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