江戸の贅沢病(ぜいたくびょう)カッケ(その2 全3回)
でも、その病気は不思議だったんだ。なんでってね、参勤交代で江戸に長くいた人たちの中にはこの病気にかかった人が多くいたんだけれど、お勤めを終えて田舎の自分の村へ帰って行くと不思議と治ってしまったんだ。江戸にいるから贅沢病だったんだなんて思われていたんだ。
この、贅沢病が庶民にまで広がってしまったのはね、8代将軍吉宗のころだというんだよ。吉宗は、大岡越前守忠相を町奉行に抜擢して重用したんだね。重用って国のお仕事をお手伝いすることをいうんだよ。
特にね、『米将軍』って呼ばれていたほど有名人だよ。お米が沢山取れて庶民たちもおいしいご飯が食べられるようにと考えてくれたんだ。これまでは、一日に二回ご飯を食べていたのを、朝昼晩と三回にしたのさ。今までは玄米や雑穀に菜っ葉なんかを入れて食べていたのを、ヌカをきれいに取って真っ白なご飯を食べるようになっていったんだ。庶民は白いご飯を食べるようになったよ。白いご飯はそれだけでおいしいし、お金もちょっと高かったからおかずをあんまり食べなかったんだ。たくあん二切れとかですませていたんだって。
ところがそうしていたらカッケの病気が増えていってしまったんだよ。
今日はここまで、読んでくれてありがとう!明日はいよいよカッケの秘密がわかるよ!お楽しみに!お休み、ポン!