蓮如(れんにょ)とかわその名刀(その2 全3回)
「こいつ、子どもを川ん中に引き込むんじゃあ」
「釣った魚を持ってったぞ」
かわそを瓦の上にほおり投げるとみなで石をぶつけたり棒で打ったりしていたんだ。そこへちょうど蓮如様がお通りになったんだ。
「そのかわそを離してやりなされ。さあ、かわそよ、聞くが良い」
村人たちは蓮如様が そういうのでしぶしぶかわそから離れていったんだ。かわそは話が分かるのかちょこんと座ると、ちゃんと話を聞いていたようだったんだよ。蓮如様が川の流れを指さして
「さあ、行くが良い」
そういうとひょこっとおじぎまでして川の流れへと飛び込んでいったんだ。
その日の夜のことだったよ。蓮如様のお部屋の雨戸をコトコト叩く者があったんだ。だれぞやと戸を開けて見るとね、そこにはかわそがちょこんと立っていて、手にはピチピチ尻尾を振りたてている魚があったんだ。
「おお、昼間のかわそか。お礼を持ってきてくれたのだね。ありがとう。礼などはいらぬのだよ。さあ、魚を川へ返しておやり」
かわそはね、蓮如様を見上げると、くるりと川のほうへと帰って行ったんだ。
今日はここまで、読んでくれてありがとう!鶴の恩返しとかみたいだね!お休み、ポン!
#日本史 #室町時代 #蓮如