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苧引形兜(おびきがたかぶと)城(その2 全3回)

ある日、その日も、直寄はどうしたものかと歩き回っていたよ。すると目の前に一匹の白いきつねがどこからともなく現れた。美しいきつねさ。口にはからむしをくわえている。そうして静かに直寄をじっと見つめている。からむしとはね、背の高さくらいまで伸びる植物のことでね、その茎の皮を繊維せんいとして使って、『ちぢみおり』なんていうのができたんだ。
「はて、この白きつねは、わしに何かを言いたいらしい」
白きつねはからむしの枝を雪の上にちょいとさすと、ゆっくりと歩き出したんだ。直寄はその後をつけて行った。
「これは、縄張りではないか。ここを本丸にというんだな。ほお、こちらが二の丸か、三の丸か、どこまで行くか。おお、こちらが大手門、こちらが搦手門からめてもんとするか・・・」
白きつねはなおよりを振り返ってみては縄張りを続けていったんだ。
縄張りとはね、どこに何を、どのくらいの大きさで作るかっていう場所決めをしていくことをいうんだよ。長い時間をかけて歩いていたからね。直寄は白きつねの後を追いながら、
家来に何かエサとなるものを持ってくるようにと言っていたんだ。御礼をしたかったんだね。
直寄は早速さっそくこの白きつねが描いた縄張りを元にお城の設計を完成させたんだ。

今日はここまで、読んでくれてありがとう!きつねの行動を参考にして城を建てるなんて何だかロマンチックだね!お休み、ポン!

#日本史 #戦国時代 #堀直寄 #長岡城

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