キツネに守られた尾曳城(おびきじょう)と石田三成 その2(全4回)


戦国時代の有名人がいっぱい攻めてきたが、なかなか降参しない。
「こんな田舎の小城をまだ落とせぬのか。この三成(みつなり)の名が廃る(すたる)わい。」 
石田三成はね、イライラしながら家来に聞いたよ。館林城の南条(なんじょう)城主は家来だって武器だって火薬だって豊臣軍の三成たちよりか、ずっとずっと少なかった。なのに家来たち皆で頑張っていたから、なかなか降参しなかったんだ。 
「はい、田舎城ではございますが、何しろ足元が泥田と沼にございます。馬も家来も足を取られて攻めかかれないのです。やっと城に近寄りますと、矢を射こまれるのでございます。」 
「ならば、容易き(たやすき)ことよ。板木(いたぎ)を敷くのだ。板木をな敷いて木道(きみち)をつくるのだ。」 
石田三成は、こうアドバイスをすると、明日は総攻撃して落とせるぞと思ったんだ。家来たちは早速お城までの木道を二筋も作ったよ。ぬかるんだ地面に平らな木の板を敷いていって、道を作ったんだ。 
 
けれども、次の日の朝早くのことだよ。 
「大変でございます。板木の木道が消えてなくなってございます。はい、夜中も見張りをたてておりましたから、猫一匹も近寄ってはおりません。」 
ってあわてて家来が石田三成のもとへ飛び込んで来たんだ。 
「な、なんと」 
石田三成は慌てて外へ飛び出して行ったよ。確かに板木の木道はきれいになくなっていた。そこには前と同じような泥田がぬらぬらと続いていた。 
「うーむ。これは、、、」 

今日はここまで、また明日。ポン!

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