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蓮如(れんにょ)とかわその名刀(その3 全3回)

そして、次の夜もことことと雨戸を叩く者があった。蓮如様がを開けて見ると、そこにはクリの木の皮にくるまれた短刀が一振り置いてあったんだ。月明りの中かわその後ろ姿が遠くに見えたんだよ。蓮如様がその短刀を開いて見るとハセベクニシゲという名前がってあったんだ。
「ほお、これはすばらしき名刀よ」
名刀ってね、刀にそれを作った人の名前が彫られてあってね、とても良く切れてじょうぶな刀のことをいうんだよ。そしてこの刀はお寺の宝物となっていったんだ。
そうして100年ほどたって、この国を前田のお殿様が納めるようになった時のことさ。この時のお坊さんはね、せっかくの名刀だからお殿様にプレゼントしようと思って献上けんじょうしたんだ。
そしたらね、その名刀はお殿様の所から戻ってきちゃった。
「たいそうすばらしき名刀であった。この地に住むかわそにはりっぱな者がおるようで愉快ゆかいじゃ。これは寺の宝とするが良い」
とあってね、その短刀は金の織物のさやに納められていて、きれいな木箱に入れられてあったんだ。その木箱には前田のお殿さまの紋が打ってあったんだって。
今でもね、毎年4月の蓮如様の命日に行われる法事ほうじの『蓮如忌』でこの名刀を見ることができるんだってよ。
 
最後まで読んでくれてありがとう、ポン!
 
#日本史 #室町時代 #蓮如


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