ねずみときよしこの夜(その2 全3回)
お昼には、男の子と女の子6人ずつの聖歌隊を集めるとギター伴奏で練習を始めたんだ。
そうして、いよいよミサの時間がやってきたよ。冷たく澄み切った空気、
降るような星空の元、町の人々が教会へと集まってきた。教会の中では大小何百ものロウソクが聖なる像を照らしていたよ。
厳かに神父様のお話が終わったんだよ。
「アーメン」
みな熱心に祈りを捧げたよ。
モールとグルーバーが、12人の聖歌隊と静かに現れたんだ。グルーバーはギターをかかえていたよ。前奏が静かにつまびかれていった、聖歌隊の透明な声がそれに重なっていったよ。
ゆうきこう作詞
Fグルーバー作曲
きよしこの夜
星は光
救いの御子は
み母の胸に
眠りたもう
夢やすく
きよしこの夜
みつげうけし
ひつじかいらは
御子のみ前に
ぬかづきぬ
かしこみて
ドイツ語の原詩対訳
対訳 あきおかよう
しずけき夜、聖なる夜、
みな寝静まり、ただ起きているのは、
いつくしみあう、せいふうふだけ。
かわいい、巻きげの、おさなごよ、
おやすみ、天のやすらぎのうちに。
おやすみ、天の安らぎのうちに。
教会に集まった人々は聖なる賛美歌がオルガンではなくて、ギターで伴奏されたことをびっくりしていたんだ。でも、それは初めて聞く美しい賛美歌だったんだ。でもね、それには何か事情があるんだろうと思ったよ。みんな美しい聖歌隊の声を聞いていたよ。清らかに厳かに歌われたその曲はみんなの胸の中にしみいったんだ。そうしてイブの夜は静かにふけていったよ。
今日はここまで、読んでくれてありがとう!いよいよ明日は最終回!お休み、ポン!