永代橋崩落(えいたいばしほうらく)(その2 全3回)
深川の町の人たちも、早い時期から山車やねりもの作りに一所懸命だったよ。江戸っ子たちもどんな山車やねりものが出るのかを楽しみにしていたんだ。町中活気に溢れていたよ。
朝早くから、元気のいい男衆がやって来たよ。晴着を着た娘や子供たちも来たよ。
そうれっと、にぎやかに富岡八幡宮から三つのおみこしがかつぎだされて来たよ。真ん中が八幡人、左右が伊勢大神宮、天照大神と春日明神さ。
おおみこしなんでかつぎては百人もいたよ。久しぶりの深川祭だったからね、江戸市中からは大勢がやって来たよ。時間を追うごとに永代橋は大混雑となっちゃったよ。
ところがだよ。
永代橋の番人が突然、橋の両側に綱を張って通行止めにしちゃったんだ。
なんでって、御三卿の徳川斉敦を乗せた船が橋の下を通るので無礼がないようにとの配慮からだったんだ。
こうして、お祭に来た人たちは橋の手前で一時間くらいも足止めされちゃった。
「まだかぁ、早く通せ」
「何やってんだ、早く通せ」
みんないらいら、いらいらの最高潮。橋の手前は大勢で膨れ上がっちゃった。そして、やっと通行止めがとかれたんだ。
「よっしゃ、祭だ、祭だ」
「早くいけ、早くしろ」
大勢の人たちが深川へ向かって橋の中へと走りこんでったよ。橋の中は人でぎゅう詰めだった。
その時だったよ。
今日はここまで、読んでくれてありがとう!いよいよ明日は最終回!お休み、ポン!