呪われた松本城 その3(全5回)
「これじゃわし等は食べるもんがなくって死んでしまうでなぁ」
村人たちは大人も子供も大手門の前に筵旗を持って集まっていったんだよ。
村人たちは大勢きたからね。大きなお城をぐるりと何重にも取り囲んで、
「お願いします!年貢米は5斗ずり2斗5升でお願いします。」
「わしらは食べるもんがなくって死んでしまいます」
大声で頼んでいたんだよ。
水野のお殿様は「皆の者の願いの筋は聞き遂げた。」って村人たちの前で約束をして見せたけれど、それは嘘だったんだよ。村人たちを返したあと、その代表者だった人たちを夜中にとらえてしまったんだよ。
1686年(貞享3年)11月22日、城山勢高(せいたか)の刑場で18人もの男の人たちが磔になってしまったんだよ。楡村の善兵衛さん、中萱村の加助さん、大妻村の作兵衛さん、氷室村の半之助さん、4人とこの人たちの弟やほんの小さな子供たち14人。まるで加助さんの子供はね、伝八くんと三造くん。まだまだ小っちゃい男の子だったって。
磔台の上で子供たちは、お母ちゃぁん、お父ちゃぁん、おっかねぇよ。って泣いてたよ。
今日はここまで。さあ、お休み。