宝剣のありか その1(全3回)


今日はね、古事記(こじき)の中より天岩戸(あまのいわと)の続きだよ。古事記とは日本書紀と並んで日本で初めて奈良時代に書かれた物語の事だったよね。

ポンと昔々の大昔。素戔嗚尊(すさのおのみこと)は神さまの国、高天原(たかまがはら)で、さんざんに、いたずらをしたものですから、お姉さまの天照大神(あまてらすおおみかみ)をすっかり怒らせてしまいました。そして、そのいたずらの罰として、高天原から追い出されてしまい、この地上の出雲の国へとやってきたのです。

素戔嗚尊(すさのおのみこと)は、これからどうしたものかと考えながら、そこらを歩いておりますと、大きなお屋敷がありました。近づいてみますと、庭先で美しい娘と年老いた夫婦がおいおいと泣いているではありませんか。
「どうした、何を泣いているのじゃ?」
素戔嗚尊(すさのおのみこと)は訪ねてみますと、三人はビックリして素戔嗚尊を見上げました。そこには見たことのない大男が立っていたので、恐ろしくなり、胸がドキンドキンとなりました。年老いた男が勇気を出して答えます。
「ワシは、この国を治める国つ神(くにつかみ)で、こちらは娘の奇稲田姫(くしなだひめ)です。実はこの近くに八岐大蛇(やまたのおろち)という恐ろしい怪物がいまして、毎年ここにやって来ては、娘を一人づつ食べていくのです。ワシには8人の娘がありましたが、この子が8人目の最後の娘、奇稲田姫(くしなだひめ)なのです。まもなく、その分かれ時が来るかと思うと、悲しゅうて、別れを惜しんでいたのです。」

今日はここまで。
続きは、また明日だよ。
ポン!

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