呪われた松本城 その4(全5回)



磔台の上で子供たちは、お母ちゃぁん、お父ちゃぁん、おっかねぇよ。って泣いてたよ。
加助さんたちは、「さては官吏どもたばかりしか。うーむ、騙したな」っと血走る憎悪の目で松本城を睨んで「5斗摺り2斗5升、2斗5升。5升5升、、、」と磔台場に絶叫しながら恐ろしい呪いの言葉も言いながら死んでいったんだって。

この時松本城がメリメリと音を立てて西南に傾いたというんだよ。

しかもね、加助さんの怒りはこれだけでは収まらなかったんだ。この後400年、お殿様になった水野忠恒(ただつね)をおかしくしてしまったんだよ。1725年(享保10年)7月21日、こともあろうに江戸城に行っていた時にね、殿中松の廊下で突然長府城主の毛利師就(もろなり)という人に刀で切り付けてしまったんだよ。加助さんに見えたん
だって。加助さんの亡霊が出たんだよ。こんなことしちゃったから徳川のお殿様からね、家族も家来たちも全員烏城からも追い出されてしまったんだ。もう徳川の家来にはなれなくなってしまったんだよ。
烏城はね、それからもずっと傾き続けていったんだよ。

今日はここか。さあ、お休み。

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