安珍と大蛇になった清姫 その2(全3回)
ポン! 昨日の続きじゃ。
清姫(きよひめ)に対して、3日後また寄ると約束した、安珍(あんちん)。
安珍はあくる朝早く、逃げるようにして熊野権現(くまのごんげん)さまに急いだんじゃよ。安珍はな清姫さんをお嫁さんにはしたくはなかったんじゃな。
清姫は三日後会いに来てくれると約束してくれたんでな。嬉しゅうて嬉しゅうて夢心地で待っておったんじゃよ。
ところがな、約束をした三日目になったんじゃが、安珍は姿を見せなかったんじゃよ。清姫は心配で安珍さまはどうされたかと道へ出て通りがかりの旅人たちに、若い修験者を見なかったかを尋ねてみたんじゃ。
「あぁ、そのような修験者さまなら、急ぎ足であちらの方にお行きなさった。」
と指をさして教えてくれたんじゃよ。清姫はな、まさかと思ってなぁ、どっと涙と流して、「安珍さま」と叫びながら、くずおれてしまってな。しばらく泣いておったんじゃよ。
けれでもな、清姫は急に顔をきっ!と上げるとな。安珍さまと叫びながら走り出したんじゃ。
「三日後に必ず来てくれると言ってくださったのに、お約束を違えたのですねぇ。」
清姫は安珍に会いたくて会いたくて、なりふりかまわず走り続けたんじゃよ。
そんな事とは知らずに安珍は清姫の家の前も通り過ぎてしばらく行ったこともあって、のんびりと春の景色を眺めながら、ゆっくりと道を歩いていたんじゃよ。すると、、、
さぁ、この続きはまた明日。ポン!