最後の希望
〜思い出のホール探訪回顧録〜
《 はじめに 》
202X年…ホールはみなし機撤去の炎に包まれた。5号機は枯れ、CR機は裂け、全てのみなし機が絶滅したかに見えた。だが、みなし機は死滅していなかった…!!
…という茶番はさておき、私は今まで2016年くらいから様々なレア台を求めてp-world非掲載店巡りやネオン撮影などパチンコ・パチスロの旅をしてきました。関東地方在住につき、さすがに東北〜関西ぐらいまでしか行けませんでしたが楽しい思い出がたくさんあります。そして今回「東日本最後の砦」もしくは「東日本最後の希望」とマニアの中では噂されていた宮城県角田市のパーラーホープさんの探訪記録を皆様にお伝えしたいと思います。
何故かというと令和4年7月中旬頃からお店が営業していないという噂が流れており、遂に最後の砦が陥落(閉業)したという事実確認が取れた為、記憶が鮮明な内に記録を残したいと思ったので三日坊主だったnoteのアプリを数カ月ぶりに起動した次第でございます。
それでは前置きが長くなりましたが私が令和4年6月上旬に訪問した際の様子を行きたくても行けなかった、入店拒否された(コロナ禍の影響で一時期県外の人は入店規制があった)方の為に晩年のパーラーホープの様子をお伝えできれば幸いです。
《 経緯 》
去る6月上旬のこと、たまたま仕事で福島県に泊まりで出張が入り、翌日職場に戻るのも片道約5時間かかるので午後は有給という形にしてそのまま直帰というスケジュールを職場には伝えました…
というのも4月下旬にみなし機やp-world非掲載店の情報交換をしていた方よりいままで入店時に身分証明書の提示を求められて県外の客は入店拒否をしていたパーラーホープに入れたという情報が飛び込んできたのです。
GWにがっつり回収して閉店する前兆かと思いきや、GW後も普通に営業していることが確認できた為、埼玉県のエコー21(令和3年3月末より長期休業)を最後の遠征にするつもりだった私の心に火がつきました。会津若松での仕事を終え、郡山で途中下車した私はレンタカーを借りて片道約100キロの道のりを逸る心を抑えながら向かいました。
昼前に到着の予定で帰りのタイムリミットは14:00ぐらい。それでもこの眼で最後の希望を確かめたいという気持ちでした。そして遂に現地に到着。駐車場が裏口に面しているため裏口から入店…
既に3〜4台車が止まっており、先客があるものの、本当に県外の客が入れるのかビクビクしながら入店しましたが特に声をかけられることもなく無事入店できました。
《 店内の様子 》
確かスロットの島が4列、パチンコの島が6列あり噂通り『5号機とCR機のみ』という異様なながらも懐かしい風景。床は木の床ではありませんがみたことが無い古いデータランプや2007年のスロットから15年以上時が止まったままのホールであることがはっきりとわかります。
大袈裟だと笑われるかもしれませんが、私はこのタイムスリップしたかのような感覚が堪らなく愛おしいのです。時間は誰にでも一定に流れていきますが、そのホールの中だけがゆっくりと時間が流れている特異点のような場所であり、その重力に惹き付けられる気持ち…わかる人にはわかると思います。勝ち負けではない何かがそこには存在するのです。
そして遂に目当ての台に着席。しかし、このお店は基本的に撮影はご法度のお店。常連客でなければスマホをいじってるだけでも声掛けされる過酷な環境です。
当日は店員は50代と思われる女性店員1名のみ。客は常連と思われるおじいちゃん2〜3名のみで女性店員は常連を近くで見守りつつ、奥にいる私を監視しているような気がしました。たまに訪れる談笑タイムに悪いとは思いつつ、遠路はるばる幻のホールに来た軌跡を残したいと思い、少しだけ撮らせて頂きました。(※お店に迷惑をかけたくないので今まで胸の内に秘めておりましたが、閉業との確認が取れたので一部公開させていただきます)
多少はお店の維持費として「お布施」も致し方無いと思いつつ、遊技機の前に座ると勝ちたいという欲がでるのが博打打ちの性。しかしながら15年前の機種なので打ち方やリール配列などは覚えているはずもなくスマホで調べながら打ち始めました。
どうやら左リールはチェリーを2種類どちらかをカバーしつつ、右フリーでスイカがテンパイしたら中リールもスイカをフォローのようなのでハサミ打ちで遊技していると店員から最初の声掛けが入る…
店員「あのー…うちはハサミ押し禁止なので順押しで消化して下さい」
私「…え?なんでですか?」
店員「さっきからスマホで攻略方法とか調べながら打たれてますよね?うちは攻略打ち禁止なんで順押しして下さい」
私「…???」
絶句してしまいました。梁山泊じゃあるまいし…(笑)でもまぁ、ハウスルールには従わなくてはなりません。順押しでスイカが揃わないのに目押しを強要されるストレスを感じつつもなんとか低投資でボーナスをGETすることができました。
ボーナスの消化手順を調べると枚数調整の為変則押しで3回ベルを獲得すると最大獲得枚数になる仕様のようだったので早速実践していたところまた店員さんから声かけが…
店員「あのー…先程も伝えましたがうちは変則押しによる攻略打ちは禁止なので順押しで消化して下さい」
そもそもスマホをいじりながら打っていたのも良くなかったようで完全にマークされてしまいましたね。でもまぁ、ハウスルールなら仕方がないですね…(涙目)思うところは色々ありますが、令和の時代にこんな台を打たせてもらえるんだから仕方ないと思いながら黙々と初代哲也と向き合いました。ARTにも無事入り、懐かしの「アリストレインボー」の洗礼も受けつつタイムスリップの旅を楽しませて頂きました。
結局なんやかんやであっさり500枚くらいでました。さすが初期の5号機です。その後は他に打ちたい台もたくさんありましたが時間に余裕がなかったので少しだけハッピージャグラーを遊技しました。ハッピージャグラーといえば数少ない小役優先制御のジャグラーで変則押しが楽しい台です。念のため店員さんに聞いてみました。
私「すいません、ジャグラーみたいなAタイプも変則押し駄目なんですか?」
店員「ジャグラーは攻略とか特にないので別にいいですよ」
それでは遠慮なく逆押しで楽しませて頂きます!首尾良くBIG2連で持ち玉は約1000枚オーバーに…まさか勝ってしまうのか…
スロットは7割稼働中でしたが3割程度稼働停止でした。哲也の次に候補にしていたゲッターマウス7R、タフ、マジシャンなど稼働停止だった為打てず…電源が落ちているのを気付かずに座った店員が飛んできて「それは打てません!」となります。
そして気になるスロットの稼働機種ですが店員に怪しまれつつこっそりリストをスプレッドシートに記録することに成功しました。下記画像をご参照下さい。(※正しい型式名でなくて恐縮ですが全体の雰囲気からお察し下さい)
多くは語りませんが控えめに言ってとんでもねーラインナップですよね(笑)そしてパチンコの方はというとみなし機を使用しているペナルティーなのか詳しいことはわかりませんが7割りが稼働停止の状態だったので稼働中のものだけメモしておきました。あたの想像を遥かに凌駕するであろうこのラインナップ…
ただただ凄い。凄すぎる。パチンコは客はがいなく、それぞれの台に玉の補給設備がないのでカウンターで現金と引き換えに玉が入った小箱を借りるスタイル。打ちたい機種だらけですが時間がないのでライトミドルのブラックスパイダーマンも白海を少しずつ遊技しました。特筆すべきはやはりこの3機種…
気になる釘の状況はというと良くも悪くもないですがすごくムラが出る調整。正直こいういう珍古台店に良い調整は求めていないのですがそこまで悪くはありませんでした。ブラックスパイダーマンは当てることができず、甘デジの白海は一度当たりましたが単発&全ノマレでタイムリミットとなりました。うーん…泊まりでじっくりパチンコをたくさん打ちたかった。
少し店員さんとも話しました。最後の方は少し打ち解けましたが、地元の常連さんのおかげでなんとか持ってるお店だから絶対にインターネットとかに情報を発信しないで欲しいとしきりに仰ってました。言わんとすることは痛いほどわかるし、裏返せば心無い人が騒ぎ立ててお店が存続できなくなれば地元の常連さんの憩いの場を奪うことになります。だからこそこのお店の情報は基本的に「タブー」とされ、良識のあるパチンコ・パチスロ愛好家によってひっそりと見守られてきたのです。
今となってはインターネットで何でも調べられる時代ですが、現地にいかないと一切の情報が無いホールというのは大変貴重で尊いものです。本来このような記事を公開することは望ましくないことなのは重々承知しておりますが、残念ながら惜しまれつつ閉業されたとのことなので当時の記録として綴りました。晩年のホールの状況記録として楽しんで頂けたら幸いです。
また不定期にいままで訪問した面白いホールを記録も兼ねてご紹介致しますので今後とも宜しくお願いします。長文失礼しました。
〜完〜
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