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初めての4本テープ、涙。

ご無沙汰しております!ヨキカグのきこりディレクター繁田です。今日は、とっても嬉しいご報告をさせていただきたいと思います!

ヨキカグという名前が決まってから3ヶ月ほど経ったある日。一本のラインが届きました。

「シゲちゃん、今やってる山に広葉樹生えてて伐ってるだけん、いる?」

ついについについに、待ちに待った林業家からのご連絡でした。

静岡は林業が盛んなためほとんどの山に杉やヒノキが植林されており、広葉樹はとっても貴重。そんな貴重な広葉樹が伐採される機会はとっても少ないのです。

静岡市内の林業家さんに、「もし良さそうな広葉樹を伐ることがあればぜひお声掛けください!」とお伝えしておりました。

「シデが何本かあるんだよね。あと1、2本残ってるから伐る時来る?」そう言って写真を送ってきてくれました。

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早速その週に伐採の様子を取材させていただくことに。

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藁科川の上流、峰山地区の山林の土場へ着くとすでに伐採された「シデ」という広葉樹が横たわっていました。

なかなか立派です。

「おーシゲちゃんよく来たね、ここちょっと割れちゃったんだよね、シデは家具になるのかね、」

そう言ってニコニコとお出迎えしてくれたのは、林業家の小林誠司さん。家業である林業とお茶を継ぐ静岡の若手林業家のホープの一人であり、いつもお世話になっている先輩でもあります。

「今ちょうど、すまうとの野木村さんがシデにハマっていて、とても興味を持っていただいてるんですよ!」

野木村さんはヨキカグの家具屋さん「すまうと」のオーナーで、木をバネのように使ったソファーなどを開発されているのですが、そのバネの部分にシデを使ってみたところ強度と粘り具合がちょうど良さそうだということを先日発見したばかりだったのです。

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(↑写真をクリックするとこちらの家具の紹介ページがご覧いただけます!)

普段その部分だけはどうしても静岡の木で作ることができなかったので、シデの魅力を知り「この椅子をALL静岡材にできるかもしれない!」と、とっても興奮しておりました笑。

「下の方にまだ生えてるから今から伐るよ」

小林さんは、今ではめっきり少なくなってしまった架線集材で丸太を搬出されています。現場には、ワイヤーが張り巡らされていました。

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熟練の技が必要となる架線集材の様子。

小林さんのお父さんも現役バリバリでワイヤーを巧みに操り、丸太をどんどん出していました。


当初はツタに覆われてよく見えなかったのですが、改めて見てみると立っていたのは樫の木とイタヤカエデの様(周りには昨年の秋に散ったカエデの落ち葉がぎっしりと)でした。

「テープ巻くんだっけか?」

「はい!!4本も巻いてもらわなきゃならないので大変ですが、、ヨキカグの印にしたいのでぜひお願いします!」

ヨキカグのヨキとは、斧に刻まれた四本の線から頂いた名前

正確には「ミキヨキ」と言って、裏表に3本と4本の線が刻まれているのですが、なぜか昔から斧のことは「ヨキ」と呼ばれていたのです。

きこりディレクターとして、何かそのヨキにちなんだことができないかと考えていたときに、ふと思いついてしまったこの4本のテープ。

これから家具として生まれ変わってほしいという林業家の想いを込めて、4本のテープを巻いていただくことにしたのでした。

正直なところ、「面倒だな」と林業家さんから嫌がられるかも、、「そんなことしなくても」と思われてしまうかも、そんな不安がずっとあったわけですが。。。

みなさんそのことをお伝えすると、意外にも気さくに「わかったよー」と快諾していただけてホッとしたのをよく覚えています。

でも、実際に本当に巻いていただけるのだろうか、、不安は残りました。

そんな小心ディレクターの小さな不安など何処吹く風。小林さんは、ピンクのマーキングテープを淡々と巻き始めました。

お父さんは、「なんだ、4本も巻くのか?笑」とおもしろがってくださいました。

側から見たら何でもないようなそんな一幕でしたが。僕の胸にはグググググっと熱く込み上げて来るものが。。。

ファインダー越しにテープを巻いてくださるお二人に感謝の思いで胸がいっぱいなディレクターなのでした。


さて、無事にテープも巻き終わると作業開始。

まずは一本、手前にあった細い樫の木をサクッと倒すと、いよいよイタヤカエデの伐採が始まりました。

広葉樹は、枝ぶりが大きく広がっていて、ましてや急傾斜地に立っているのでちょっと間違うとすぐにチェンソーの切り口から上が裂けてしまう性質があります。粘りが強い木ほどそうなのです。

今回は、先に幹の芯を切っておく安全な追いツル伐りをしていただきました。

イタヤカエデは、見事に倒れました。

伐採の様子は写真と動画で撮影していたのですが、最後の最後、倒れる瞬間の映像をカメラの操作ミスで撮影しそびれてしまうという大失敗はあったものの、、、泣 本当に感慨深いひとときでした。

伐採後、軽く枝を払うとあっという間にワイヤーで土場まで運び上げる小林さん親子。そのあまりの鮮やかさに、同じ山仕事をする先後輩としても改めて尊敬の念でいっぱいになりました。

その日のうちに玉切り(丸太を一定の長さにカットすること)してダンプで製材所までサクッと運んでしまった小林さん。山男は、仕事が大胆かつ丁寧で、とにかく素早い。プロの仕事を見させていただきました。

伐採前後の様子は動画も撮影しましたので、近々お見せしたいと思います。また、製材所に運ばれた丸太のその後は追ってご報告いたします。

そんなこんなで、記念すべき、初の4本テープを林業家に巻いていただき、感慨深いきこりディレクターの胸中が少しでもお伝えできたようでしたら幸いです。

最後までお読みくださりありがとうございました!

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小林さん、ありがとうございました!この木を、素晴らしい家具に生まれ変わらせられるよう引き続き頑張ります!


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