バットマン・ダークナイト観た話
ジョーカーが好きだ。
中でも、1番好きなジョーカーはヒース・レジャー演じる、『バットマン・ダークナイト』のジョーカー。
このジョーカーは、彼にしか出来ない、最高で最狂のジョーカーだと思う。
※息を吸うようにネタバレします。 ご注意ください。
『ダークナイト』は、2008年のアメリカ・イギリス共作映画。監督はクリストファー・ノーラン、主演はクリスチャン・ベール。 DCコミックスの出版するアメリカン・コミック『バットマン』を原作とした実写映画作品。「ダークナイト・トリロジー」の第2作目。 (ウィキペディア)
バットマンは正義か?
クリスチャン・ベール演じるブルース・ウェインの重厚感といったら。右に出るものはいないだろう。クールでハンサムでゴージャスなブルースは、ゴッサムでバットマンとして素性を隠して暗躍している。警察とタッグを組み、覆面の“バットマン”が復讐の対象にされやすいことは安易に考えがおよぶ。もちろん、ゴッサムで素性を晒せば一溜まりもないだろう。命はない。
ブルースとは反対に、ゴッサムで素性を晒して活躍するゴッサムの救世主であり高潔な地方検事のハービー・デント(演アーロン・エッカート)は、(恋人のレイチェル・ドーズ(演マギー・ジレンホール)を失うまで)明らかに『陽』だった。バットマンに対をなす正真正銘の正義だった。
対して、ジョーカーは明らかな『陰』。手段を選ばず「バットマン、素性を晒せ」と殺戮を繰り返す彼は闇以外の何者でもない。ハービーという光とジョーカーという闇の狭間で、どちらにも傾くことのないバットマンは苦悶する。しかし、恋人を失い、復讐の一心でツーフェイスという異名を持つようになったハービーは、偏った正義感からどんどん闇へ転がり落ちていく。強い正義感があるということは同時に強い信念を曲げられないということだろう。その心は脆く、一気闇に引きずられていく様は、救いがなかった。
ゴッサムの光を失ってはいけない、ハービーが闇に落ちたと民衆に知れてジョーカーの思い通りになってはいけないと、ツーフェイスを倒したバットマンはハービーを殺害した業を背負い闇夜に消える。
正義を曲げられなかったハービーと正義を背負うことが許されないバットマン。正義とは一体何なのか。
バットマンは正義になれない。
愉快犯ジョーカー
今作のジョーカーは、非常に残虐でバットマンに盲目だ。スーサイドスクワッドのジョーカーのような、キティに溺れるようなところは微塵もない。ただ只管にバットマン、バットマン!原作に忠実ということだろうか。バットマンを殺すためなら、元恋人(偶然か否か)を拉致し爆発させるし、警察署も爆破する。容赦なく殺戮を繰り返す。
ヒース・レジャーのすごいところは、嫌らしく、聞きたくないのに聞きたくなるような声音でジョーカーを演じたところだと思う。なんて喋り方の嫌らしい男だろうかと感じた。喋り方ひとつで狂気もその獰猛性も全て凌駕しているのだ。 すごい。とても嫌らしい、狂気的で最高のジョーカーだった。もう見られないというのが非常に残念すぎる。
まとめ
狂気的な闇のジョーカーと、正義の土台になるバットマン。光のハービー・デント。この3者の対になる描写が素晴らしかった。あと、映像が素晴らしく良くて驚いた。2時間越えの作品だが、時間の経過を忘れ何度も見たくなる作品だった。
★★★★★
よき。
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