YOKE中期構想2018年~2021年度 中間報告
だれもが自分らしく活躍できる多文化共生のまち横浜を目指して
YOKEは、「だれもが自分らしく活躍できる多文化共生のまち横浜 」を目指し 、活動の重点取組をまとめた「YOKE中期構想(2018-2021年度)」を 2018年に立てました。
2020年はその折り返しの年です。構想のゴールを目指し、私たちがどのような活動をしているかについて現時点での進捗を報告します。
多文化共生のまちづくり推進「多様性が活かされる地域のコミュニティづくり」
重点取組1「外国人の生活基盤支援の充実」
主に国の「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(2018年12月)」に沿って進めています。
〇 1言語対応の相談窓口(多文化共生総合相談センター)の開設
これまでの4言語から11言語対応に拡充した多言語相談窓口を2019年8月に開設しました。在留、雇用、医療、福祉、出産・子育て、教育等の分野において専門機関とも連携して相談機能を強化しました。2020年3月には同センターのウェブサイトに新型コロナ感染症関連の特設サイトを設け相談と情報提供を連動させながら対応しています。
〇 地域日本語教育の総合的な体制づくりの推進
外国人が生活や就労の場で円滑にコミュニケーションができ地域社会に包摂される環境を整えていくため、地域日本語教育の総合的な体制づくりを進めています。2019年度は地域日本語教室、日本語教育機関、国際交流ラウンジはもとより外国人を雇用する企業なども対象に日本語学習支援等の実態やニーズ調査を行い、これを踏まえて地域の日本語教育推進のためのアクションプランを策定しました。2020年度から具体的なプログラムをスタートしています。
重点取組2 「外国人の地域とのつながりづくり強化」
YOKEが運営する国際交流ラウンジでは日本人と外国人の地域での相互理解・交流の場づくりを進めています。
〇 地域とのつながりづくり
なか国際交流ラウンジでは、連合町内会やケアプラザ等が主催する催事(防災訓練、餅つき大会、お祭り等)への外国人住民の参加促進に協力しています。
みなみ市民活動・多文化共生ラウンジでは、外国人住民対象の多言語による生活ガイダンスを外国人の在校比率が高い小学校の保護者や夜間中学校の在校生を対象に開催しています。学校における多文化共生の活動などにも協力しています。
鶴見国際交流ラウンジでは、外国人と日本人との身近な交流を目的とした「おしゃべり会」を開催しています。
重点取組3 「外国人の活躍促進」
外国人が地域で活動する機会や場の拡大にも取組んでいます。
〇 外国人の活躍促進
なか国際交流ラウンジが設置する外国につながる若者たちの居場所(レインボースペース)を拠点に活動をサポートしています。2019年は若者たちが自主映画を製作し多方面で上映会が開かれています。また、ラウンジを介して市民通訳ボランティアや多言語相談窓口のスタッフとして多くの外国人住民が日本に来たばかりの外国人の生活を支援する活動に関わっています。
重点取組4 「外国人材の誘致・定着の促進」
留学生等の国内就職や就労定着を支援する取組を進めています。
〇 介護分野の外国人留学生等の生活支援
ベトナムや中国などから介護福祉士を目指して来日した外国人留学生等を対象に、2019年度は生活に関わる相談に応じる定期相談(38人参加)及び施設を訪問して行う出張相談(3施設6人参加)を実施し、併せて介護施設で働く外国人の生活相談の窓口案内を目的とした多言語チラシを作成し、施設240か所に配布しました。
〇 留学生の国内就職促進を目的とした取組
国際学生会館主催の就職セミナーの開催 2019年度実績:のべ63人参加
留学生と企業の交流会の開催 2019年度実績:留学生28人と企業10社17人参加
未来を創る多様な人づくり「誰もが安心して豊かに暮らす世界」を目指す若者の育成
重点取組5 「学校と連携した『多文化共生』『地球規模の課題』への取組の学びの促進」
未来を創る多様な人づくりを目的に小学生から大学生まで教育機関と連携して進めています。
〇 地球市民プログラム
「たずねよう!国際協力センター」を通して市内の小学生を国際協力センターに受入れ、国際機関の活動紹介、職員の講話などを行い体験型学習の機会を提供しています。 2019年度実績:23校1,907人参加
YOKEを含む国際機関でのインターン受入
2019年度実績: 市内6大学から年間16人が7機関で実施
〇 小・中・高校への出前授業
国際学生会館の留学生が市内の小・中・高校へ出前授業を行い母国の文化を紹介しています。2019年度実績:19校60クラス1,870人参加
最善の道を探しながら
令和の時代になって、国の方針を背景に多文化共生のまちづくりが大きな一歩を踏み出した矢先でした。新型コロナ感染症によって私たちの日常が一変し、特にコミュニケーションによって成り立つ日々の作法が対面から遠隔へと変貌していきました。
YOKEの活動も大きな制約の中で試行錯誤の日々です。通常対面で行う市民通訳ボランティアや日本語教室の学習支援も今までのようにはいかなくなりましたが、新しい日常を創っていくしかありません。これは何らかの人類の進化の過程なのだと根拠もない前向きさを抱きつつ、これからも細心の注意を払いながら、YOKEは今できる最善の道を探して取組を進めていきます。
公益財団法人横浜市国際交流協会 事務局長 坂本 淳