アクティブに地域の外国人コミュニティに連携 鶴見国際交流ラウンジの取り組み
鶴見国際交流ラウンジの取り組みの背景
2023年7月末、横浜市のデータによると市内に住んでいる外国人数は112,762人です。昨今、とりわけベトナム人とネパール人が急増しています。特にベトナム人の数は10,838人で、そのうち1,718人(15.8%)が鶴見区に在住しています。
区内では日本人とベトナム人との出会いが増えており、ベトナム人と日本人が交流できる余地が多く残っています。そこで、鶴見国際交流ラウンジでは、鶴見区の多文化共生に基づき、誰もが安心して豊かに暮らせる地域づくりを目指して、外国人が地域の活動にもっと参加できるような新たなアプローチを展開しています。
子育てつながりマップで外国ルーツの親子を支援
鶴見区では、子供がいる外国につながる家族が多く暮らしています。しかし、言葉の壁や習慣の違い、特に情報の不足などにより、子育てに困る外国ルーツの家族は多いです。
この状況を改善するために、2022年に鶴見国際交流ラウンジは「子育てつながりMAP」を新規事業として運営しております。同サイトで、区内にある学校・保育園、子育てサロンや親子で遊ぶ場所などを紹介し、子育てに関する情報を提供しています。これにより、地域にある子育てに関するリソースの活用が促進され、支援が必要な親子は役に立つ情報にアクセスしやすくなります。
本プロジェクトは2022年度に潮田エリアからスタートし、2023年度は鶴見中央エリアを追加し、マップを拡充しているところです。
外国企業との連携
FPTジャパンホールディングス株式会社(以下、FPTジャパン)は2000年代に日本市場に参入したパイオニア的存在のIT企業で現在は日本における一番大きなベトナム企業です。鶴見区には約70人規模の独身社員寮があり、結婚して寮の近くに引越しする同社の関係者も多いです。社風は活動的で、社員間のボランティア活動が奨励されています。
2023年2月に鶴見国際交流ラウンジの代表者がFPTジャパンの本社を訪問し、社内コミュニケーション&ユースユニオン部の担当者と打ち合わせをしました。会議では、双方は組織に関する情報や協力への期待を交わし、外国人を支援する国際交流ラウンジとの新たな連携を表明しました。
それ以降、ラウンジと同社との繋がりはますます強くなっています。現在はFacebookのグループチャットを通じてラウンジの活動情報が寮に住んでいる社員にスムーズに伝わるコミュニケーションネットワークが構築されています。 さらに、6月に開催された多文化共生フェスタでは、会社からの基本合意を得て、若手社員で構成された音楽バンドが協力し、ベトナムのポップミュージックを披露してくれました。
コーディネータという仕事についての思い
国ごとのコミュニティは多様性に富んでいますが、支援の必要性と地域とのアクセスしやすさの点で際立っている特定のグループが存在します。例えば、「Mẹ Việt ở Tsurumi」(鶴見区に住んでいるベトナム人お母さんの会)というFacebookグループ。主に家族滞在ビザで子育てをしながらアルバイトをするベトナム人お母さんたちが入っています。
ここで私は、生活や子育て、文化交流活動などに役立つ情報や日本語教室の情報などを定期的に発信しています。日本語が苦手な読者からの注意・関心を引くために情報をベトナム語で短く簡潔に書き直す工夫をしています。 例えば、「今週末、家族全員はどこで遊べるか?」「幼稚園の入園案内(ベトナム語通訳付き)」などです。
こうした各国ごとのコミュニティの特徴を捉え、 積極的につながり、地域活動への参加を促す機会を設けることは大事だと考えています。それは、外国人コミュニティ地域での持続的な発展を促し、ホスト社会である日本人コミュニティと外国人が共に暮らせる多文化共生の地域づくりに大きな効果をもたらすからです。
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