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「災害支援」は「線」を意識することが大事

こんにちは。今日は、「災害支援」に関する「線(ニーズとシーズのマッチング、支援の物とお金を最大限に活かす」という目線で記事を書いてみたいと思います。

「災害支援」というものは、本当に実はとても難しくて、一つ間違えてしまうと「トラブル」の種にもなりかねない、とても動きの面でも、気持ちの面で絶妙なバランスが求められるものだという事をこれまでの活動の中で強く感じています。

「ニーズ(欲しい)」と「シーズ(提供できる)」のバランスということは、ビジネスにおいても「需要と供給のバランス」と言われていることと同じでなんとなイメージはつくと思います。ただ、災害支援においては、ここに「善意の気持ち」も乗っかってくるので、「情」が絡み、それによる歪みが起こりやすくなります。

一番分かりやすいものが、「支援物資」

「支援物資」を介した「支援活動」というのはされた方も多いと思います。災害直後の「水」や「食料」、そして「衣類」や「日用品」。熊本地震でも令和2年7月豪雨でも、ありがたいことに日本全国からたくさんの物資をお預かりし、被災者の方にお渡しさせて頂きました。本当にありがたいです。

ただ、この物資支援も時が経つと、それは「ゴミ」と化してしまうリスクを抱えています。

つまり、「支援物資」が最終的に「被災者に渡されない」ということですね。

なぜ、それが起こるのか?

※いろいろと書きますが、「物資支援」を否定しているということでは全くありません。災害支援の現場で起こっている「事実の一部」を知ることで、多くの人がある程度の意識を持つことで、より一層の「円滑な支援」につながればよいなと思って書かせて頂いております。


1.日本の物流インフラのすごさ

災害直後は、本当に物資不足の状況に陥りますが、さすが経済大国日本。この状態はほんとうに数日です。早ければ数日で物流は回復します。特に某コンビニエンスストアは、ものの数日で復旧をとげます。つまり、「お金」と「買い物に行くまでの足」があれば、たとえ被災者であっても、必要なものは買うことができます。(ただし、一気に需要が増えるものがありますので、品不足になる状態はしばらく続きます)


2.日本は「モノ」にあふれている。

日常を振り返っていても、本当に今の日本は「モノ」にあふれていますよね。その状態で私達は生活をしているので、自ずと「選ぶ」という事が自然になっています。

支援物資としては本当にいろんな物が送られてきます。「使えるかどうか分からないけど、もしかしたら必要な人もいるかと思って」という事も集まりますが、こういったものは、ほぼ「受け取り手」がいない状態になってしまいます。

特に「衣類」

これは本当に大変です。下着等、最低限必要な衣類はあってもあっても足りないくらいですが、上着やコートなど、「あると便利」くらいのものであれば、「デザイン・機能性・状態」まできちんと判断される状態となります。なんでもかんでも着れればいい、という事にはならないんですね。


3.物資は、「選べる」状態までして初めて手にとってもらえる

「物資」の送り方として、「とにかくダンボールにひとまとめ」にして物資拠点に届ける、という物があります。ダンボールを開いても、何が何個入っているか全く分からない状態。この状態のまま物資拠点においておいても、誰も取っていってくれません。ダンボールをあさって、必要なものを探して、そしてまた片付ける、そこまで余裕を持って見ていく方はほとんどいらっしゃいません。

「選べる状態」というのが本当に大事なんだなと痛感します。衣類でいえば、もう「お店」のような状態。

つまり、こういった状態にするためには、物資拠点に「物資を整理し、陳列するボランティア」が必要になります。災害地に近れば近いほど、こういった人はなかなか集まりません。

「送ればなんとか被災者につながる」というのはなかなか難しいということを痛感しました。

4.まさに「ニーズ」と「シーズ」のマッチング、そしてタイミング

今このタイミングで何がどれだけ求められているか?それは誰?

物資がスムーズに被災者に渡るためには、この状態まできちんと把握する必要があります。

はい!物を集めました!

というだけでは、単に倉庫に物があふれかえるだけなんですよね。これは、「情報発信」ということにもつながります。「ここの場所に物資拠点を構えていますよ。何時から何時まで配布していますよ。どんな物がありますよ」というのをリアルタイムで発信する必要があります。それはSNSという手段を取るのはもちろんのこと、メディアに取り上げてもらったり(テレビ・ラジオはやっぱり情報伝達の有効手段)、あとは既存のコミュニティに口コミで伝えるとかして、なんとか被災者の人に知ってもらえます。

被災者の人(特に高齢者)はほんとうに情報難民となってしまいますので、支援する側が積極的にアプローチすることが必要です。


ざくっと書きましたが、大枠はこんな感じです。

つまり「物」だけではだめで、「きちんと人と人のつながり」を構築していきつつ、インターネット等活用できるものはどんどん活用するという感じですね。

・物を提供できる人

・物を物資拠点まで届けれれる人

・何が必要なのかの情報収集を行う人

・情報発信を行う人

・被災者の人に届けれる人

いろんな人(機能)が、一つの線になってはじめて「支援」までなるという感じですね。「何かをしたい!」と思ったときに、これらのことをイメージできて、自分ならこの部分を担える、という一人ひとりがつながっていけるとよいなと思います。



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