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心を動かす「裏切りの音楽」のはなし。

好きな曲に出逢うと、ひたすらその曲をリピートして聴くようになります。

その曲の生い立ちや、そのアーティストの他の曲を探り始めるのは、歌詞を見なくてもフルで歌えるくらい味わい尽くしてから。まずは中毒のように聴きまくります。聴きたくて仕方なくなるんです。

好きになる曲には全て、ひとつの共通点があります。

それは、私を裏切ってくるということ。


どうやら私は、裏切られた瞬間に心を奪われているようなのです。


◆◆◆


最近の新曲との出逢いは、ほとんどがYouTubeチャンネル。その中でも大半を占めているのが、アーティストの一発撮りを届ける「THE FIRST TAKE」です。

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外出自粛が始まってからは、「THE HOME TAKE」という自宅からの配信も始まりました。

特にTHE HOME TAKEの中で、私の心を奪ったのは次の3曲です。

・夜に駆ける/YOASOBI

・かくれんぼ/優里

・Myra/Tani Yuuki

冒頭でもお伝えした通り、私の心を奪ったということは私を裏切ったということでもあります。この3曲は、ハマった曲の中でも裏切りの振れ幅がダントツに大きかった曲です。

裏切りの音楽① かくれんぼ

これは出だしの歌詞、3文字目で早くも裏切られました。

かくんぼなんかしてないで
もういいよって早く言って
もういいかいその言葉が宙に舞う

「えー!!そこで裏声つかうの?!えっ、使えるの?!いや、うますぎん?!!」と、裏切られた私はもう完全にトリコ状態。

歌詞で太字にしている「れ」を裏声で歌う。そんな技は予測不可能でしたし、初めて出逢う感覚でした。ささやくような、息の多いウィスパーボイスがまたなんとも切なく歌詞にマッチしています。。。

裏切りの音楽② Myra

この曲は、サビで立て続けに裏切ってきます。今いちばん好きな曲です。

愛してるよMyra
腕の中でMy love
夢の中へdiver
まだ覚めないで

愛してるよMyra
ぼやけて見えないなcrier
もう気づいてるんだyou're liar
もう少しだけこのまま居させて

AメロからBメロを聴く限りでは、バラードのような雰囲気を感じます。しかし、サビの太文字で示した部分が韻を踏んでいて、これが私にとってもう完全なる裏切りとなりました!

というのは、今まで、韻を踏む曲=ラップというイメージが私の中で強く根付いていたため、それがバラード調の曲でも活かせるということは凄く大きな発見だったのです。かなり衝撃を受けました。

裏切りの音楽③ 夜に駆ける

この曲は、裏切りの頂点といっても過言ではありません。すばらしい。。

もともと原曲を知っていて、そのうえでこのHOME TAKEバージョンを聴いたことで初っ端から見事に裏切られました。

テンポがゆっくり!!!

アップテンポでリズム感が魅力ともいえるこの曲を、こんなにもテンポを落とすだなんて…これこそTHE HOME TAKEならではなのかもしれませんね。

そして、なによりの裏切りが現れます。

ラスサビの転調!!

たいていの音楽は、3度上がる転調が最後に1回出てきてラストに向かいます。しかし、これは2回転調するんです。

それだけでは終わりません。

ボイストレーナーおしらさんの解説を見て学んだのですが、なんと1回目の転調はキーが下にさがっているんですって!!!しかも、小説をもとに”彼女が初めて笑った瞬間”に-1の転調って……天才です。

予測不可能。どこまで裏切ってくれるんですか、、、って感じです。


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人生において「裏切る」という行為は、決して許されないものだと思っていました。でも、音楽での裏切りだけは許されるのではないかと最近思うようになりました。

音楽の裏切りは、人の心を動かします。

想像していた音楽を超えて、心に打撃をも与える裏切り。それは音楽に欠かせない重要なスパイスなのかもしれません。







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