見出し画像

この冬絶対観てほしい映画「記憶屋 あなたを忘れない」感想(ネタバレなし)

―あなたの一番大切な記憶は何ですか?—

映画の予告編を観て一気に惹かれた、「記憶屋 あなたを忘れない」を先日劇場で観てきました。

ぼろぼろ泣けました。

愛する彼女の記憶を消された主人公、幼い頃に巻き込まれた事件の記憶だけが消えた主人公の幼馴染、余命宣告を受け娘に悲しい思いをさせたくないと娘から自分の記憶が消えることを願う父親。

それぞれの想いを抱えながら、都市伝説と言われている記憶を消せる「記憶屋」の存在を主人公たちは追っていきます。記憶屋について調べていく中で、明らかになってくる事実と、押し寄せてくる不安。記憶屋は本当にいるのか?記憶屋の正体とは一体…?

そして、全てが繋がる感動のクライマックスと予想外の結末に心が震えました!!!大画面で物語に浸れる映画館で、観る価値満点の作品です。

私がこの映画の中で、クライマックスや結末以外に印象に残ったシーンをこれから2つご紹介します。

1つ目は、主人公が自分の記憶だけを失った彼女に、思い出してもらおうと諦めずに向き合う場面。彼女のスマホに主人公との写真や連絡先は一切なくなっていたため、自分のスマホの写真を彼女に見せます。しかし、彼女には信じてもらえません。それでもめげずに、「デジタルが駄目ならアナログにしよう!」と考え、彼女との思い出の写真を何枚もプリントして彼女に渡すのです。自分の好きな人から自分の記憶が消えてしまうことの辛さといったら、計り知れないものがあるでしょう。彼女に思い出してもらえず、疑われる度に、「もう無理なんじゃないか」「彼女は忘れたくて記憶を消したのではないか」などと思い悩むこともありました。それでも、発想を転換させてあらゆる方法を試していく主人公の姿を見て、彼女に対する愛情を感じ心が揺さぶられました。

2つ目は、主人公が記憶屋を探すことは正しい行動なのかと迷う場面。共に記憶屋を探す大学の教授と瀬戸内の海に沈む綺麗な夕日を見ながら、主人公は呟きます。「こんな風に穏やかな人生がずっと続けばいいのに。世の中では無残な事件や悲しい出来事が次々に起こる。神様はなぜ人間をこういうものにしたのか。」と。確かに、と凄く共感しているところに入ってきた教授のセリフは更に深く頷けるものでした。「そんな中でも生きていけるような力を神様は与えてくれてるんじゃないかな」。フロイトの言葉も交えた返しで、正確なセリフは覚えていないけど、こんなニュワンスでした。悲観的になってしまうときでも、この考え方を持っていたら強く生きられそうだなと思いました。

他にも、泣けるシーンや心に響く言葉がいっぱい詰まった作品です。

好きな人から自分の記憶が消えることのこの上ない切なさを感じたのと同時に、いま自分が大切に思う人との思い出や記憶がちゃんとあって、相手にも同じ記憶があることはありがたいなと思いました。

だから、これからはもっと大切な人との時間を忘れないように目一杯味わっていたいし、一緒に過ごす時間が素敵な思い出になるように出来る限りのことをしたいです。

予告編を観て、ぜひ劇場に足をお運びください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?