
初めて10万字超えの長編に挑戦した話
「締切を設定して、それに向けて作品の完成を目指していきましょう!」
そんな小説スクールの先生の言葉と共に、私の長編小説の製作は始まりました。
今まで短編や中編は色々書いてきましたが、オリジナル小説で10万字越えの作品を書くのは、初めての経験でした。
そういうわけでまずは、企画書を作るところからスタートしました。
GW後の締切を目標に、目指すはライト文芸系でのチャレンジです。(ライト文芸とはライトノベルと一般文芸の間ぐらいに位置するジャンルです)
私は歴史ファンタジー系が好きなのですが、今回は自分の今まで仕事などで培った技術や良さを作品に反映させようと思い、非日常の混じるお仕事ものという現代ファンタジーで挑戦することにしました。
続いて取りかかったのはプロットです。プロットとはいわば小説の設計図です。
以前のnoteにも記載した通り、私はそれまでプロットを作ったことがほとんどありませんでした。正直、書いていて変更点が出てくるのではないか、と思っていたからです。(そうならないようにプロットをしっかり組むというわけです)
物語の内容を踏まえて今回はオムニバス形式にしました。序章+3万字×3本の話。これなら今までやってきた短編の目安にも近いため、見通しも立てやすくて頑張れそうです。
というか…今までの私が小説で長編だと思っていたのは中編、下手したら短編だったんだなと改めて思いました。
この長編は小説スクールの春休み期間に取り組みました。
私はひとまず成果が見えるように、1日あたりに書いた文字数を記録することにしました。
調子の良い日、悪い日、仕事の日のおおよその文字数が把握出来るようになったのは大きかったです。進捗の予測が立てられるようになりました。
途中で授業の一環で自分の作品のプレゼンをする審査会もあり(佳作をとりました!)、課題の直しを挟みつつ進めました。
例えるなら山登り。
楽しいけれど、結構きつい。キャラが自分の中に落としこんで動いてくれるまで、時間がかかります。
キャラメーカーでキャラの解像度をあげたり、仕事で学んだことを勉強し直したり、ある程度エンタメとして楽しめるようにリアリティはあるけどファンタジー要素の取捨選択をしたり。
また毎日一定量書けるように、脳が集中して取り組めるよう生活リズムを整えたり、ファミレス行ってサボれない環境に身を置いたり、どうしてもの時は集中力改善出来るチョコレート食べたり。結構頑張りました。
書いていると、来年は卒業しているからこんなに集中して取り組めないかもしれない、という不安が頭をよぎります。働きながら書けるだろうか。
それなら頑張らなければならないのは今…!
そんな思いを抱きつつ、ようやく頂上が見えてきた頃。
一つの連絡が入りました。
同じクラスの友人からでした。彼女も私同様に長編製作に取り組んでいました。
なんと初稿が完成したとのこと!
羨ましかったです。いーなー!私も初稿出来たって言いたい!というのがその時の本音でした。
隣の芝生は青く見えるとは言うけれど、その青い芝生にビーチパラソル付きのプールがあるお庭に見えました。
休憩の合間に原稿を見せてもらったのですが…
え、長編書くの初めて…?嘘だ!上手すぎでは…?もうこれ本になるのでは?と本当に思いました。
とにもかくにも、自分も続け!と気合いを入れ直した瞬間でした。
けれど、予定とは予定通りにいかないのが世の常です。
段々締切が近付くにつれて、え、これ間に合う?と出てくる冷や汗。
とにかく作品を仕上げることを念頭に置きました。
私の場合、大まかな台詞とキャラの動きを最低限入れて、細かい描写を後から付け足していくスタイルです。
人によってプロット→頭から順に文章を書く人も多いのですが、私は漫画で例えるならネーム→下書き→線画→背景や仕上げ、みたいな感じです。
新学期が始まり、授業も再開。けれどすぐに待ち受けるGW期間は小説スクールも休み。提出前に先生に一度見てもらいたいので、会える日と時間を考えると早く仕上げた方が良い。というかそうでないと間に合わない。
この期間、追い込まれながらも睡眠はしっかりとっていました。
体と命が一番大事なので。
途中でコロナワクチン打って1日寝たり、なんやかんやありましたが、なんとか仕上がり、先生に初稿を提出することが出来ました。
提出後も文章の描写や自分の中で引っ掛かるところは、直し続けました。
そして数日後、先生からのチェックバックが返ってきました!
戦々恐々と見てみると。
「下手に直すと良さが失われそうなので、(略)自信を持って出して下さい!」
良かった…と先生のこの言葉で力が一気に抜けました。多分、選考見るよりも緊張していました。
それでも褒めてもらえたのが嬉しかったですし、先生の評価が投稿した後もずーっと私を励まし続けてくれました。
こうして無事に私は小説を書き上げ、投稿することが出来ました。
多分、一人じゃなかったからこそ頑張れたんだなあと思います。
そして数ヶ月後。一次選考が7月の下旬ということで、そわそわしつつ、次の長編製作に取り組んでいました。
昨年の発表日は本当に7月末だったので、来週かなぁと思っていました。何度かホームページも見ていたのですが、もうそんなことしていても仕方ない!来週来週!と自分に言い聞かせていました。
するとある日、授業に行くと先生から声をかけられました。
「通ったね、おめでとう!」
晴天の霹靂。
あれ!?と思っていたら、どうやらいつの間にか、公式ホームページにて発表されていたようです。
その場で即確認したら、確かに私の書いた作品名がありました。
嬉しい、嬉しいけど予想外の展開…!
そんなこんなで初の長編製作は一次選考を通過し、まさかの私よりも先生の方が先に結果を知るという流れになりましたとさ。
一次選考の倍率としては9倍ぐらいでした。要するに通過出来たのが全体の11%なので、それなりに頑張ったなあ~と思います。
とはいえ、まだ二次三次選考もあるので、今のうちに色んな人の投稿の体験談を読み、通っても通らなくても精神的ショックを和らげる準備をしています。どうなるかなあ…