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島根県出雲市「➕旭日(じゅうじあさひ)」醸造元 旭日酒造場訪問記
2021年12月
➕旭日(ジュウジアサヒ)の製造元、
出雲市の旭日酒造さんを訪ねました。
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通常、造りの時期には 案内のために人手がさけないので見学の受け入れはしていませんが、たまたま副杜氏の栄里子さんの手が空く月曜日の午後だったこと、そして勉強させて欲しいという思いをくんでくださり 特別に詳しくお話を聞かせていただく機会を得ました。
まずちょっと変わった「➕旭日(ジュウジアサヒ)」という名前。
こちらは明治40年に当時の皇太子であった大正天皇が山陰を巡幸された際、献上した酒が讃えられて「旭日」という揮毫を頂いたこと。
そして、日蓮宗の霊場である能勢の妙見山を篤く信仰していたことから、妙見の紋章の矢筈十字をお守りとして大切にしていたこと。
この2つが合わさり➕旭日となりました。
(➕は本当は端がギザギザの矢筈十字です。表示できる文字がないのでこのようにさせていただきます)
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➕旭日はどんなお酒?と聞かれると幅が広くて本当に一言では表しにくいし、副杜氏ですら説明できないと言っていますが…
まずは吟醸香はほとんど出さずに作っています。
山陰の気候と、外気に左右されまくる木造の建物の中で無理なく作れる、自然な造りです。
お米も島根県産の、佐香錦・改良雄町・縁の舞、
他にも五百万石、コシヒカリ、雄町、元気米などなど色々な米で酒造りをしています。
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造り方も、生酛と速醸の両方。
島根県酵母を使うお酒もあれば、酵母無添加の時もある。
麹も、米に合わせて、いやその時のその米の状態に合わせて変えているので 突きハゼとも総ハゼとも言えなかったり。
話をよく聞いていてとても感じたのは、
栄里子さんはマニュアルでなく、
自分の設計図でもなく、
めちゃくちゃ微生物に寄り添って、微生物と対話しながら酒造りをしているんだということ。
酒母を見ながら、麹を見ながら、
その個性にあわせて微妙な匙加減を変えてあげる。
言葉では表しにくい、数値化できない、まさに微妙な匙加減。
化学や数値化されたマニュアルでなく、とにかく手をかけて、微生物たちに話しかけるように対話し、造っているお酒。
だからとてもストレスのない、ナチュラルな、ユルユルと飲めるお酒になっているのかな、と。
今回、私が見つけた➕旭日の味の秘訣はそんな感じかな😊
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栄里子さん、とても素敵でした。
お忙しい中お時間いただきありがとうございました!