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魂は死なない エリザベル・キュブラー・ロス
I know beyond a shadow of a doubt that there is no death the way we understood it. The body dies, but not the soul.
疑う余地はなく、私たちの知っているような死はない。体は死んでも、魂は死なない。
エリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Kübler-Ross)は、1926年から2004年まで生きたアメリカの精神科医だ。
1969年に『死ぬ瞬間』(On Death and Dying)を出版し、世界的に知られるようになった。この本の中で、人は避けられない死を受容していく悲しみの過程を、否認・怒り・取引・抑うつ・受容の5段階でモデル化した。「死の受容過程(悲しみの5段階モデル)」と呼ばれている。
自伝の「人生は廻る輪のように」(角川文庫)によれば、殺されかけたり、詐欺未遂や自宅放火などの被害に遭った。スピリチュアルな主張が反発を招いたのだ。脳幹出血の発作に見舞われ、晩年は激しい痛みの中で過ごした。しかし、最後まで好きだったタバコとスイスチョコレートを離さず、冗談も絶やさなかった。
死を見つめてきたロスの最後の言葉が、冒頭に紹介したものだ。
この他にも、彼女の言葉には心に響くものが多い。原文は見つからなかったが、こういう文がある。
「人生は洗濯機のなかでもまれる石のようなものだ。粉砕されてでてくるか、磨かれてでてくるか。結局はそれぞれの人が選択している」
たしかに、汚れと洗剤がぐるぐる渦巻く洗濯機の中をのぞくと、人生が見える気がする。他にも無数に名言を残している。波乱の多い人生が、言葉に重みを与えている。英語の勉強にもぴったりだ。
「死後にはどうなるとお考えですか?」と聞かれ、ロスは「もう一度ダンスができるわ。死んだら全ての銀河でダンスをするのよ。私は生きている間、十分ダンスをしてこなかったから」と答えたという。
アリゾナ州スコッツデールにある彼女の墓の墓碑銘にはこう記されている。
喜びや悲しみを分かち合う友人、教師、そして自らも一人の生徒であった。人生を卒業して、今、銀河でダンスを踊る。
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