TRACTION ビジネスの手綱を握り直す
第1章 起業家のための経営システム(EOS)
起業家のための経営システム「EOS」では、組織は6つのモジュール(ビジョン・人・データ・課題・プロセス・トラクション)で構成されていると考えています。
6つのモジュールに絞り、それを強化していくことで、さまざまな会社経営の悩みがシンプルに解決されていきます。
焦ることはありません。まずは自社の現在地を確認して、着実にモジュールを強化していきましょう。
第2章 つるから手を離す
会社を本気で変えたいのなら、
まずは次の4つの信条を受け入れることから始めましょう。
(1)ビジョンを共有する責任ある経営チームをつくる
(2)成長すれば必ず天井(壁)にぶつかることを覚悟する
(3)会社はひとつの経営システム(EOS)で運営する
(4)さらなる成長のために、変化することを受け入れる
第3章 ビジョンー従業員はあなたの言葉を理解しているか?
・多くの起業家は自分のビジョンがはっきりと見えているが、全従業員が同じビジョンが見えていると誤解している・だから、ビジョンを頭の中から出して紙に書きだすことが共有の第一歩。ビジョンとは、組織が目指す場所、そこへたどり着く方法をはっきりと定義することである。
・紙に書きだし共有するための「8つの質問」は①コア・バリューは何か? ②コア・フォーカスは何か? ③10年目標は? ④マーケティング戦略は? ⑤3年イメージは? ⑥1年計画は? ⑦四半期の石は? ⑧課題は何か?
・多くの起業家は自分のビジョンがはっきりと見えているが、全従業員が同じビジョンが見えていると誤解している・だから、ビジョンを頭の中から出して紙に書きだすことが共有の第一歩。ビジョンとは、組織が目指す場所、そこへたどり着く方法をはっきりと定義することである。
・紙に書きだし共有するための「8つの質問」は①コア・バリューは何か? ②コア・フォーカスは何か? ③10年目標は? ④マーケティング戦略は? ⑤3年イメージは? ⑥1年計画は? ⑦四半期の石は? ⑧課題は何か?
③10年目標、10年後会社にどうなってもらっていたいかの具体的な測定可能な目標 ④マーケティング戦略、みんなを喜ばせようとすると自分を見失う。理想の顧客リスト、3つのユニーク、証明されたプロセス、満足保証を具体化 ⑤3年イメージ、3年後の姿を生き生きとイメージできるまで具体化 ⑥1年計画、レスイズモア、たくさんの目標をやり切ろうとしない。一握りの目標に集中する。すべてが重要なときはどれも重要でないと同じだ。 ⑦四半期の石、次の四半期で最も重要な優先事項を決める ⑧課題、目指すべき目的地がはっきりしたからこそ邪魔する障害を具体化する
第4章 人ー自分の周りをすぐれた人で囲む
偉大なリーダーが成功した裏には「優秀な人たち」がいた。
本章では「優秀な人たち」を詳細に定義し、彼らを機能させるための考え方とEOSのツールについて解説している。
そして彼らが適切に機能することによる効果、成果の事例を紹介している。
「優秀な人たち」を機能させる
=「正しい人」を「正しい席」に「座らせる」
アカウンタビリティチャート:組織の主要3機能「営業マーケティング」「オペレーション」「バックオフィス」
+「インテグレーター」「ビジョナリー」
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【座らせた】→【権限の委譲】→【進化】
→成長率に合わせて一定期間ごとに更新
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解雇について:「36時間の苦痛」
三つの問い
第5章 データー数値で冷静さを取り戻す
多くの経営者は「自分の位置」「目的地」「正しい方向かどうか」を評価するデータを持っていない。優秀な経営者は厳選された一握りの数字を使って会社を管理している。EOSではそれを「スコアカード」というツールで実践し、業績を定量化する。これにより、組織全体が測定・管理できる有意義な数字目標を持ち、生産的に働くようになる。つまり会社の脈拍を図る、ということだ。元ニューヨーク市長は、毎日毎週犯罪件数を報告させ、犯罪防止を促進した。
スコアカードを作るプロセスは「5~15項目の週単位で終える重要な数字を見つける」「各数字に責任者を置く」「数字目標を作る」「すぐはじめる」「集計担当者を決める」「過去の結果から未来を推測する」というステップとなる。その数字は決算数字のようなものではなく、獲得見込顧客数や顧客連絡人数などの具体的かつ重要なものである。その上で財務諸表で連動性を確認。そうすると、一つの数字が未達しただけで会社の危険信号となることを実感できる。
そして全員に数字目標を持たせる。皆が数字を持つことは人を動かす。それは「曖昧なコミュニケーションを省き」「結果責任を明示し」「数字目標で正しい評価をし」「透明性と約束を生み出し」「競争が生まれ」「結果も生み出し」「チームワークを育て」「問題が早く解決する」。設定するべき数字を見つけるには「期日」「粗利」「顧客満足度」「定期報告」「品質基準」の5つの観点を管理するものから探せば見つけやすいだろう。
第6章 課題ー決める!
1成功は問題解決能力による。失敗の主因は先延ばし。間違った決断よりも優柔不断の方が失うものは大きい。成長を阻む障害の除去の2つのEOSツール ①「課題リスト」の作成,➁「課題解決トラック(IDS)」 2課題リスト⑴オープンで正直であること 従業員が問題を指摘しやすい環境づくり/ミスや課題を率直に認め,ともに解決すること 好例各自2個の課題を挙げさせる ⑵3種類の課題リスト ア「ビジョン・トラクションシート」リスト-90日以上保留可「四半期MTG」で対応 イ経営チームの週次リスト-マクロ,緊急かつ戦略的な課題 優先事項が疎か,主要な人事,主要な顧客等 ウ部署別リスト-ミクロ,各部署の週次MTGで対応 3 課題解決トラック(IDS)⑴原因の追究(Identify)課題リストから重要な3個,さらに1個を選ぶ課題は3種類①真因②情報の課題(共有)③アイデアや機会
の課題(FB,ブレスト等が必要)⑵議論(Discuss)全員の自由な発言(≠討論)※脱線禁止 軌道修正⑶解決(Solve)①解決への行動②全員の認識の一致③調査や報告 ※課題解決十戒➀✕全員一致②✕弱気③要決断力➃直接情報⑤全体の利益⑥個別に解決⑦我慢,終える,変える⑧すぐ解決⑨危険を冒す⑩策を提案⑹個人間問題①強み弱み3個ずつ②全問題を挙げて解決策③解決策からタスクを抽出➃30日後のMTGでタスク完了を確認
第7章 プロセスー会社のウェイ(流儀)を見つけよう
プロセス要素を強化するためには独自のビジネスモデルを構成している「コア・プロセス」を理解する必要がある。そして組織の全員がコア・プロセスを理解し尊重し、順守する。
「コア・プロセス」は
①人事プロセス ②マーケティングプロセス ③営業プロセス ④オペレーションプロセス ⑤会計プロセス ⑥顧客維持プロセスの6つが一般的である。会社ごとにコア・コアプロセスの数、名前、内容についてまとめ、経営チームが同じ
認識を持っているか確認をする。コア・プロセスを特定して名前をつけたら、従業員全員が各コア・プロセスを共通の名前で呼ぶこと。コア・プロセスを文章化する際、結果の80%を生み出す20%の手順を文書化する。従業員が意図せずに工程を省略してしまうため、プロセスの基本的な工程を押さえるだけでいい。工程が省略されると気づいたときには問題が深刻化していることがある。文書化するときは大まかな工程を挙げて、その下に手順を箇条書きで書くこと。
まとめ:プロセスのモジュール
■コア・プロセスの文書化
①コア・プロセスを特定する ②コア・プロセスを文書化して簡略化する(80対20の法則で)③文書化したものを一か所にまとめる
■全員実行
①1人の行動順守による「生命の循環」モデルを作る②全従業員の教育③従業員がコア・プロセスに従うよう管理する
第8章 トラクション(実行力)ーアイデアを行動に移す
5つのモジュールをマスターしたら、実行力を付ける=ビジョンの実現を行う。ビジョンと実行の間にあるギャップを埋めることが大事で、組織に規律と結果責任を持ち込むことに選択肢はない。石とミーティングのリズムが不可欠なツール。結果責任がない、コミュニケーション不足、停滞、カオスの状況に石とミーティングのリズムを導入したら改善できる。トラクションができる。
石:90日以内に行う優先順位。石は3~7項目に絞る。石の決め方は、①ビジョン・トラクションシートを確認し達成すべきことをリスト化、②優先順位決める、③期限設定、④責任者決定、⑤経営チームも石設定、⑥一枚にまとめる、⑦共有、⑧各部門でも石設定。ミーティングのリズム:四半期mtg(8h)切り替え/振り返り/見直し/次のQ設定/重要な課題に取り組む/次のステップ/締めくくり。
毎週mtg(90m)は10点満点mtgと呼ぶ。切り替え/スコアカード/石の進捗/顧客・従業員のニュース/ToDo/課題解決トラック/終了(10点満点で評価)。同じ曜日/時間/アジェンダ/オンタイムスタート・終了とする。
石とミーティングのリズムの実践で、ビジョンに向かって大きく前進できるだろう!
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