日記・ポリフォニー・門:ジッド『狭き門』からモノローグ・オペラ「新しい時代」へ(24)
24.
最後に部屋に入ってくるランプの灯(Une servante entra, qui apportait la lampe.)は、何を浮かび上がらせたであろうか。 これは一体何の象徴なのか。いずれにしても、この結末は(ジッド自身の後付の理屈も含めて)この物語に関する皮相な解釈を 物語自体の持つ力、バルトが写真論で述べたあのpunctumに極めて類似した力によって粉砕してしまうように見える。
ここでは物語を語る衝動はどこに由来しているのか?なぜ語らずにはいられないのか。