『ゴーストリコン ブレイクポイント』を終えて。
『ゴーストリコン ブレイクポイント』を(一応の)最後まで見届ける。
(追加コンテンツを含まない)サイドクエストも8〜9割は消化したうえでの感想。
いや、面白かったですよ。
とかく前作『ワイルドランズ』と比較されがちな本作。かくいう自分も前作をプレイし終え、今作の発表がなされたとき「あんまり変わり映えしねぇなぁ」と思った。
確かに前作の、ボリビアという実在の国をモチーフとしたロケーションは大変に魅力的だったし、現実にあるがゆえに、それを踏まえたオブジェクト(トタン屋根のバラックや漆喰の剥がれ落ちた民家、カビの匂いも漂ってきそうな年季の入ったコンクリ製の建物など)は、周りの景色と調和のとれた一貫性のある世界を創り出していた。
翻って本作は架空の島。しかもそこに存在するのは、シリコンバレーの象徴のような超ハイテク企業の実験場。木々生い茂る密林のなかに突如として現れるモダンでハイセンスな建物群、またそこに従事する従業員たちの住まう、いずれも建築雑誌の表紙を飾りそうなハイソでアッパーな生活が伺える住宅地。
正直、ミスマッチ感は拭えない。自分の第一印象はそれであり、プレイし始めてしばらくは、その感覚は変わらなかった。だから発売から今まで手をつけなかったのだった。
ただ、それも全体の2〜3割進めたところまでの話であり、その頃から印象はガラリと変わる。
始めはあんなにミスマッチ感の拭えなかったそれぞれが、前作に比べて(個人的には)ぐっとナラティブが進められた本作のストーリーテリングと相まって、必然のものとして捉えられるようになった。
先鋭的すぎた創設者の、周囲の雑音を遮断し、自身の理想を追求するために選んだ辺境の孤島。"最善"の暮らしを求め集まった人間たちの暮らす街。それを管理するPMC、もともと島で暮らしていたアウトロー。それらがそこに住まう理由が確かに存在した。
そんなことを理解してからは早かった。特にプレイを中断する理由はなかった。というか諸々が丁度良く、サイドクエストやデイリークエストばかりをプレイし、本編を進めるのを疎かになるくらいであった。
発売当初は『ゴーストリコン』の基本であった4人小隊の概念が取り払われ、1人で多くの敵と戦わなければいけない、という設計であった。
それは裏を返すと、友達とマルチプレイで楽しんでね。今までAIと組んでいた部分を友達と楽しんでね。そうすれば不足はないでしょう?という理念の現れだった。
ただ、もともとがシングルプレイゲームとして始まったシリーズ。やっぱりソロプレイで楽しめて、なおかつマルチプレイというお楽しみがあって満足、というのがおおかたの理想だったのである。
ゆえに酷評された。
しかし以来、そうした声を反映して地道にアップデートを繰り返し今がある。基本は4人小隊で行動でき、今や遊びきれないほどのコンテンツで溢れている。
今、遊ばない手はない。いや、別に他に楽しい(楽しそう)なゲームはいくらでもある。
本作を少しでも「どうしよっかな」と思っているのであれば、買って損はないのでは。と思うのが本音。
以上です。お疲れさまでした。