サブスクと定額制の違い
<個人の意見です。ビジネススクールなどで習得したものではないので見解が違う可能性もあります>
レンタルビデオ(今はDVDやブルーレイだが)はあくまでレンタルであり、サブスクリプションではないのは、皆さん知っているだろう。
車のリースも、KINTOなどのサービスは別としてサブスクリプションとは呼ばない。
ところが、最近ではいきなりステーキでもサブスクリプションを始めた!ということで話題になっているが、ただの定額で購入にできるようになるものをサブスクリプションと呼んでいないだろうか?
そもそも、辞書的な意味でのサブスクリプションの定義とは
定期購読
である。
定期購読の要件をビジネス的に考えてみたいと思う。
1. 同じ記事(モノ)を同時に利用できる
一度取材をした結果は、購読をしている方すべてに(ほぼ)同時に使いまわすことができる。購読者、一人一人に違う記事を生成する必要はないし、一人が使っているからと言って、ほかの人がその記事を読めないということはない。
NetflixやSpotifyも全く同じで、一度配信する動画や音楽を設定してしまえば、購読者に対して1つ1つ配信する動画を作ることはありません。
2. 記事(モノ)を作る機能と配布する機能は別
記事を作る人は記者。配布するのは輪転機を持っている各地域の新聞屋です。
Webサービスになっても同じで、記者や歌手がコンテンツを作成する人であり、Web上での配布をしている状態で、記者や歌手が直接配布することはありません。
=>1.2を合わせると物理的なモノをサブスクリプションすることはできない。
3. 週ないし月、年などに一度定額の料金が徴収される
日本の新聞であればたいていの場合、月次で。雑誌であれば年次や四半期などであるが、料金を徴収されることになる。
4. 料金には種類が複数ある
料金はプレミアムバージョンやスタンダードなど、新聞であれば朝刊のみ、朝刊・夕刊両方、Web版もなどの複数の修理の料金体系になっている。
5. いつでもペナルティなしでやめることができる
多くの場合、1か月の料金を支払ってしまった後にやめてもペナルティをなくやめることができる。No.6の初回特典をもらった場合は3か月などの制限期間があるが、ペナルティは少ない。
6. 初回は特典がある(オプション)
初回は、サブスクライバーを増やすために特典がついていることが多い。
Netflixなどでも1か月間無料などは常にやっているし、キャンペーンの時は3か月無料やプレミアムがスタンダードの料金で利用可能などの特典がついていることがある。
この要件を当てはめて考えてみると。。。
今現在サブスクリプションと日本で考えられている、または謳っているサブスクリプションビジネスはほとんどサブスクリプションではないことがわかります。
完全にサブスクリプションと認定できるサービス
Amazon Prime
Spotify
Hulu
Office365
Kindle Unlimited
Playstation Plus
1つの要件を満たしていないサービス
メチャカリ:同じモノを使いまわすことができるが、一人が使っているとほかの人はそのモノは利用することができない
のように、レンタル的なビジネス。
メチャカリ概要;洋服レンタルのサブスクリプションサービス。『MECHAKARI』でレンタルできるのは全て「新作新品」のアイテム。洋服の返却期間はなく、何度でも借りることが可能です。気に入った洋服を「60日間」借り続ければ、自分のものにできる点が特徴。
2つの要件を満たしていないサービス
ワイクリン:『YClean』でレンタルできるのは1ヶ月分のワイシャツ。自分でクリーニングする必要もなく、使い終わったら返却するだけ。
1. ワイシャツが使いまわしできないため、同じ記事(モノ)を同時に利用できるの要件に反する
2. ワイシャツの提供者と配布者が店舗が同一であり、記事(モノ)を作る機能と配布する機能は別の要件に反する
牛角をはじめとした飲食のサブスクリプション
1. 一度提供してしまった飲食物をほかの人に使いますことはできないため、同じ記事(モノ)を同時に利用できるの要件に反する
2. 飲食の提供者と配布者が同一であり、記事(モノ)を作る機能と配布する機能は別の要件に反する
3つの要件を満たしていないサービス
KINTO: ヨタ自動車が提供する、トヨタ車・レクサス車を月額定額制で利用できる「愛車サブスクリプションサービス」のブランド名
やめる際にペナルティがある、以外にモノの使いまわしのため3つの要件を満たすことができない。
ここで重要な点は、サブスクリプションの要件のすべて満たしていない自称サブスクリプションはあまりうまくいっていないという点である。すなわちサブスクリプションで成功したいのであれば既存の物理的なモノビジネスから脱却する必要がある。
メーカーでもサブスクリプションビジネスを考えている企業は多いと思うが今ある物理的な商材を定額で使わせることはサブスクリプションではなくただの定額制で、ビジネスの限界がある。どうすれば、限界が発生しない、使いまわしすることが可能なモデルとなるのか?ということをよく検討したうえで、サブスクリプションモデルに進出するべきである。
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