言葉の宝箱 0544【おいしいものを作れるってことは、しあわせになる方法を知ってるってこと】
「靖子先生、そういう謎を解くのが得意なんです。
いつも、ちょっとしたヒントから真実を見つけてくれるんです」
手を掛けたランチが評判の菜の花食堂を営む靖子先生はいつも
とびきりの料理と謎の答えと明日へと進むためのヒントを手渡してくれる。
好き嫌いがないはずの恋人が手作りのお弁当を嫌がるのはなぜ？
野菜の無人販売所の売上金が月末に限って増えている理由は？
小さな食堂の料理教室を舞台に温かくて美味しい日常ミステリ第３弾。
『小松菜の困惑』『カリフラワ－の決意』『のらぼう菜は試みる』
『金柑はひそやかに香る』『菜の花は語る』５話連作短編集。
・考えていることが形になっていくのは嬉しくて仕方ない P53
・おとなは『何をやるべき』っていう義務感が強いでしょう？
そうしてしばしば自分の感情を押し殺してしまうことがある（略）
こころが悲鳴をあげているのに、
それを無視して、倒れるまで頑張ってしまう P85
・好きなことばかりできる人間はなかなかいない。
だけど、ほんとうに大事な感情は手放しちゃいけないわ。
こころが喜ぶことをしていれば、面倒なことも面倒ではない。
ひとつひとつが、意味のあることになりますから P87
・味も大事だけど、それを売る人の人柄も相手を動かすのよ。
両方なければ売れるものにならないわ P89
・角を曲がったらいきなり視界が開けたようで、
先がすっと見通せるような気がした。
いろいろたいへんかもしれないけれど、きっとなんとかなる。
なんとかしてみせる P93
・料理は作る人とそれを食べる人、
それぞれの気持ちが重なって、おいしいという感情が生まれる。
どちらかだけではダメなのだP135
・おいしいものを作れるってことは、
しあわせになる方法を知ってるってことだと思うの P224