マクスウェル・ボルツマン分布を解読する。(勉強めも)
・マクスウェル・ボルツマン分布は何を示しているのか?
それはズバリ、分子の速度と個数の関係。.....?よくわからん。勝手に具体的にする。
小学校のクラスを思い出してみる。やる気があってバンバン手を挙げるやつもいたし、ぼんやりしてる人もいるし。日によって、授業によって、ぼんやりしているやつの目が輝いて、積極的になったり、いつも元気なやつがしょんぼりしてたりする。
その気分の上がり下がりみたく、分子はその時々によって速いやつがいたり、遅いやつがいたりする。
(分子はいつも動いているらしい.....まぁ、生きてるってことなのかな??)
で、どっかの一場面を切り取って、それを分析してグラフにしたっていうのが、この分布。そんなイメージ。
横軸は分子の速さ。縦軸は、人数(個数)。
曲線が何個もあるのは、切り取る場面がちがうから。というのも、このマクスウェルさんだかボルツマンさんは、温度を変えた部屋のなかで計測すると、分子の状態が変わってしまうことに気づいたんだな。
たしかに暑いときはカァッと頭に血がのぼって集中力きれる子と、頑張って集中力保つ子で差が出るよね。グラフの分布が広がっているのは、実はそのせい、らしい。
・国試を解いてみる。
第100回薬剤師国家試験 問92 物理から引用。
『マクスウェル・ボルツマン分布則に基づいた、温度の異なる、ある理想気体の運動の速さ分布である。
図中の曲線Aは温度T1=150 Kの場合、曲線Bは温度T2の場合を示す。
気体の運動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、図中の分子運動は並進運動のみを表しているものとする。
1 T2は、約300 Kである。
2 各曲線における最大確率速度(頂点における速度)は、それぞれの平均の速さより小さい。
3 分子量が2倍、温度T1の理想気体における分布曲線は、曲線Aと比べて、右側にシフトし広がる。
4 温度が高くなれば、速さの分布は広がる。 』
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ふむふむ。まあ、正しいのをふたつ選ぶ問題か。
パット見、T1とT2の曲線がある。T2のほうが分布ひろいから、高温かな~?
お、4はそのまんまやないかい。いぇーい。
1はちょっとわからないなぁ。T2の方が温度高いのはそうだろうけども。
2もわからん。
3は.....分布の広がりに分子量は関係ない気がするな。動けるデブ(←失礼)とかも居るしなぁ。
関係あっても、早くなることはない気がするな。
・・・1か2が正解やね...どっちだ??
分子速度に関する3つの式
・気体分子の根平均二乗速度(こんへいきんにじょうそくど)
√u2=√(3RT/M)
・最大確率速度um(グラフの頂点での速度)
um=(2RT/M)1/2
R:気体定数、T:絶対温度、M:分子量
・平均速度
u=√(8RT/πM)
根平均二乗速度>平均速度>最大確率速度
→ 3 : 8/π : 2 の関係 があるらしい。
これ覚えとかんと解けないらしい...(泣)
ほうほう。これ覚えとくと、2の選択肢はわかるな。最大確率速度は、平均の速度より、小さい。ふんふん。
そんで1の選択肢。
頂点の温度を見る。AとBを比べると、丁度2倍。
最大確率速度の式から、速度は温度の1/2乗に比例。
すなわち、温度が4倍だったら、速度はその√とって、2倍になる、ということ。
.....てことは、今、速度2倍になってるから、Bの温度はAの4倍かぁ。
・・・・そんなわけで正解は2と4。
むずかし。少しずーつやってくしかないな.....。
でも案外、やってみると簡単だな、と思った。うん。
暗記苦手やんな。.....どーーしよ(どうする?)
使った参考書
・『化学熱力学中心の基礎物理化学 改訂第3版 』
(学術図書出版社)
↑表紙のぞうさんが好き。モノクロで丁寧な感じ。数式多め。今回はp12~15あたり
・『PRACTICAL基礎化学高校化学から大学専門大学へ』(京都廣川書店)
↑圧倒的にわかりやすい。ただし、ちょくちょくむずかしいとことばしてる。
(著者プロフィールみるとなるほどなぁ、そりゃわかりやすくせんと、と納得する)
今回はp84あたり。
物理苦手なんな。
自分がじぶんであれますように。そんな世界がひろがるように。見てくれてありがとう。