Sciuscià 妻のお気に入り靴
Sciuscià(シューシャ)の靴は、妻のお気に入りでかなりヘビーに履いています。ぼくは、ほぼ毎日その姿を見せられているので、いつの間にか洗脳されてしまったようです。なんだかどうにも素敵で可愛いような気がしてなりません。(靴のことですよ!)
白ワインやオレンジワインの産地として有名な、イタリア北東部のフリウリ地方でSciusciàの靴は作られています。その製作工程は、全て数人の熟練した職人による手作業です。そのため、1日に生産できる数は20足程度となっています。
世界大戦の最中、極度の物資不足から自転車のタイヤや使わなくなった布地をリサイクルして作り始めた農業従事者の靴、furlane(ファーレーン)。その流れを今に受け継いでいるブランドの一つがSciusciàです。
TRAGARA(トラガラ)はぼくの妻がよく履いているモデルでスリッポンタイプです。太極拳の先生が履いてるカンフーシューズを連想させる見た目は、ユニセックスに履けてスカートにもパンツにもあわせやすい型です。ぼくはこのTRAGARAがかなり気になっています。
MARYJANE(メリージェーン)は、ストラップタイプのモデルとなります。ストラップはスナップボタンとベルトで調節できるようになっていて、歩行時の安定が良く履きやすい型です。見え方はやはり女性向けで、エレガントなスタイルにも合わせやすく、スカートやワンピースでのコーディネートにも適しています、
履き心地の良さは、Sciusciàの最大の特徴とも言えます。アッパー部分のベルベットは柔らかく足を包み込んでくれます。また、踵に入っているフォームラバーのクッションがさらに履き心地の良さをアップさせてくれます。このフォームラバーによって固い地面への着地の衝撃が緩和され、長時間の着用や歩行にもストレスを感じにくい靴となるのです。
人体や環境に配慮した優しいもの作りもSciusciàが大事にしているコンセプトです。通常、靴の製造に使用する有機溶剤系の接着剤を一切使わず、アウトソールは優秀な職人の手によるステッチ付けとなっています。
接着剤の使用は、コストや労力を抑える代わりに製造過程で気化する溶剤を吸い込むことによる生産者の健康被害や実際に履く人のアレルギー被害、環境負荷といった点で問題視されていて、Sciusciàではいち早くこうした問題に対応した製品作りへ舵取りを行いました。
結果的には、環境問題に対する熱量があるヨーロッパではこのサスティナブルな取り組みが評価され、また日本においては職人の技を楽しむ民芸的要素が受け、幅広い年齢層から支持されています。
イタリアならではの発色が良く個性的なカラーが毎コレクションごとに発表され、そのたびについつい目移りしてしまいます。次の秋冬には、ぼくが個人的に履く分としてスリッポンをオーダーしたので、入荷が今から楽しみです。妻とお揃いの靴を履いて嬉しくお待ちしています。
タブチヨシタケ