yoinのはじまり
これといった何かは見当たらないけれど
久しぶりに帰ってきた故郷のように
何だか居心地の良い
"まち"
これといって何でもそろうわけではないけれど
馴染みの喫茶店に通うように
何だかつい立ち寄ってしまう
"おみせ"
これといって何の理由もないけれど
昔の友達を懐かしく思い出すように
何だかふと会いたくなる
"あのひと"
作り手の想いがつまった小さな特別達が誰かのためだけの特別へと変わっていく瞬間、訪れる人の心はふわりと満たされ、幸せな余韻に包まれます。
岡山市の北の果て、自然にあふれる建部町にyoinはあります。
岡山市の中心部から北に車で40分、”しっかりとした田舎”という表現がぴったりのこの場所は、有名な観光スポットでもなく、お世辞にも人の往来の多い町ではありません。
祖母の家があるこの場所でお店を始めたい、そう考え始めたのはかれこれ4年前になります。もっと人の多い場所のほうが良いのかもしれません。流行のブランドも取り入れるほうが良いのかもしれません。でも、
”自分達の大好きなものに囲まれたお店に来てくれたお客様と、ゆっくりと楽しく会話をしながら素敵な時間を過ごしたい。”
夢のような話で、書くことを躊躇するくらい照れくさい気持ちになりますが、どれだけ考えてみても結局はこういうことでした。私たち夫婦が、お互い人生の折り返しを迎えても、考えていることは20代前半の頃と一緒で、芯があるというべきか、全く成長が見られないというべきか、ちょっと笑ってしまいます。
それでもやっぱり、自分達が惚れ込んだ品物を、お客様がじっくりと手に取って、ゆっくりと気に入ってもらい、笑顔になって連れて帰ってもらう、その流れの中に自分達が存在することは、本当に奇跡のような、幸せな時間であることに間違いはありません。
yoinという店名は、家までの帰り道や家に帰った後でも、思わず楽しい気持ちがぶり返して笑顔になってしまう、そんな幸せの余韻をお客様と一緒に楽しみたいという想いから、名付けました。
また、余韻には音楽を演奏した後の残響といった意味合いもあります。良い演奏の後には心地の良い余韻が漂います。お客様の心に気持ちの良い余韻が残りますように、店内に漂う余韻が清々しいものでありますように。
タブチヨシタケ
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